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上司に対してキレてしまった……後悔しない怒りの伝え方とは【大人の上手な怒り術#10】

ある日上司にキレた…我慢の限界だった…こんな経験はありませんか? 怒りと上手く付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事・戸田久実さんがお届けする連載【大人の上手な怒り術】第10回では、上司に対して怒りを感じたときの上手な伝え方について解説してもらいます。

上司に対してキレてしまった……後悔しない怒りの伝え方とは【大人の上手な怒り術#10】

■溜め込んだ怒り、ある日上司にキレた

職場では冷静さが求められることもあり、怒りを感じる場面でも、さそのまま怒ったり怒鳴ったりするというわけにいきません。

部下に対してどう伝えればいいのかも悩ましいところですが、上司に対しての怒りはどう伝えたらいいのだろう……と悩む人も多いようです。

「溜め込まずに、適切なタイミングでちゃんと言っておけばよかったんですよね。溜め込んだ怒りが積み重なって大きな怒りになり、とうとう上司との面談でブチ切れてしまいました……」

先日、Aさんからこんな相談を受けました。

Aさん(30代後半)は、事務職として勤務して十数年というベテラン。仕事もできて頼りにされているからなのか、どう考えても同じ部署の女性事務職の人たちと比べても仕事量が多いし、何かと部長(50代男性)から無茶ぶりされることもあったというのです。

「あ、Aさん、これも頼むね」と新人でもできそうな雑務まで頼むことがしばしばあり、「他にも手が空いている人はいるのに、なんで私ばっかりこんなに負担が多いの?」と、不公平感が募っていたといいます。

ですが、その気持ちを部長に言うのも憚られ、「私が言う前に部長が気づくべきだ」という意地のようなものもあって、怒りを溜め続けていたある日、部長との面談でとうとうブチ切れてしまったのです。

きっかけは、「〇〇さん、後輩のBさんより余裕がないように見えるけど」という一言。「誰のせいだと思っているの⁉」と、我慢して抑えていた怒りが抑えきれなくなり、本音があふれ出しました。

「部長はどこ見てるんですか⁉ 私ばかりが無茶ぶりの仕事を引き受けていますよね? Bさんより私の方がより多く仕事を引き受けていること、わかってないんですか⁉ ちゃんとマネジメントしてください。あのときも……」と、言い出したら止まらなくなり、部長はただ呆然とするばかり。

後味が悪い面談となり、冷静になったときに自己嫌悪に陥ったとのことでした。

■「言う」「言わない」の線引きを明確にしておく

こんな風にあるとき突然、怒りを爆発させ、「あんな怒り方しなければよかった……」と後でおおいに後悔する……。いわゆる“キレる”と呼ばれる状態ですが、そんな経験がある人も少なくないと思います。

そんな突然の爆発を防ぐためには、下手に怒りを溜め込んで理不尽な思いを募らせることなく、最適な場面できちんと気持ちを伝えること。

この“最適な場面”というのは、自分自身で決めることができます。「言う」「言わない」を見極め、線引きをしておくのです。

「この怒りは相手に伝えたほうがいいのか、伝えないほうがいいのか。どうする?」と自分自身に問いかけ、「ここまでは許容できる。でもこれ以上の仕事の依頼、無茶ぶりは嫌だと伝える」というように、自分の中の基準をはっきりと決めておくといいでしょう。

そうすれば、次に怒りを感じた場面で、相手に伝えるべきか伝えないべきか、都度悩むことが減っていくと思います。

戸田 久実

日本アンガーマネジメント協会理事。「伝わるコミュニケーション」をテーマに大手民間企業・官公庁等で講師として研修、講演を実施。講師歴は26年、登壇数は3,000を超え、指導人数は10万人に及ぶ。著書は「アンガーマネジメント怒ら...

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