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健康的なカラダを目指すなら、安易なダイエット情報に惑わさてはいけない【森拓郎】

『森拓郎の読むだけでやせる言葉』は、読むだけで効果あり! と大好評の著者オリジナルの名言を集め、さらにわかりやすい解説を加えたダイエット指南書です。今回は著者・森拓郎さんに本書の刊行を記念してインタビュー。世の人々が抱えるダイエットに関する悩みについて、厳しく、優しく、そしてわかりやすくアドバイスをいただきました。

健康的なカラダを目指すなら、安易なダイエット情報に惑わさてはいけない【森拓郎】

多くの女性にとって永遠のテーマ(?)ともいえるダイエットの悩み。理想の体を手に入れて、今よりも綺麗になりたい……そう願う女性は少なくないかと思います。

しかし、世の中にあふれるダイエットに関する情報を前にしたとき、何が正しくて、間違っているのか、判断するのが難しいと感じたことはありませんか? よくわかっていないけど、とりあえず芸能人が実践しているものや、身の回りで話題になっているものに手を出した結果、失敗したという方も多いかもしれません。

そんな人たちの悩みに、時に厳しく、時に優しく、わかりやすい言葉でアドバイスを与え、健康で美しい体に導いてくれると、話題を集めているのが5月に刊行された『森拓郎の読むだけでやせる言葉』。

著者は、ダイエットのスペシャリストとしても知られる森拓郎(もり・たくろう)さん。女性が抱えるダイエットの悩みや疑問をぶつけ、健康的で美しい体になるための考え方や行動について教えていただきました。

■DRESS読者にダイエットに関するアンケートを実施

森さんにインタビューを行うにあたり、今回DRESS読者やライター陣の方々に協力いただき、これまで取り組んできたダイエットや、減量にまつわる感想や失敗談などを調査。

今回は、こちらのアンケート結果を参考にしながら、森さんに日々更新されるダイエット情報の受け止め方や、そもそもダイエットについてどのような考え方を持てばいいのかを伺いました。

■上っ面のダイエット情報に踊らされ続けてきた人たち

――「これまで、どんなダイエットをしたか」というアンケートでは、糖質制限やカロリー制限をしたという答えが圧倒的に多かったです。また、こうしたダイエットの結果「失敗した」「精神的に辛い思いをした」という感想を持つ方が大半を占めています。なぜこのような状況になってしまうのでしょうか?

ダイエットって、”手軽にできそうなもの”や”新事実として目新しい手法”が繰り返し話題になっているんですよ。でも、基本的にダイエットの本質は変わっていません。

新事実でもなんでもなくて、ずっと本質は変わらないままなのに、メディアでは「◯◯したら簡単に変われる」みたいな、上っ面の情報を取り扱っていて、それを安易に取り入れる人たちがずっと失敗を繰り返しているだけなんです。

同じ層が、ずっと同じことで、失敗し続けているだけ。だから、別に今だからこのような状況が生まれているのではなく、その人たちが変わろうとしていないだけだと思います(笑)。

――受け手側の問題、ということですね。

そうそう。根本的なリテラシーが低いだけだと思うんですよね。

――森さん自身のTwitterでも、チャーハンを例に挙げて同じようなことをおっしゃっていましたね。

ダイエットの本質は変わっていないんだけれど、一般の人がそれを知らないままに「血糖値」や「糖質制限」というキーワードだけを認知している。だから、「糖質を摂ったら太る」とか「糖質を摂ったら血糖値が上がるから良くない」というように考えてしまう。結果、「血糖値を上げなければ太らないんだ」というつなげ方をしてしまうんです。

■楽なダイエット情報を求めるのは、”本気で変わりたい”と思っていない証拠

――受け手側として、上っ面のダイエット情報に惑わされることなく、全体の仕組みを理解するためには、どうずればいいのでしょうか?

僕も含めてですけど、発信者側も良くないと思うんですよ。テレビやラジオもそうですけど、皆さん片手間に見たり、聞いたりしているじゃないですか。だからパッと情報を流したときに、手を止めてもらうことが重要になってしまう。1から10までを説明したって聞いてくれないから。

そうなると結局、アクセスを伸ばすために、見出しでどれだけ興味を持ってもらえるかが大事になってきますよね。そういった、数を稼いだらオッケーみたいなやり方をするから、うわべだけの情報が蔓延するんです。

受け手側に対しても、どうしてそこで疑問を持たないのかな、とは思いますよ。

だけど、僕もまったく知らない分野だったら「これはこうするだけで良いんだ」って思っちゃう。例えば、英語の学習でいうと、ネイティブの言葉を聞いているだけでそのうち耳が慣れてきて、英語が喋れるようになる、とかありますよね。でもこれってよくよく考えるとぶっとびすぎだろって(笑)。

聞いているうちにペラペラ喋れるようになって……なんて奇跡はなかなか起こらないじゃないですか。英語を本気でやろうと思ったら、いきなりスピード◯◯◯◯◯をやろうなんて発想は生まれないですよね。

これと同じようなことが、ダイエットでも起きているんです。皆さんが一番興味を持っているところに「これをちょっと変えれば、劇的な変化が起きて……」みたいな情報を流すから。

――やっぱり「楽して体重を落としたい」という気持ちがすごく強いんだと思います。

そういうのは、本気で変わろうとしていない証拠。

何か被害に遭って、本気で変わろうとしているのに、うまいこと言われて騙されたという人たちには、正しい情報を教えたいなと思います。だけど、僕がふっと知り合った人たちから「どうやったら痩せるの?」と気軽に尋ねられたとき、ちゃんと説明しても聞いてないですからね。

そういう人たちって「糖質を制限したらいいんですよ」くらいの答えしか求めていないんです。それくらいの情報しか求めていない人たちに対して、それくらいの情報を与えているというのがずっと続いているんですよ。

――悪循環ですね……。

悪循環ではないですよ。その人たちにとっては、そのレベルのニーズにマッチする情報が与えられているわけですから。僕は世の中の人全員に変わってほしいとは思っていないので。本気で変わりたいと思っている人たちが変わっていけたら良いな、と考えているんです。

――「変わりたいですか?」って聞いたら、「変わりたい」と答える人たちは多いと思います。

それは「英語を喋りたい」と言っているのと同じですよ。多くの人が英語を話せたらいいなとは思っているはずだけど、じゃあ実際に話せたら、どうすんの? って訊くと「別に……」という答えが返ってくる。要するに、優先順位が低いだけ。

もしも明日から周りが外国人だけで、英語が喋れないとまともにコミュニケーションもとれない環境に置かれるとしたら、そのために必死で勉強しなきゃってなりますよね。ダイエットも同じように「あなた再来月結婚式がありますから、それまでに痩せなきゃいけないですよね」って言ったら、皆さん痩せますよ。

――ちゃんと明確な目標があって初めて、「本気で変わりたい」と思うんですね。

そうです。だから「結婚式があるから痩せなきゃいけない」という人を一度も失敗させたことはありません。というか、僕が何も言わなくても勝手に痩せてくれるんで(笑)。だから気持ちの問題だったりするわけです。

反対に、本気でやろうと思っていない人は、結果が出なくても「ダメだったな~」とか「リバウンドしちゃった。まあいっか」って思うだけ。体重を増やしたり、減らしたりを楽しんでいるんですよ。

お金を払って、本気でダイエットに取り組んでいる人たちと、インターネットにある無料で手に入る知識を得ようとする人たちとでは、求めているものが全然違います。だから気軽に「どうしたらいいのー?」って訊いてくる人たちには、「糖質制限をしたら良いんじゃないですか」程度のメディアが言うような答えしか返せないんです。

ただ、本気で変わりたいと思っている人たちが、そういった”上っ面の情報”を信じてしまうことが問題なんです。

■体重の増減に惑わされないためにも、正しい情報を得る

――体重を増やしたり、減らしたり……。やはりダイエッターたちにとって体重(数値)が重要だからこそ、そういった目先の楽な情報に惑わされるのかもしれません。

そういう人たちは、正しい情報を知らないだけだと思いますよ。だからこそ、そういうことを説明していかなければいけないんですけど。

ただ、やっぱり難しいことを、ワッと文字にして垂れ流したり、わからない言葉で説明されたりすると、「もう嫌だ」ってみんなシャットアウトしちゃう。もちろん僕はわかってもらおうと思っています。「これなら理解しやすいかな」っていうレベルで、引き出しから情報を出していますけど、世の中に出ている情報もきっとそればかりですよね。

わかってもらうために、最初の引き出しの一段目しか出さないんですよ。そして、どうしたら一段目の引き出しを見てもらえるかに終始しちゃうと、浅い情報がバーッと広がってしまう状態。これって多分ずっと続いていく(笑)。

――たしかに。

だから僕は、ただひたすら真面目に情報を発信するしかないなと。

――ただ個人的には、女性側のダイエットに関するリテラシーはちょっとずつ高まっているとは思うんですが……。

そうなんですかね。わからないです。

――『ダイエットは運動1割、食事9割』などもそうですが、これだけ森さんの発信が世の中に広まって、話題になってはいるものの、森さん自身はそのリテラシーの向上を感じてはいないんですね。

僕はここ1〜2年で「たんぱく質を摂りましょう」ってすごく言っています。だから、「たんぱく質が大事なんだ」という考えがじんわりと浸透していることはわかるんです。だけど一方で、この考え方を間違って取り入れてしまって、結果が出ていない人が現れているんですよ。

――アンケート結果にもそう答えている方がいらっしゃいました。でも体重が増えていても、体脂肪率が下がっていればいいんですよね?

たんぱく質などをメインに摂っていたものの、次第にカロリーが増え、体重が増加。食事のコントロールの難しさを感じた
DRESSアンケートより

そうそう。体重が増えたことがダメだって思っちゃうのは、間違った情報の受け取り方のひとつ。

せっかく「たんぱく質が大事なんだ」っていう引き出しの一段目がわかったのに、ニ段目、三段目にある「体重の増加って、脂肪だけで増えているんじゃないですよ」ってことが理解できていないと、「あ、太った」って思っちゃう。

だから僕は自分のお客さんに、「◯◯さん、明日太るんで」とか言っているんですよ。「今日トレーニングしましたよね。トレーニングしたら次の日太るんです」って。でも、こんなこと言われても、ワケわかんないじゃないですか。

運動すると筋肉が刺激を受けるから、水分を取り込もうとするんです。筋肉に刺激を与えたあとに、水分を大量に取り込んだら、そりゃ体重は増えますよ。けれど、脂肪は増えていないんです。

でも、体重は増えている。だから「明日体重が増えていますから」って伝えておかないと、「運動したのに体重が増えたんですけど!」って怒る人もいる。反対に「3日後に落ちるから」って言って実際その通りになると「森さん、神ですか。言った通りになるんですけど」って反応が返ってくる(笑)。

■“土台”がない状態で、体重だけ落としても綺麗になれない

――そういった話を聞いていると、やはりダイエットに関しての悩みや心配事は尽きないように感じます。

日本人は、ダイエットをしていても、結果が出ないって言う人がすごく多い。だから「太っている」とかで悩んでいる人も多いんです。

でも日本人は、世界から見たら完全なる痩せ民族。痩せすぎなんですよ。ほとんどの女性が痩せる必要なんてなくて、健康基準でいえば、もうちょっと太らなきゃいけない。

それでも、ダイエットに取り組むのは、みんな綺麗になりたいからですよね。今よりも脂肪がなくなれば、綺麗になるはずだって信じている。でも、そうなるための土台がないのであれば、体重を落としたら綺麗になれるというのは、幻想のまま終わります。

――綺麗になるための、土台ですか?

綺麗になるためには、体重を3キロ、5キロ落とすことじゃなくて、姿勢を正しくしたり、筋肉を増やしたり、栄養をもっと摂ったりというのがあった上で、体脂肪を落とすことが大切なんです。

こういった土台ができていない状態で、ただ痩せていくだけでは、ひょろひょろの病弱な感じになっちゃいますよ。冷え性もひどくなりますし、むくみやすくなるし、肌も荒れちゃいますよ。

(後編へ続く)

【後編】ダイエットの「我慢」「辛い食事制限」という考え方は今すぐ捨てる【森拓郎】

https://p-dress.jp/articles/4298

運動指導者・森拓郎さんによる本『森拓郎の読むだけでやせる言葉』は、さまざまなダイエット方法が溢れる世の中において、本質的な知識や情報を記し、一生続く食習慣を提案してくれる一冊。今回は著者である森さんへインタビュー。前編に引き続き、後編では具体的な食事の取り方や、ダイエットが引き起こすストレスへの対策などを伺いました。

森拓郎さんプロフィール

運動指導者。大手フィットネスクラブを経て、2009年、自身のスタジオ「rinato」(加圧トレーニング&ピラティス)を東京・恵比寿にオープンし、ボディメイクやダイエットを指導。ファッションモデルや女優などの著名人のクライアントも多く、その指導に定評がある。テレビ、雑誌など多くのメディアで注目されている。著書に、『ダイエットは運動1割、食事9割』『ダイエットは運動1割、食事9割 91日間実践ノート』(ディスカヴァー)、『オトナ女子のための食べ方図鑑』(ワニブックス)などがある。

『森拓郎の読むだけでやせる言葉 キレイになりたい人のためのパーフェクトダイエット』

小林航平

株式会社DRESS代表取締役/ウェブメディア『DRESS』編集長

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