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常識ない人にイライラしてしまう理由と怒りを抑える方法

「常識がない人にイライラしてしまう」「怒りっぽくて困っている」、反対に「うまく怒れないのが悩み」……怒りについての悩みは人それぞれ。ですが、よく考えたら怒りって何? なんで怒りの感情ってわくのだろう? 連載3回目は「怒りのもとになる“べき”」について、日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実さんに教えてもらいました。

常識ない人にイライラしてしまう理由と怒りを抑える方法

■そもそも怒りの感情って何?

これまでの連載で、“怒り”についての「対処術」、「体質改善」をご紹介してきました。

しかし、そもそも「怒り」ってなんでしょう? 今回は、この怒りの感情の原因を探っていきます。

怒りの感情を抱くとき、

「私がイライラするのは高圧的な上司のせい」
「ミスを繰り返す部下のせい」
「言うことをきかない子どものせい」
「給料が安いせい」

と、怒りの原因を、何か、誰か、出来事のせいにする人がいます。でも、原因はそこにはありません。怒りの原因は、「自分自身のゆずれない価値観」からきています。これは簡単に言うと、「○○であるべき」「○○するべき」という自分の思いのことです。

怒りは、この自分の「こうするべき」という期待や理想が裏切られたとき、そのとおりにならなかったときに生まれる感情。

つまり、相手があなたの中の“常識”と違うことを人がするときに、「えっ!? なんで!? ○○であるべきなのに……」と怒りが生じるというわけです。

■「こうするべき」は人によってさまざま

こうするべきは人それぞれ

あなたにも、無意識の中にいろいろな「べき」がありませんか?

「待ち合わせには遅くても5分前には来るべき」「会社の来客にはかならず自分から先に挨拶するべき」などなど……。

誰の中にも、それまでの環境や家庭の中でのしつけなどから作られてきた「べき」があります。たとえば、あなたが「社内の会議では少なくとも5分前には会議室に来るべきだ」と考えていても、「いや、時間ぴったりがちょうどいい」とか「社内の会議なら5分くらいは遅れても構わない」と考える人も多くいるわけです。

これは、誰が正解で誰が間違っているというわけではありません。世の中にはたくさんの人がいて、さまざまな価値観があるのです。

ですから、他人が自分の思う「べき」と違う言動をしていたときに、「あの人は非常識だ」と怒るのではなく、「あの人の“べき”は私とは違うものなのね」と理解することが大切です。

■「あの人、非常識!」と怒りを感じたら

怒りを抑える方法は?

あなたにゆずれない「べき」があるように、相手にも、大切にしている「べき」があります。あなたと相手の「べき」が違ったときには、どちらが正解、不正解か、勝ち負けにこだわるのではなく、相手がどうしてその「べき」を持っているかに目を向けるようにしてみましょう。

たとえば、相手が「電車の中では化粧をするべきではない」という価値観をもっているとします。そのとき、「どうしてそう思うの?」と聞いてみたら、「隣の女性が化粧をしていて、スーツにファンデーションをつけられちゃったことがあるんだ」という答えが返ってくるかもしれません。

このように理由がわかると、相手ならではの事情もわかって、「そういうことならそう思うよね……」と寄り添うことができます。

同時に、相手も「わかってもらえた」と感じることで、あなたの「べき」にも耳を傾けやすくなります。

■自分の価値観を知る「べきログ」

ノートをつける

この自分の中の「べき」を可視化する“アンガーマネジメント”の取り組みが「べきログ」です。

まず、自分がイラッとしたことを思い出して、「人に何かをしてもらったらありがとうを言うべき」「職場の飲み会の乾杯はビールであるべき」「食事後に食器は流しに片づけるべき」といった、自分が「べき」と考える項目をノートに書き出していきます。

そして、それぞれの重要度を、10段階評価でつけてみます。

この「べきログ」をつけることで、怒りの元(原因)になる自分の価値観(「べき」)がわかり、怒りの傾向を客観的にとらえることができます。そうして、いざイラッとしたときに、冷静に対処しやすくなるでしょう。

怒りは誰もが感じる自然な感情です。ムリに抑圧するのではなく、かといって怒りに振り回されないよう、アンガーマネジメントの取り組みを活用してみてくださいね。

▷書籍情報:『いつも怒っている人も うまく怒れない人も 図解アンガーマネジメント』

■著者 プロフィール

戸田 久実 さん

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事。アドット・コミュニケーション(株)代表取締役。日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントコンサルタント。

立教大学卒業後、大手企業勤務を経て研修講師に。2008年にアドット・コミュニケーション(株)を設立。大手民間企業、官公庁などで、「伝わるコミュニケーション」をテーマに研修・講演を実施。対象は、新入社員から管理職、リーダー、女性リーダーまで幅広い。講師歴は26年。登壇数は3000を超え、指導人数は10万人に及ぶ。

著書に『アドラー流たった1分で伝わる言い方』『アンガーマネジメント 怒らない伝え方』(共にかんき出版)、『マンガでやさしくわかるアンガーマネジメント』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。

あんなこと言わなきゃ良かった……と後悔しないために。怒りを感じたら実践したいふたつの方法

https://p-dress.jp/articles/5317

怒りに任せて、つい嫌なことを言ってしまい、後で「あれは本心じゃないのに」「あんなこと言わなきゃ良かった」と思っても後の祭り……。そんな事態を防ぐために取り組みたいのが「アンガーマネジメント」です。連載2回目は、「カッとなったときに有効な対処術」を日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実さんに教えてもらいます。

※この記事は2017年10月31日に公開されたものです

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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