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いつもごきげんなお母さんは、人に頼る勇気を持っている。

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連載「お母さんはもっと自由でいい」では、ジルデコのchihiRoさんが、仕事と育児の両立を実現している女性と対談し、働くお母さんをもっと自由にするヒントを届ける企画。1回目ではラジオDJの秀島史香さんにお越しいただきました。

いつもごきげんなお母さんは、人に頼る勇気を持っている。

仕事はがんばりたい。でも、家族との時間も大切にしたい。

子どもがいる女性なら一度は悩んだ経験があるのではないでしょうか。

ジャズバンド「JiLL-Decoy association」(通称、ジルデコ)のボーカルを務めるchihiRoさんもそんな女性のひとり。

第一線で活躍するアーティストであると同時に、家では1歳8カ月の娘さんのお母さんでもあります。

「音楽活動にもっと勤しみたいけど、家族との時間も持ちたい」。そんな葛藤を抱えています。

「お母さんはもっと自由でいい」では、chihiRoさんがホスト役となり、仕事と育児の両立を実現している女性にお話を伺っていきます。

1回目のゲストは、人気ラジオDJの秀島史香さん。

秀島史香(ひでしま・ふみか)さん
ラジオDJ、ナレーター。茅ヶ崎市出身。慶應義塾大学在学中にラジオDJデビュー。
現在、Fm yokohama「SHONAN by the Sea」他に出演。
テレビ、映画、CMなどのナレーション、機内放送、美術館音声ガイドなど多岐にわたり活動中。
著書「いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則」(朝日新聞出版)が好評発売中。
公式サイト http://fmbird.jp/dj/fumika_hideshima/
ブログ http://hideshima.blog.so-net.ne.jp/
twitter @tsubuyakifumika
instagram @hideshimafumika

■保活はホントに厳しかった

chihiRoさん(以下、chihiRo):史香さんは娘さんを出産後、どれくらいで仕事に復帰されたんですか?

秀島史香(以下、秀島):産後1カ月は自宅にいました。私の仕事はスタジオでの収録が多いですし、時間を決めてパッと終えられるので、産後1カ月半で復帰しました。そういえば、chihiRoさんも産後50日でステージに立ちましたよね。

chihiRo:そうなんですよ。周囲のサポートがあったおかげで、比較的早く復帰できました。仕事を再開するにあたって、お子さんは保育園に預けたんですか?

秀島:保活は全然ダメで、「こんなに厳しいんだ」と愕然としました。何度も区役所に相談に行きましたが、結果はノー。もう行政を頼るのは諦め、母や友人に娘のお世話をお願いしたり、テレビ局などの職場に連れて行ったりしました。ラジオ局では、事前収録した音声を流す20分ほどの間に授乳したこともありましたね。

■ご近所ネットワークは大きな支えになる

chihiRo:知人を頼ったとおっしゃいましたが、どこで知り合ったんですか?

秀島:私の場合は公園が多かったです。娘を連れて散歩に行くと、同じように散歩中のお母さんたちがいるので、「こんにちは」と挨拶して仲良くなっていきました。

chihiRo:史香さんの著作『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』にもヒントが書かれていましたね。

秀島:わあ、読んでくれてありがとう。公園にいるのは、私と似たような環境にいるお母さんたち。寝かしつけのことや離乳食についてなど、彼女たちが関心を持っていそうな話題をいくつか用意しておいて、挨拶の後に会話を続けます。共通点を感じて、打ち解けることがあります。

chihiRoさん:私は両親も義両親も近くに住んでいるので、ご近所ネットワークという考えは持ってなかったです。でも最近は両親も少し大変そうで、預け方も見直しているところです。

■人に頼る=迷惑じゃないか、なんて思わなくていい

秀島:体力面での懸念があるし、親だけに頼り続けるのは限界がありますよね。私も気軽にお願いできないことがあります。だからこそ、ご近所のつながりは、仕事と育児の両立をサポートしてくれたかなあ。

たとえば仕事で突発的に呼び戻されたとき、「いいわよ。私が預かるから仕事に行って」みたいに助けてくれる。反対に私が近所の子どもを預かるときもあります。

chihiRo:なるほどー! 人を頼るって迷惑にならないか心配してしまうけど、そうじゃないんですね。

秀島:子育てって、ただ移動するだけでも、誰かの手を借りないと難しいこともある。新聞やネットではネガティブなニュースが目立つけど、実際には優しい人はたくさんいます。

ベビーカーを押してエレベーターのない駅で困っていたら、男子学生たちが階段を上るのを手伝ってくれたことがありました。みんなどうしていいかわからないだけのときもある。ダメ元でお願いしてみると、笑顔で力を貸してくれる人もいますよね。身に沁みました。

■家事は分担して仕組み化する

chihiRo:仕事と育児の両立の壁になるのが家事だと思うんです。史香さんのご家庭では分担はどうされていますか?

秀島:結婚当初は細々したものも含めて私がやっていましたが、「なんで自分ばかり?」ってストレスが溜まるようになりました。それは良くないので、夫に対して「これをやってほしい」と伝えるよう心がけましたね。我が家では、家事を夫婦でうまく回す仕組みを作りました。

chihiRo:どんな仕組みなのか気になります! 具体的に教えてください。

秀島:たとえば、朝に最後に家を出る人が洗濯物を干す、みたいな感じで細かく役割を決めました。もともと夫とは予定をGoogle カレンダーで共有する習慣があったから、分担はスムーズにできていきましたね。

chihiRo:私、夫に「これをやって」「あれお願いね」とか、頼むのが下手なんです。「でも、あれはやってくれてるし、せっかくいろいろ手伝ってもらってるのに」とか思って伝えないことも多いです。

秀島:「悪いけど〜」なんて一言挟みながらも、伝えた方がいいと思います。じゃないとモヤッとした気持ちをずっと抱えたままで過ごすことになってしまう。それって自分も相手もしんどいですしね。

■夫婦はチームだから、あえて「放置」することも

chihiRoさん

chihiRo:がんばって伝えてみよう。ちなみに、ご主人が家事をやり忘れたときはどうしていますか?

秀島:夫が洗濯物を干し忘れたときなら、気づいてもわざとそのままにします。あとで夫に「あれ、この服はなんで生乾きなのかな?」って冗談っぽく言う(笑)。

chihiRo:わあ(笑)。

秀島:ちょっと意地悪な感じだけど、「チームだからね。あなたが自分の役割を果たさないと困るの」と夫に自覚してほしくて。放っておくのは、本当はとても嫌だけど、ここは我慢するの(笑)。

あと、定番の「靴下脱ぎっぱなし」問題。このときも同じで、あえて何もしません。「自分が知らない間に自然と片づいてる」って魔法はないんですよ、という視覚的メッセージを送るつもりで(笑)。あわせて、「子どもが真似するからやめてね」と伝えると効果的です。

■今受けられない仕事は「縁がなかった」と割り切る

chihiRo:私は子どもを持ってから、「時間ってこんなにないんだ」と痛感しています。実は娘が寝返りを打つ頃までは、「両立って意外と簡単だった!」と余裕でいましたけど、1歳半くらいから無理かもと思い始めました。

秀島:時間はないですよね。おそらく、お母さんなら誰もが感じる永遠のテーマだと思います。

chihiRo:時間的な余裕がなくて、仕事の依頼が来ても受けられないときがあると思うんです。史香さんはどうでしたか?

秀島:子育て中は、どうしても子ども中心の生活になるので、受けられる仕事の数には限界があります。夜遅くとか、朝早くの時間帯の仕事ができないという制約も生じてくる。独身時代のように、「指名が入ればどこでも行きます!」というスタンスではとても仕事はできません。でも自分のライフステージが変わったのですから、そりゃ仕事との関わり方も変わるよね、と考えるようにしました。

■仕事を断る勇気

chihiRo:そうですよね。となると、仕事を選ぶことになると思います。いただいた依頼を断るときのモヤモヤとか、仕事がなくなってしまう恐怖にどう向き合われたんですか?

秀島:断るのは本当に怖かったです。「もう次はないかもしれない」といつも心配していました。

でもいつの頃からか、「自分が受けられない状態に来た仕事は、ご縁がなかったんだ。他にできる人にやっていただければいい」と割り切るようにしました。

無理に自分で抱え込もうとせず、その仕事を引き受けられる人にパスするという感覚でしょうか。思い切って手放す勇気も大事だと思います。

chihiRo:断る勇気かあ。私は、つい受けてしまうんですよね。受けてから、「さて、子ども、どうしよう」って。あまりに仕事優先にしていて、夫から「一番守りたいものは何?」と突っ込まれたこともありました。家族が一番に決まってるけど、態度で示せてない(笑)。

秀島:家事にも通じることだけど、自分の中の理想を見直してみることも大切だなと。昔掲げた合格点も今の現実には高すぎるのかもしれません。時間的に無理なものは無理で、今の状況に応じでやるしかないわけですから。でもそのぶん、今までとは違う経験値がアップしていて、「この瞬間にも私、バージョンアップしてるはず!」と考えるようにしています。

■周りのお母さんと比べないで

秀島:あと、日本には「手作りは絶対的ベスト」という考えがありますよね。娘が幼稚園から持ち帰る冊子の表紙には可愛いお弁当の写真が載っていて、「やめてー!」って叫びたくなりました(笑)。

chihiRo:同じ気持ちです。インスタには可愛いお弁当がズラリと並んでいて、落ち込むこともしばしばです。「どうすればこんなにすごいのを作れるんだろう?」と、できていない自分がダメなんじゃないかと思ってしまうんです。

秀島:私が育ったアメリカでは、パンにジャムを塗ってサンドイッチを作り、ジップロックに入れて「はい、お弁当」というケースもあります。

「こうあるべき」という理想とのギャップに落ち込むよりも、「これでいい!」と自分なりの合格点に到達できたらハッピーでいること。

お母さんがカリカリモヤモヤしているより100倍良いと思います。何も手料理じゃなくても、子どもに対して愛情があるなら問題はないんですよ。

chihiRoさん:史香さんは、ご家族でベルギーに住んだこともあり、海外経験が豊富ですよね。さまざまな国のお母さんを見ることで、「あるべきお母さん像」が変わってくるのではないですか?

■いいお母さん像は子どもの数だけある

秀島:それはありますね。ベルギーに住んでいたとき、月に一度仕事で日本に帰っていたんです。娘は離れるのが寂しくて大泣きして、その姿を見て私は辛くなりました。「こんな思いをしてまでなぜ働くのだろう」と感じたこともありました。

働き続けることについて深く考えた機会でしたね。娘と仕事についての話もしましたし、将来どんな仕事をしたいのか、働くことがどんなに楽しいのか、自立することの大切さも話をしました。

そのうち6歳児なりに娘は理解して、「おみやげ買ってきてね!」と送り出してくれるようになりました。子どもの数だけ、「ウチのお母さん像」があると思うんです。

「こうあるべき」という絵に描いたような理想を目指してムリするより、「ウチはウチ」と割り切って判断していく方が家族全員の幸せにつながると思います。

ちなみに、大切にしているのは、娘と一緒にいるときは、仕事のことを忘れて本気で遊ぶこと。母親が「本気」かどうかって、子どもには全部お見通しですもんね。

chihiRo:なんて素敵な言葉! 私も史香さんが言うように、日本の多くのお母さんは「あるべき姿」に苦しんでいると感じます。史香さんのお話を伺って、気持ちがふっと軽くなりました。ありがとうございました。

構成/薗部雄一

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DRESS編集部

人生を自分らしく楽しむ大人の女性たちに、多様な生き方や選択肢を提案します。

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