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女性は地方移住で幸せになれる? 田舎暮らしの実態を3人の女性に聞いてみた

インターネットの普及により、場所を問わず仕事ができるようになってきた現代。国も企業に対してテレワークの推進を行うなど、地方移住への障壁は下がりつつあります。そこで今回は実際に都会から地方へ移住した3人の働く女性にインタビュー。地方移住の良い面、悪い面、両方について正直にお答えいただきました!

女性は地方移住で幸せになれる? 田舎暮らしの実態を3人の女性に聞いてみた

1.免許合宿で訪れた街が好きになって移住した

トラック運転手の市川幸子さん(30歳)の場合

■市川幸子さんプロフィール
出身地:神奈川県横須賀市
年齢:30歳(2017年7月現在)
職業:生コントラック運転手
略歴:東京都武蔵野市生まれ。幼稚園の時に横須賀へ。学生時代は自身の希望により京都で過ごし地理学を学ぶ。
就職で横須賀に戻り横浜の会社で企画の仕事に携わるものの、残業や休日出勤が多く長い通勤時間と満員電車も体力的に厳しくなり退職。その後も企画の仕事に就くも忙しさは変わらず2年ほどで退職。
ヨーロッパを巡り、「外に行ける仕事」「手に職をつけたい」「勤務時間外に頭の中ではできない仕事」「どこに行ってもできる仕事」という観点でトラック運転手を目指し、免許合宿で秋田県大館市を訪れる。街や人の良さに惹かれ、免許合宿後すぐに大館市で職を見つけ、単身移住。

――まず、移住した経緯をお伺いできますか?

自動車免許の合宿で訪れたのがきっかけです。大型自動車免許の合宿が秋田県大館市がとてもリーズナブルで、あと雪道の練習ができるのもいいなと思って選びました。

免許合宿の際、空き時間に街を散歩したり、居酒屋を巡ったところ、ごはんのおいしさ、人の優しさに感動し、この街に移住したくなったんです。

私は地理学の勉強をしていたのですが、「雪なのにどうやって暮らしているのだろう?」という疑問があったことと、「なぜこんなにも人が優しいのか?」という疑問を解き明かしたい気持ちもありました。

あと、移住前に北欧を旅して雪の静けさが好きだったんですが、大館も同じ静けさを感じたというのもあります。

都会から田舎へ移住した人へ話を聞きに行った

――自動車免許の合宿がきっかけで、街を好きになって移住って自分の感覚にまっすぐで素敵ですね! しかし、「地方で就職できるのか?」という不安はありませんでしたか?

楽観的かもしれないのですが、事務職からトラック運転手に転職して移住って面白がってくれるんじゃないかって思ってました(笑)。

あと、大館市の情報を調べるためにインターネットで調べていたところ、横浜から大館に移住した男性が営む「北の國庵」といううどん屋さんがヒットし、その方に都会から地方への移住について話を聞きにいきました。

そこで運よく、今の会社の社長を紹介していただいて、免許合宿後すんなり就職先が決まりました。決め手は社長が女性で、当時同世代の女性ドライバーもいて、親近感が湧いたことですね。

――その土地に実際に移住した人にお話を聞くっていうのは、やはり有効なんですね! 今はどのように働かれているのでしょうか?

ミキサー車運転手の仕事は日曜休み、土曜や祝日に出勤の場合もあり休みは多くないですが、残業がほぼなく定時できちんと帰れるのがいいですね。

冬は雪で仕事が減るため季節によって収入に変動があり、東京の方にいたころに比べると少ないです。それでも通勤は車で15分。満員電車やバスに乗ることがないので、こういったストレスフリーな環境は、自分には合っていると感じています。

――プライベートでは、移住して良かったと感じることはありますか?

アウトドアが好きなので、山菜採りや釣り、家庭菜園や山登りがたくさんできることですね。あとは、お米をはじめご飯がおいしいこと。前職を辞めるときから「今度はもっとゆったりと暮らしたい」と思っていたので、それが叶えられて良かったです。

先ほどもお話ししましたが、本当に周りの方々が良い人だらけというのはありがたいですね。周りの人たちに恩返しがしたいという思いから、2017年2月の終わりごろ秋田県の魅力を発信するブログ「秋田県で暮らす日記」を始めました。

秋田県で暮らす日記

http://akitaodatelifejp.hatenablog.com/

大館市にIターンして見つけた地域らしさを紹介します

地方移住は方言や一人暮らしで苦労することも

――周りの方が親切なのも素敵ですが、恩返ししたいという思いできちんと行動されているのもすごいですね。逆に移住で苦労したことはありますか?

独身でひとり暮らしを希望していたため、物件探しに苦労しました。やはり地方はひとり暮らし用の家自体が少ないので。あとは、秋田県大館市は方言や訛りが強いので、仕事を始めたばかりのころ指示が聞き取れなくて、仕事を覚えるのが少し大変だったのを覚えています。

まずは気軽に地方に遊びにきてほしい

――方言や訛りは地方で暮らしていくとなると、慣れていくのに時間がかかりそうですよね。最後に移住に少しでも興味があるという女性へメッセージをお願いします。

もし興味があれば、まず気になる場所に行ってみてほしいですね。行って合わなければ帰ればいいですし、意外となんとでもなると思います!

あと、自分の場合は実家のある神奈川に頻繁に帰っているので、そういう風に生活のバランスをうまくとることも大切かもしれません。「いきなり移住」というのはやはりハードルが高いと思いますので、まずは気軽な気持ちでいろいろな土地に遊びに行ってほしいですね。

2.結婚を機に移住した

薬局勤務・デザイナーの三浦梨恵子さん(34歳)の場合

Photo by nakariho

■三浦梨恵子さんプロフィール
出身地:北海道釧路市
年齢:34歳(2017年7月現在)
移住歴:約5年(2017年7月現在)
職業:薬局勤務・デザイナー
略歴:北海道釧路市生まれ。中学時代札幌に引越し、北海道医療大学薬学部を卒業。卒業後茨城県つくば市で薬剤師として働く傍ら、東京のデザイン学校に通い、25歳でデザイナーに転職。デザイン事務所で3年働いた後、結婚を機に夫の実家がある秋田県大館市に移住。

――まず、移住した経緯をお伺いできますか?

大館市への移住は結婚がきっかけです。夫とは大学が一緒で、友だちの結婚式で再開し、付き合うようになったんです。

――確か大学は北海道でしたよね? 旦那さんは当時どちらにお住まいだったんでしょうか?

夫は卒業後実家のある秋田県大館市に帰り、仕事をしていました。そのため、お付き合いを始めた当時から遠距離恋愛でしたね。

もともと、友達の友達として知っていたので安心感もあり、初回のデートを機に付き合うようになったんです。その後3年の遠距離を経て結婚し、秋田県大館市に移住しました。

本当はデザイナーの仕事を続けたかったから、移住したくなかった

田舎 結婚 女性

Photo by nakariho

――結婚式で同級生と再開して恋に落ち、遠距離恋愛から結婚とかドラマみたいですね(笑)。ちなみに秋田県大館市に移住することについてはどう思いましたか?

正直言うと、東京でデザインの仕事をもっとやりたかったので、移住はしたくありませんでした(笑)。

デザイナーはがんばって手に入れた職だったので……。当時(大館には)デザインの仕事はないという話だったので躊躇しましたが、しょうがないという感じで29歳で移住を決意しました。

でも、「もしこっちでの暮らしや夫との生活が向いていなかったら、東京に帰ろう」くらいに軽く考えるようにしていましたね。薬剤師としてならどこでも働けるので、またその仕事をすることにしました。

田舎へ移住後、人と運が与えてくれたデザインの仕事

――結構移住に後ろ向きだったわけですね。実際に移住後はどうなったんでしょうか?

最初の1年くらいはすごくふさぎ込んでましたね。

けれど、1年経ってからは夫が関わっていたこともあり、地域のきりたんぽ祭りの実行委員会に参加するようになって、そこで運よくデザインの仕事を頼まれるようになったんです!

今は薬局のパートを週4(10~17時まで)で行い、平日休み、土日休みや夜にデザインの仕事をしています。

――地域のイベントに参加するようになって、やりたかったデザインの仕事ができたんですね。

そうですね。そのときの経験から、家以外のコミュニティに入ることがとても大事だと実感しました。

田舎って閉鎖的なイメージがあったんですけれども、大館市はみんなで街の魅力を外に発信していこうという気持ちが強く、また実行委員会には印刷会社、個人でウェブをやっている人などさまざまな職種の人に出会えてすごく刺激になりました。一歩踏み出す勇気は大切だったなと思います。

地方だからこそフリーになれたし、自分の新たな一面を発見できた

田舎  女性

Photo by nakariho

――たしかに、どこにいても家(家族)以外のコミュニティに入ることは、大切ですよね。他に移住してよかったことはありますか?

東京に住んでいるころは自分の住む街に大して興味はなかったんですが、ここにいると人が少ないからか「地元のことを発信していきたい、盛り上げたい」と自発的に思うようになったことですね。

仕事を通じてもやりがいを感じやすくなりました。もちろん、人混みで疲れない、通勤が楽、ご飯がおいしい、などのメリットもありますが。

あと自分は東京にいたら絶対フリーにならなかったと思うので、その点もメリットかもしれません。営業も嫌いですし、向上心も、自立したい欲も弱かったので。

田舎はやりたい仕事をやるとなると、フリーにならざるを得ない環境でもあります。しかし自分の場合は、環境が後押ししてくれてフリーになることができ、そのおかげで仕事にやりがいを感じ、新たな自分の一面を発見できましたね。

――逆に移住して不便になったことはありましたか?

東京の場合、いろいろな展示会やイベントが開催されていたり、最先端の情報を知りやすかったりしますが、地方の場合、自分から情報を能動的に取りにいかないと、置いていかれてしまう、というのはありますね。

――たしかにそういう面はありそうです。最後に移住に少しでも興味があるという女性へメッセージをお願いします。

今までいた場所から離れた方が、周りのことを気にせず新たな一歩を踏み出しやすいということがあります。

東京で得た知識やスキルを地方で広めた方が、東京で競争するよりも求められることも多いので。あとは「ダメだったら帰ろう」くらいの軽い気持ちでいることも大事かと。「移住」という言葉の重みは無視するくらいのほうが、自分の世界は広がると思います。

3.異業種から映画館復活のピンチヒッターとして移住した

中森 りほ

下北沢を愛するフリーライター、コラムニスト。女性向けウェブメディアでの編集・ライター経験を活かし、女性の生き方・働き方、恋愛や結婚など男女関係についてのコラムに加え、グルメメディアでの経験を活かしたグルメ記事、食レポを執筆中...

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