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映画『まく子』感想。世代を超えて愛される再生と感動の物語!

【シネマの時間】第56回は、直木賞作家・西加奈子の傑作、待望の映画化『まく子』をピックアップ! 14歳初主演の山崎光 X 圧倒的美少女の新音に実力派俳優の草彅剛 、須藤理沙を迎えて贈る世代を超えて愛される再生と感動の物語。3月15日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー!

映画『まく子』感想。世代を超えて愛される再生と感動の物語!

こんにちは。 アートディレクターの諸戸佑美です。

立春が過ぎ、春が待ち遠しい今日この頃ですね。

【シネマの時間】第56回は、世代を超えて愛される再生と感動の物語、映画『まく子』をお送りします!

原作は、第152回直木賞作家・西加奈子が、(『サラバ!』)受賞後、1作目として書き下ろした小説『まく子』。

児童小説では、異例の累計55000部の売り上げを記録、待望の映画化です。
主人公サトシには、『真夏の方程式』で福山雅治演じる湯川と心を通わせる少年役を好演した山崎光が務め、思春期の少年の揺らぎを見事に演じています。

謎の転校生・コズエを演じるのは、これまでモデルとして活躍し透明感のある美しさを持つ新音(にのん)。

そして、旅館を明るく切り盛りするサトシの母・明美役には、NHKドラマ『半分、青い。』に出演し話題の女優・須藤理彩。

また、舞台『道』映画『僕と妻の1778の物語』など実力派俳優として人気の草彅剛が、女好きなダメ親父だけれど、息子の成長を陰ながら見つめ背中を押す料理長の父・光一役を演じ、色気を漂わせた演技で存在感を放っています。

監督は、初長編映画『くじらのまち』がPFFアワード2012にてグランプリ&ジェムストーン賞をW受賞し、第63回ベルリン国際映画祭をはじめ各国の映画祭で高く評価された鶴岡慧子監督。

原作のエッセンスを大切に、幅広い世代から愛される世界観を心温まる感動作として描き、親子で楽しめる映画としてもおすすめです。

小学5年生のサトシの成長を通して、私もいろいろな気づきを得ることができました。

ぜひ、映画館でお楽しみください!

3月15日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー。

■映画『まく子』あらすじー少年が不思議な少女との出会いを通して成長する姿を描いた人間ドラマ

温泉街の旅館「あかつき館」を営む両親と暮らすサトシ(山崎光)は小学5年生。

サトシの母・明美(須藤理彩)は代々続く旅館を明るく切り盛りし、父・光一(草彅剛)は料理長として働いています。

人口の少ない街では誰もが顔見知り、クラスメイトも小さいときからずっと一緒で変わりません。

そんな環境の中、サトシは猛スピードで「大人」に変わっていく女子たちを恐ろしいと思い、精神的に成長しない男子たちを冷めた目で見つつ、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていました。

また、女好きのサトシの父が女性と密会しているのをたまたま目撃してしまい、大人に対して嫌悪感を募らせていました。

春のはじめ、旅館の従業員用の寮「いろは」に母娘が越してきます。

娘は、サトシと同じ年の美少女・コズエ(新音)といいました。

コズエはとても変だけれど、とてもきれいで、ありのままで、変化を恐れず楽しんでいる――そんな感じがしました。

コズエは「まく」ことが大好きで、小石、木の実、ホースから流れ出る水、なんだってまきちらします。

つかみどころのないコズエに最初は困惑していたサトシでしたが、話すうちに彼女に魅せられていきます。

そしてコズエから「私とお母さんは、ある星から来たの」と大きな秘密を打ち明けられます。

町では、子どもたちが作ったお神輿を壊すことで、再び生まれ変わる”再生”を祝うサイセの祭りが近づいていました。

お祭り当日、サトシたちが作ったお神輿が壊される寸前に、「いろは荘」の方から火の手が上がり大騒ぎに。

幸いすぐに火は消火されましたが、火事のあとサトシの周りでさまざまな変化が現れてきます。

そしてコズエたちとの別れの日がやって来るのですが……。

”大人になりたくない僕が恋をした不思議な少女

彼女がまく奇跡に世界は美しく輝きだす”

■エンディング曲は高橋優の楽曲『若気の至り』

クライマックス、感動の余韻に寄り添うエンディング曲は、『映画クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』『パパはわるものチャンピオン』などの主題歌を手がけてきた高橋優が、本作のために書き下ろした楽曲『若気の至り』!

誰もが通り過ぎる思春期の揺れる気持ちをスローナンバーで仕上げた名曲です。

切ないメロディーラインにのせて、歌詞にある”今ここにしかない光”が、映像とともに心に響くでしょう。

『若気の至り』は、高橋優の6thアルバム『STARTING OVER』に収録。

■映画『まく子』作品紹介

2019年3月15日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次ロードショー!
公式サイト:http://makuko-movie.jp

監督・脚本:鶴岡慧子
原作:「まく子」西加奈子(福音館書店 刊) 
製作:畠中達郎、新井重人、飯田雅裕、板東浩二
エグゼクティブプロデューサー:千葉伸大、福家康孝
プロデューサー:依田剛大、久保美夏、高橋信一、赤城聡、久保田傑
撮影:下川龍一
照明:明星知
録音:高田伸也
美術:徐賢先
装飾:斉藤暁生
衣装:田口慧
ヘアメイク:有路涼子、永嶋麻子
VFXプロデューサー:赤羽智史
砂絵アニメーション:佐藤美代
音響効果:勝亦さくら
編集:普嶋信一
音楽:中野弘基
主題歌:高橋 優『若気の至り』(ワーナーミュージックジャパン/unBORDE)
スクリプター:押田智子
助監督:関谷崇
制作担当:大川哲史
協力プロデューサー:佐藤美由紀
製作年:2019年
製作国:日本
配給:日活
上映時間:108分
映倫区分:G
©︎2019「まく子」製作委員会

■映画『まく子』キャスト

山崎光=南雲慧
新音=コズエ
草彅剛=南雲光一
須藤理彩=南雲明美
つみきみほ=コズエのオカアサン
村上純=ドノ
橋本淳=小菅
内川蓮=生類
根岸季衣=キミエおばちゃん
小倉久寛=校長

【シネマの時間】
アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美
©︎YUMIMOROTO

諸戸 佑美

本や広告のアートディレクション/デザイン/編集/取材執筆/イラストレーションなど多方面に活躍。

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