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結婚は生存戦略のひとつ。だから決断を下せなくて悩んでしまう【桃山商事】

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これまで恋愛相談を受けた人数は1000人以上。9月、『生き抜くための恋愛相談』(イースト・プレス)を発売した恋バナ収集ユニット・桃山商事の清田隆之さんに、大人の恋愛にまつわるインタビューを実施。前後編でお届けします。

結婚は生存戦略のひとつ。だから決断を下せなくて悩んでしまう【桃山商事】

10代、20代の頃、恋愛の悩みは今よりもずっとシンプルだった――30代を過ぎてそう感じることはありませんか。

年を重ねるにつれて、周囲から結婚や出産の話題をそれとなく持ち出され、圧力を受けているように感じ、「次に付き合う相手とは、当然、結婚……だよね」「でも、この人と結婚したとして、将来性は」「現実問題、子供を育てていけるか」etc.考える。

“現実”を直視して、生きていけるかどうか、決断できずに悶々とする。そんな迷える大人女性たちに寄り添う、一般的な恋愛相談本とは一線を画した本『生き抜くための恋愛相談』(イースト・プレス)が刊行されました。

著者である恋バナ収集ユニット・桃山商事の清田隆之さんに、大人女性たちが抱える恋愛の悩みや解決へのプロセスについて話を伺いました。

■30代女性たちの恋愛の悩みから透けて見える「生存への不安」

――本を拝読させていただきました。30代の方のお悩みがほとんどなんですね。

そうですね。この本は「日経ウーマンオンライン」の連載がベースになっているんですが、結婚願望があって、働きながら婚活はしているものの、なかなか上手くいかずに疲れてしまう。でも、結婚はしたい。でもいい相手がなかなか見つからない……という30代女性からのお悩みが中心になっています。

彼女たちの悩みからは、どこか「生存への不安」のようなものを感じるんです。恋愛の悩みに違いはないんだけど、その背後に「このまま生きていけるのだろうか……」みたいな不安が貼りついている。

働き続けても賃金が増えるかわからない。結婚するか独身でいくのか。結婚したとしても子どもを産むのか産まないのか。ひとりで生きるなら貯金や年金は大丈夫なのか。頼みの綱だった仲のいい独身仲間は結婚しちゃったし、とか。

いろいろな背景があって、今ぶち当たっている恋愛の悩みが、生きていくことへの不安とどこかでつながってしまっている感じがあるんです。

女性たちの話を聞いていると、結婚をある種の“生存戦略”として捉えている人も少なくありません。結婚につながる恋愛だから、決断を下すにも時間がかかる。恋愛の問題だけで解決できるならいいけど、「今断ったら、結婚のチャンスを逃すことになるかも。本当にそれで大丈夫だろうか……」なんて大きな問題につながる。そういう背景を踏まえないと、女性たちのお悩みを読み解くことは難しいと感じています。それが『生き抜くための恋愛相談』というタイトルにした理由のひとつです。

――恋愛の悩みが人生のすべてに直結する、というのはすごくわかります。30歳を過ぎると、誰かに告白されてもその先のことも考えちゃう。「これから付き合う=結婚でしょ」みたいな。すごく難しい決断ですよ。

判断がつかないですよね。しかもアラサーになると、毎日の仕事も忙しくなるし、友だちと会ったり、趣味の活動をしたり、勉強や自分磨きに勤しんだりと、恋愛以外にもやることがたくさんある。でも、妊娠のリミットや周囲からのプレッシャーなどもあり、焦燥感のようなものがどんどん募っていく……本当に難しい問題だと思います。

■悩みの現在地をはっきりさせて、決断までのプロセスをていねいに考える

――桃山商事さんが恋愛相談を受けるときの、何か流儀みたいなものはあるんですか?

僕らが悩み相談を受けるときは、まず「相談者さんの現在地」を一緒に探っていきます。相談者さんが何にどう悩んでいるのか、その輪郭を共有しないことには話が進んでいかないからです。また、相談者さんの多くは悩みごとが複雑に絡まり合っていて、自分が何にどう悩んでいるのかすらわからない状態にある。いきなり「それはこのパターンの問題です」「こうした方がいいですよ」なんて解決策を提案してもピンとこないと思うんです。

だから実際に会って話を聞くときは、1時間くらいかけて、「悩みの現在地」についてずっと質問していきます。ときにはホワイトボードに図を描いたりしながら。

――本にもたくさんの図解がありましたね!

そうですね。図を使って話を整理しながら、現在地をひたすら探っていく作業が続きます。そうする中で、相談者さんは何に悩み、モヤモヤの発生源がなんなのかかが少しずつクリアになっていく。そこまで至ることができれば、8割くらいはスッキリする感覚があります。「そっか、私はこういうことで悩んでいたんだ!」って。

――なるほど。

我々のスタンスは、あくまでも悩みの現在地を一緒に探っていくこと。最終的な決断や判断に関してはは、相談者さん自身が決める問題だと考えています。そこに至るまでのプロセスを一緒に考え、解決のためのアイデアを提供していく──この本でもそんなスタイルでお悩みに回答しています。

■キロバイトVSテラバイトの世界。男女がすれ違う理由は「情報量の差」?

――立ち位置をクリアにして、理論立てして進めていく。なんだかとても男性的ですよね。女性同士の恋愛相談って、感情が先行して、ふんわりした悩みをふんわり聞いてあげる、というのが多い。でも桃山商事さんは、立ち位置を明らかにして、図に描いて……っていうのがすごく男性っぽいと感じます。

前に知り合いの編集者さんから「ガールズトークとボーイズトークの中間みたいな感じだよね」と言われたことがあります。女性たちの会話スタイルを観察していると、互いの感情体験を交換していくというか、共感をベースに話がさまざまな方向へ発展していくのに対し、男性的な会話は、テーマや目的に沿って一方向的に話を進めていく傾向にあると感じます。

そういうスタイルゆえか、女の人は感情を言語化する能力が男よりもはるかに高い。自分の身に起きたこと、相手が言ったこと、自分が感じたこと……そういうことを細かく記憶し、言葉にすることができる。

例えば女性って、恋人が深く考えずにポロッと発した一言に、「あの言葉の意味はなんだったんだろう」「どうしてあんなことを言ったのか」と、無限に意味を推測することがよくありますよね。考えすぎることでよくわかんなくなる。わかんなくなると、その状態に疲れてくる。疲れてくるとネガティブな方向に頭が走り、どんどん悪い方向に行ってしまう……。というように、頭の中が情報過多になってしまうことが多々あると思うんです。

我々は、その絡まり合った情報を切り分ける作業を手伝っているという意識があります。恋愛相談といっても、何かを教えているとか、そういう感覚はまったくないんですよね。情報量をむしろ“軽くしていく”作業が、そう意味では男っぽい、男性的な作業に見えるのかもしれません。

――女性にはあるあるかも。男の人は情報過多になることはないんですか?

女性に比べると、男の人の考えてることは圧倒的にシンプルかも……。以前、カップルに取材をし、ケンカしたときのエピソードを双方の視点で振り返ってもらったことがありました。両者から別々に話を聞くと情報量の違いに驚きます。女性の側は、彼の言動や本人の感情、状況の変化などを、とても事細かに何十分もかけて描写してくれる。だから聞いているこちらもその出来事をまるで映像を見ているかのように把握できる。一方男性の側は、「いや〜なんか、彼女が怒っちゃってヤバかったんスけど、とりあえず謝って大丈夫になりました」って、以上(笑)。

――それだけ(笑)?

ペライチのテキストデータと鮮明な動画データみたいな差があって(笑)。情報がキロバイトとテラバイトの世界。だから、男女はすれ違っちゃうんだろうなと。女性のほうが、恋愛を語るための言語が豊富なんですよ。例えば女性って、合コンで出会った男性におもしろいあだ名をつけて友達と情報共有したりしますよね。それは本当にすごいことだと思う一方、膨大な情報が蓄積していって、頭の中がPCデータのように重たくなってしまうことがあるんだろうなと。

――まさに橋渡しですね、桃山商事さんの活動は。キロバイトの国とテラバイトの国の。

ある知人は、我々のことを「男女の中間管理職」と評してくれました(笑)。ただ、男のことを女の人に説明するのはできるんですが、逆ができないんですよね。男性に女性のことを伝えるのはすごく難しくて。僕たちの記事はあまり読んでくれないし(笑)。読んでもらえたら嬉しいですけどね……。

(後編「付き合う前にセックスした男女は恋人関係になりにくい【桃山商事】」につづく)

Text/東香名子

『生き抜くための恋愛相談』書籍情報

著者 桃山商事(ももやましょうじ)さんプロフィール

清田隆之(代表)と森田雄飛(専務)による恋バナ収集ユニット。2001年結成。恋愛の悩みに耳を傾ける「失恋ホスト」を始め、これまで1000人以上の男女から見聞きした話をコラムやラジオで紹介している。「日経ウーマンオンライン」で連載している恋愛相談が人気を博すほか、『anan』『Numero TOKYO』『FRaU』『毎日小学生新聞』『精神看護』など、幅広いメディアに寄稿。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)、清田隆之名義の著書に『大学1年生の歩き方』(左右社/トミヤマユキコとの共著)がある。清田隆之さんTwitter( @momoyama_radio )。
http://momoyama-shoji.com/

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DRESS編集部

人生を自分らしく楽しむ大人の女性たちに、多様な生き方や選択肢を提案します。

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