働く女性に必要な知識「医療費控除」について知っていますか?
気づかない間に頑張りすぎて、身体が悲鳴をあげて病院に駆け込んだり、忙しすぎて頭痛も肩こりも市販薬で耐えしのいだり……そんな経験はありませんか? 高額の医療費や薬代を税制面からサポートしてくれる制度があります。
■歯の治療に7万円、医療費控除が助けになった
みなさんは一年間に、どれくらいのお金を医療費に使っているか把握していますか?
一年間の医療費が高額になる人は“医療費控除”という所得税と住民税が安くなる仕組みを使うことができます。
筆者は、このような話を聞いても「30代そこそこの私が大きな医療費を支払うことなんてない」と考えていました。そんなある日、どうしようもない歯の痛みに襲われ、歯医者に通うことに。なんとその年は歯の治療費だけで7万円近く支払い、災難なことに健康面も優れず、気がつくと合計で10万円以上の医療費を払っていました。
10万円以上に医療費にショックを受けながらも、初めて医療費控除を利用することにしました。
この経験から、万一のときに備えて病院の領収書は捨てずに保管するようになりました。
みなさんも、何が起こるかわからない人生ですから「私は大丈夫」なんて思わないで、医療費控除について確認しておきませんか。
■医療費控除は税金の話
医療費控除とは、所得税に関わる制度です。
1月1日から12月31日までの間に、自分自身や配偶者などが病院で医療費を支払った場合に、その支払った医療費が一定の金額を超える場合、確定申告をすると“医療費控除”と呼ばれる所得控除を受けることができます。
医療費控除の金額に応じて、所得税と住民税が安くなる仕組みです。
医療費控除として差し引くことができる金額は
「その年に実際に支払った医療費の合計金額-保険金など受け取った金額-10万円(※1)」です。
※1:総所得金額が200万円以下の場合は、総所得金額の5%
対象になる医療費
一年間に、風邪や体調不良の医療費で10万円以上を支払うのはハードルが高いですが、実は私たちも支払う可能性がある医療費があります。
たとえば、正常分娩や不妊治療なんかも医療費控除の対象だったりします。
正常分娩や不妊治療は、出産一時金や助成金があるため、実際にかかった費用から受け取った金額を差し引いた金額を医療費控除として申請します。
また、健康保険が対象外の歯のかぶせものやインプラントも対象ですし、レーシックも対象です。健康保険が使えなくても、医療費控除の対象になる場合もあります。
■薬代でも税制優遇?
医療費控除の特例として、2017年からセルフメディケーション税制(スイッチOTC薬控除)が始まっています。
この税制は、健康維持の取り組みとして、健康診断や予防接種をしている人が、対象となるOTC医薬品を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるもの。
よりわかりやすくお伝えすると、一年間の購入金額の合計が12000円を超えた場合に、超過した部分の金額を総所得金額から差し引くことができる制度です(上限は88000円)。
OTC医薬品とは、医療寮から転用された医薬品のことで、実は身近な薬も対象なんです。イブなどの頭痛薬・風邪薬胃薬・湿布などが対象となっています。
ドラッグストアやスーパーのレシートをよく見ると「印があればセルフメディケーション対象商品」と記載されていたり、医薬品のパッケージには「スイッチOTC医薬品」と記載されていたりします。
意外と身近な医薬品もセルフメディケーション税制の対象になっていて感動しちゃいますよ。
医療費控除とセルフメディケーション税制は併用することはできません。医療費が10万円を超える人は医療費控除を優先するといいでしょう。
■領収書やレシートは捨てずに保管
医療費控除やセルフメディケーション税制を利用するには、確定申告をします。
病院やドラッグストアでもらう領収者やレシートが証明になるので捨てずに保管しておきましょう。医療費控除やセルフメディケーション税制のような税制があることを知っていると、領収書も大切に保管しておきたくなりますよね。
また、これらの制度は自分の分だけではなく家族の分も対象です。
今日から、万一のときに備えて「医療費関連の領収書やレシートは保管!」を合言葉に一年間を過ごしてくださいね。
DRESSマネー部に入部しませんか?
お金を上手に貯める・増やす・使うことを、一緒に考えてみませんか?
入部はこちら↓