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世界で一番貧しい大統領の言葉が、私たちに教えてくれること

世界で一番貧しい大統領、ホセ・ムヒカ氏をご存知でしょうか? 2012年にブラジルで開かれた国際会議でムヒカ氏が発した言葉は、先進国で生きる私たちに「本当の豊かさ」を教えてくれます。お金と豊かさについて考えてみましょう。

世界で一番貧しい大統領の言葉が、私たちに教えてくれること

働いて「お金」を受けとるようになると、

もっと給料が増えたらいいなぁ。

もっと高級なブランドの時計がほしいなぁ。

もっときれいになりたいから、ネイルやマツエクに行かなくちゃ。

もっと、もっとの魔法にかかります。


もっと、もっとの魔法を解くカギは、ホセ・ムヒカ氏の言葉。ムヒカ氏の言葉は、お金との付き合い方を見直すきっかけを与えてくれるかもしれません。

■世界一貧しい大統領と呼ばれた、ホセ・ムヒカ氏

みなさんは、ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカ氏を知っていますか? 彼は「世界一貧しい大統領」と呼ばれています。

ムヒカ氏が注目されたのは、2012年にブラジルで開かれた、地球環境について話し合う国際会議でした。

世界各国の代表者の前で「人類の生き方」にいてスピーチした内容が一躍有名になり、ムヒカ氏は日本のメディアでもしばしば取り上げられる存在になりました。

彼が口にした地球の未来についてのスピーチは、環境問題だけにとどまらず、現代を生きる私たちにお金やお金の使い方と向き合う大切さを教えてくれます。

■私たちの望む世界とは

私たちは生まれてから、便利さや、豊かさが当たり前の生活をしています。

24時間営業のコンビニエンスストア、インターネットを利用すればいつでもどこからでも買い物ができるetc.、あらゆる場面で便利さと豊かさを享受しています。

そんな豊かさに対して、ムヒカ氏はこんなことを言っています。

ここでずっと話されていたことは、人類がこの先、地球の自然と調和しながら生きていくにはどうしたらよいのか、そして世界から貧しさをなくすにはどうしらいいのかということでした。

しかし一方で、私たちはもっと豊かになって、欲しいものがどんどん手に入る、裕福な社会を望んでいるのではないでしょうか。

『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチより』

高級なブランドの服やバッグがほしい、豊かな生活がしたいと望む人がいる一方で、高級でなくても周りと同じならそれでいい人もいるでしょう。それでも、日本は世界から見るとGDP第3位の経済大国です。

そんな私たちが求める“普通”の豊かさは、世界から見るととても恵まれたもの。

地球に住む全員が、私たちと同じような豊かで便利で快適な生活を“もっと、もっと”と手に入れようとすると世界はどうなってしまうのか。

「70億人や80億人の全人類が、私たちと同じように無駄遣いをしたとき、この世界に原料は残っていない」とムヒカ氏は話しています。

また、古代の賢人の言葉を引用して、こんなことも言っています。

「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないこと」

今の私たちは、求めすぎるだけでなく、豊かさを知ることが求められているのではないでしょうか。

たくさんのモノを買って満足するのではなく、必要なモノを選別して買う、大切にモノを使う。そんな、丁寧な暮らしが本当の豊かさにつながるでしょう。

■幸せになろうと生まれてきた

世の中は常に進歩しています。

よりよい商品を作って

よりよい商品を売り

よりよい商品を買ってもらう。

たゆまぬ努力と発展によって、世の中は便利になりました。24時間営業を続けるコンビニエンスストア、どこにいても誰かとつないでくれるインターネット環境、交通機関の発展により、遠く離れた場所にもすぐ駆けつけることだってできます。


でも、この発展や進化はいつまで続くのだろう……。

私たちは文明の発展によって本当に幸せになっているんだろうか……。

と不安になったことはありませんか?


「私たちは発展するためにこの世に生まれてきたのではない、幸せになろうと思って生まれてきた。命より大事なものはありません。命は基本的なものです。しかし、必要以上に手に入れようと働き詰めになったために、早々に命が尽きてしまったら……」とムヒカ氏は言います。

そのためムヒカ氏は、「社会の発展は、幸せを損なうことではなく、人間の幸せの味方でなくてはならない」と考えています。

働くばかりでなく、ホッと一息ついてみてましょう。

たくさん働いてほしいモノを買ったり、将来のために貯金したりすることを選ぶより、たまにはお金との付き合い方や家族と向き合ってみませんか?

■肩の力を抜いてみよう

すでに多くをもっていることを知るだけで、毎日のやりくりがお金を節約するだけでなく、豊かさが実感できるプロセスに変わります。

誰かの生活と比較して、今の生活に何かが足りないと感じている人は、“もっと、もっと”の魔法にかかっているのかもしれません。

一度肩の力を抜いて、魔法を解いてみましょう。

参考・引用文献

『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社刊,くさばよしみ編)

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荒木 千秋

ファイナンシャルプランナー。神戸大学経済学研究科修士課程修了。 メガバンクに勤務時は、富裕層や会社オーナーを対象とした投資相談業務に従事。同年代の友達と話していると自分の知識や経験は、普通の働く女性に貢献すべきだと実感、独立...

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