ステロイドは怖くない【赤池智子】

ステロイドは怖くない【赤池智子】

「ステロイド」と聞くと、あまりプラスのイメージを持たない方もいるのでは。でも、ステロイドに関して、正しい知識を持っていますか? ステロイドに関して恐怖を感じさせる文章を載せたサイトが多い中、医学的な知識をもとに、メリットやリスクをお伝えします。


こんにちは。久しぶりのコラムになります。DRESS読者の皆さん、お元気ですか。

私は今春、アメリカに移住しました。その準備などでしばらくお休みしていましたが、今月から再開させていただきますのでよろしくお願いします。

またアメリカ生活や移住のことなども、機会をみてご紹介できたらと思います。

さて、前回のコラム「子宮頸がんワクチンの副作用って?」までは、しばらく子宮頸がんワクチンについてのお話をしていました。今回のコラムからは、「ステロイド」についてお伝えしていきます。

■ステロイドに、どんなイメージがある?

「ステロイド」と聞いて、皆さんは、どんな印象を持ちますか?

漠然と「なんだか、こわい」「危険」だとか、「ステロイドの塗り薬は薄く塗らないといけない」「肌が黒くなると聞いた」などと思われた方もいるのではないでしょうか。

実際、診察をしていても、こういった質問や感想をお話しされる方が少なくありません。

また、インターネットなどで「ステロイド」というキーワードを入れて検索すると、それこそ、恐怖を感じてしまうような説明やサイトがたくさんあります。

塗り薬に関しては、「ステロイドは塗ってはいけない。天然ハーブで安心」などといった様々な治療法が説明されています。私自身は、こういった代替治療自体を否定するつもりはまったくありません。

ただ、さまざまな症状や病気で悩み、苦しみ、「なんとか治したい」「少しでも楽になりたい」と藁にもすがるような思いで一生懸命調べている方に対し、不安を煽り、現代の西洋医療を否定し、「天然由来」「安心」「副作用がない」などと耳触りのよい言葉で誘導し、高い治療費を請求したり、症状がひどくなったときに最後まで責任を持たなかったりするなど、弱みにつけこんだ治療に関しては、はっきりと「違う」と伝えたいと思います。

■「ステロイド=なんか怖い」ではなく、正しい知識を知ろう

「長所しかない」「いいところしかない」という人、ものは存在しません。どのような人にもものにも、一長一短あるように、このステロイドをはじめとした薬にも、他の治療法にも一長一短あります。

わかりやすい例えとして、皆さんが毎日使っている「火」を思い浮かべてみてください。火自体は、火事や火傷などの原因にもなり得ます。使い方を間違えると火事で亡くなってしまうこともあります。

だからといって、「火は怖い」「危険」だから「使わない」という人がいたら、極端だと思いますよね。今の世の中、火を使わない人はほとんどいないと思います。皆さん、火とはどんなものかを知り、リスクも知った上で、必要なときに正しい使い方をしているからこそ、毎日の生活に取り入れられているのです。これとステロイドも同じです。

それぞれの症状や程度などによって、必要とする治療は一人ひとり違って当たり前。ステロイドの「リスクとメリットを知った」上で「必要なとき」に、「正しい使い方」をすることが大切なのです。

そのため、これから説明することはステロイドを絶対にどんなときにも優れていると肯定しているわけではない、とお断りしておきます。

漠然とした「なんとなく怖い」という感情は、テレビなどで「ステロイドはよくない」「脱ステロイド」などといったことが繰り返し報道されていた時期があった影響も大きいでしょう。

また実際、薬局で「この薬は『強い薬』なので薄く塗ってください」などと説明を受けた人も少なくなく、ネットなどのさまざまな情報と合わさり、多くの方がそう思ってしまっているところに問題があります。

まずは「知ること」。これがとにかく皆さんにとって一番大切で、漠然とした不安も「少し報道などで耳にした」だけで、実はしっかり「知らない」、どんなものか「わからない」からこそ生じていることが大きいのです。どんなことも「わからない」「知らない」状態は不安になるものです。

次回からは、しっかりとした医学的な知識をもとに「ステロイド」とはそもそもどんなものなのか、どんな働きをするのか、そしてどんな副作用があるのかなど、わかりやすく、噛み砕いて説明していきます。

この記事のライター

医師、内科/皮膚科医。内科認定医。2006年準ミス日本。 患者の視点に立った医療を行うことを何よりも大切にし、論文執筆、学会発表と共に日常診療を第一に行っている。 2006年準ミス日本の経歴も生かし、女性ならではの視点か...

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