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子どもを預けることに、罪悪感は必要か?【母でも妻でも、私#7】

保育園や幼稚園の入園が決まり、春から初めて我が子と離れる方も多いのではないでしょうか。息子が0歳のときはベビーシッターを頼み、1歳からは保育園に通わせている私。子どもを預けることについて、考えてみました。

子どもを預けることに、罪悪感は必要か?【母でも妻でも、私#7】

去年の冬は、生きた心地がしなかった。

夜は1~2時間おきに起きる子どもの授乳に追われ、ほとんど眠れないのに、仕事がとても忙しい。申し込んでいた認可保育園の1歳児入園は、倍率的に約500人が落ちるという。

発表は2月末。もし、また入れなかったら。
息が浅くなるのは、寒さが厳しいせいなのか、緊張なのか、わからなかった。

自宅から徒歩2分の認可園に入園が決まったときは、うっかり目がうるみ、息子はきょとんとしていた。子どもを産んでからずっと心に立ちこめていた霧が、ようやく晴れた瞬間だったと思う。

「子どもと離れるのに泣くほどうれしかったの?」という、意地悪な疑問を持つ方もいるかもしれない。

でも、私にとって「保育園に入れる=子どもと離れられる」ではなくて「保育園に入れる=仕事ができる」だから、うれしかったんです。

そうすると次は「仕事と子ども、どっちが大事なの?」という疑問が生まれるかもしれない。

答えは、どっちも大事。

どっちも大事にしたいからこそ、子どもを安心して預けられる場所が必要なんです。
「子どもを預ける」とはどんなことなのか、私なりに考えてみた。

■0歳児は、きめ細やかなケアがうれしかった

息子は2016年3月生まれ。
居住区の現行制度では、0歳児入園はまず絶望的だった。

生まれてからでないと申し込めないのに、申請締切は12月。生まれた日に申し込んでも、長いキャンセル待ちの列に並ぶだけなのだ。

(昨年からようやく、生まれる前の仮申し込みが始まったけれど、それでも3月生まれはアウト。なぜなら、最短でも生後57日後からしか預けられないため、5月入園しか選択肢がないのだけれど、4月入園ですべての枠は埋まってしまう)

でも、ブランクをつくりたくなかったので、週3~4回ベビーシッターを頼み、週一回はお義母さんにお願いして、仕事を続けた。

結果として、0歳児の一年間をベビーシッターに頼むのは、メリットが多かったと思う。もちろん、過ぎてみればの感想で、当時は経済的にも時間的にも厳しかったけれど。


まず、1対1できめ細かに様子を見てくれる。保育園では、やっぱりそうもいかないんじゃないかな。シッティング後にいただく細かい報告を見ると、息子の一日の様子が手に取るようにわかる。風邪や感染症をもらってこないのもいい。

それから、最低限の時間だけ預けていたため、息子と過ごす時間がちゃんと多かった。
0歳児は本当にめまぐるしく変わっていくし、毎日なにかしら成長するため、保育園に9~18時で預けていたら、見逃す場面がいっぱいあったと思う。

とはいえ、息子が初めてつかまり立ちをしたのは、義母に預けている日のことだった。
当時はけっこう寂しい気持ちになったけれど、一年が経ったいまは全然どうでもいい。

私の代わりに息子の成長を見守り、教えてくれる人たちがいたおかげで、私は大好きな仕事を諦めずにできた。

一日楽しく働いてきたからこそ、夜から朝までおだやかな気持ちで息子と過ごせたことを思えば、「初めての○○」を見逃すくらい、あんまり気にならない。

2回目のときでも3回目のときでも、いずれ見られたらそれで充分うれしい。

■1歳児からは、保育園の集団生活がとても活きてくる

1歳から通い始めた保育園は、0~2歳児までの子どもたちが通う小規模園(3歳児でもまた保活があるわけですが、2年後にはさすがに状況が改善しているだろうという希望と、家から一番近い園だという誘惑に負けて、ここを選びました)。

保育室はあまり広くないものの、先生がいっぱいいて、生徒は各学年1ケタしかいないので、すごく目が行き届いている。もう少し大きくなったら狭いかもしれないけど、2歳までなら充分だし、アットホームな雰囲気がすごくいい。

人見知りもしないし、どこか遊びに行ったら親から離れてふらふら歩いて行くタイプの息子。
保育園なんて全然大丈夫だと思っていたけれど、初日はすごく泣いたらしい。慣らし保育では、1時間まるまる泣き続けたと聞いて、びっくり。帰り道の抱っこでようやく泣きやんで、憔悴しきった姿がとてもかわいかった。

でも、やっぱり1週間も経つとすっかり慣れて、いまでは早く行きたがるほどだ。

保育園はなによりも、集団生活というところがいい。
社会に揉まれる生活は、子どもをすごく成長させてくれる。

お友達の真似をして、先生に教えてもらって、いろんなことを覚えていく。
フォークが上手に使えるようになり、「ごめんね」「いいよ」が言えるようになり、列車のおもちゃを連結できるようになった。

保育園の靴箱から自分の靴を持ってきたときは、とくに驚いた。
「これから自分の靴の場所を教えていくので、帰るときにお子さんに質問してあげてください」と、先生から言われたのが、ほんの数日前だったから。しかも私は、聞いてみてくれと言われたことなんてすっかり忘れて、息子の上着を回収していた。

その横を息子がすりぬけて、何食わぬ顔で自分の靴を出している! 

靴箱の場所で覚えているのかなと思いきや、それ以降、自宅の玄関でも自分の靴を持ってきはじめた。それから半年くらい経つと、今度は私や夫の靴を出してくれるようになった。

最近は、保育園から持ち帰ってきたエプロンや着替えを、自分で洗濯機に入れてくれる。食後の食器をキッチンに持っていくのも、すっかり息子の役目だ。

連絡帳に「先生方のおかげで、息子がいろんなことを覚えて帰ってきます。ありがとうございます」と書いたことがある。

先生は「いつも、おうちで温かい保育をなさっているからだと思います」的なお返事をくれた。

そうだったら、すごくうれしいな。でも、やっぱり保育園の力がすごいのだと思っています。

できることが増えるだけじゃなく、息子がいつもすごく楽しそうなのも最高。
同年代のお友達といろんな遊びをして、たくさんの歌や絵本にふれて、ランチのお当番をして(目印のバンダナを巻いて、みんなの前で挨拶を担当する)……家庭保育ではできない経験ばかり。

当たり前だけど、遊びのバリエーションじゃかなわない。

■息子には「ごめんね」じゃなくて「ありがとう」を言いたい

私が保育園にお迎えに行くと、息子はいつもだいたい最後のひとり。

息子は、先生やおもちゃを独り占めして、ピアノを弾いたりパズルをしたり、楽しそうに遊んでいる。かなり近づくまで、私が来たことに気づかない日もあるほどだ。

直前にお迎えに来られたお母さんと、前の道路ですれちがったりすると「息子くん、待ってましたよ」と言われることがある。

また別の日、たまたま私が早く迎えに行けて、ほかのお母さんが最後になったりすると、その方が子どもに「最後になっちゃってごめんね」と謝っているのも、ときどき見る。

子ども一人ひとりの性格はあるにせよ、私ははたから見たら「待たせてごめんね」と謝るようなことをしてるんだな、と思って……そのあと間髪入れずに「いや、なんかちがう」と思った。

最後のひとりになった息子は、私が入ってきたことに気づくと、笑顔を見せる。駆けよって抱きしめてくる日もあれば、遠くでニヤニヤしつつテキパキ帰り支度を始めるときもあるけれど、とにかく笑顔だ。

それはたぶん「遅いよ~待ってたよ~」というより「会えてうれしい」の気持ちなんじゃないかな。

私は、完全にそう。
「待たせてごめんね」は一切なくて「会えてうれしいよー!」が100%。

「私が仕事をするために待たせちゃってごめんね」なんて、たぶんこれからも思わない。

「ここで遊んでくれてたおかげで、仕事がたくさんできたよ。ありがとう!」って言いたい。

息子にも「お母さん許してあげるね」じゃなくて「どういたしまして(頑張れよ)」って思ってほしい。そっちのほうが、絶対ヘルシー。

もちろん、そのおうちの状況とか仕事へのスタンスとか、子どもの性格によって、ベストアンサーは変わる。でも、少なくとも私たちの間には、いまのところそういう空気が育ってきていると思う。

■子どもを預けることで、罪悪感をおぼえる必要なんてない

我が家にとって「子どもを預けること」は「お互いを伸ばすこと」だと思う。

子どもはまず楽しいし、揉まれて成長できる。

私はバリバリ仕事ができてうれしいし、そのぶん家で子どもともやさしく向き合える。

ちゃんとした人や施設に子どもを預けることで、罪悪感をおぼえる必要なんて、これっぽっちもない。
それに、会えない時間が愛を育てるともいいますし。

菅原 さくら

1987年の早生まれ。ライター/編集者/雑誌「走るひと」副編集長。 パーソナルなインタビューや対談が得意です。ライフスタイル誌や女性誌、Webメディアいろいろ、 タイアップ記事、企業PR支援、キャッチコピーなど、さまざま...

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