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子供を大切にできない社会に未来はない『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』から学ぶ、世界の育児-「映画は、微笑む。」#15

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6月24日(土)よりアップリンク渋谷、ユジク阿佐ヶ谷にて公開となるドキュメンタリー『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』。日本ユニセフ協会の協力でおくる本作品は、専業主”夫”の家庭や、同性婚の家族、里親家族など、世界9カ国の家庭の育児事情を通じて、この社会にとって本当に大切なことを浮かびがらせます。

子供を大切にできない社会に未来はない『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』から学ぶ、世界の育児-「映画は、微笑む。」#15

◼︎子育て中の方も、そうでない方も。全人類必見の「子育て」ドキュメンタリー

本日DRESS読者のみなさまにおすすめしたいのは、『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』。日本ユニセフ協会の協力による本作は、世界9カ国の子育てについてのドキュメンタリーです。

この映画に出てくるのは、アメリカの専業主”夫”の家庭や、ブラジルの同性婚の家族、インドの里親家族などさまざまな国の育児事情。それぞれの家庭の育児を通して、「社会にとって本当に大切なこと」を浮かび上がらせます。

本作には

世界的なファッションモデルでリオ・オリンピック開会式にも登場したジゼル・ブンチェン。

ノーベル経済学賞受賞歴もあるシカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授。

ユニセフ本部で「ECD(Early Child Development=乳幼児期の子供の発達の意)世界キャンペ ーン」を統括するピア・ブリット氏。

先進的な幼児教育で注目を集めるイタリアのレッジョ・エミリア市の保育者らが出演し、自らの経験、研究に基づいたメッセージを伝えます。

◼︎子供に関する映画のエキスパートが監督を務めた

この映画を製作していた2年間で、赤ちゃんにはそれぞれの世界があり、彼らを世話することはその特別な世界を慈しむことなのだ考えるようになりました。

人は誰かを大切にすると変わります。それは単なる自己犠牲ではなく相互的な関係です。

"あなたがいるから私がいる"と専門家の1人は言いました。

人とのつながり、特に乳幼児期における人間関係によって、世界はこれまで以上に素晴らしいものになり得るのです。

エステラ・ヘネル監督

本作『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』の監督を務めるのは、エステラ・ヘネル。今作の製作会社マリア・ファリナ・フィルムズの共同設立者でもある、へネル監督は、1973年、ブラジル・サンパウロ生まれの女性監督です。

アメリカで7年暮らし、映画製作で修士号を取得したヘネル監督。ホームコメディーの脚本家や監督を務め、祖国であるブラジルに戻ってからは、社会と環境の変化を促すようなドキュメンタリー映画製作に取り組みました。

蔓延する小児肥満症について描いた『世界中の子どもが危ない』、広告と子供の関係について言及した『Target Market: Kids(原題)』を手がけ、どちらの作品も200万人以上に視聴されるなど、公共政策にも大きな影響を与えています。

また、貧困地域で生活向上につながる発明をしている子供たちを取り上げた、TVグローボ製作の『Young Inventors(原題)』では、全25本のエピソードのうち10本を監督しました。ブラジルで毎週土曜日に放送されたこの番組は、2300万人以上が視聴するなど、大きなインパクトを与えました。

◼︎『いのちのはじまり』に学ぶ、子供の成長に必要なものとは?

人格の土台が形成される乳幼児期(生後~就学前)の脳では、毎秒700個から1000個もの神経細胞が新たに活性化していると言われています。

この神経細胞同士の接続によって脳は発達し、あとの健康や精神的な幸福、学習能力が決定づけられるそうです。

この成長でもっとも大切なのは、大人とのふれあい。血のつながった“親”に限らずとも、周囲の大人が乳幼児に安全で愛情に満ちた環境を与えることができれば、より良い社会を創造する未来が開かれます。

「国の未来について真剣に考えるなら、まずは子供たちの親を助けることです」

本作でそう語られる通り、親をはじめ、子育てに関わる周囲の大人たちが、安心して育児に取り組めないようでは社会に未来はありません。

乳幼児に投資すると、利益がどのくらい生まれるかという研究では、「1ドルの投資で、生涯で7ドルのリターンが生まれる」ことがわかったそうです。これは米国の株式市場よりずっと高いリターンとのこと。

人間の能力へ投資することが、いかに社会の生産性を高め、不平等を軽減してくれるかということがわかります。

◼︎育児に悩んでいる方は必見! 子育てにまつわる金言の数々

「最近父親たちはよく手伝うようになったと言われますが、“手伝う”と言うとき、“責任があるのは母親だ”という認識があるのが問題です」

「有給で産休がとれる国では、母乳育児率が非常に高いです」

「貧困は子供たちから多くの権利を奪います」

「子供ひとりを育てるには村が必要です。皆一緒に負担を追う責任があります。そうすれば皆一緒に喜びを味わえるのです」

本作では、児童心理学者、学習脳科学者、小児科医、精神分析医、経済学者、教師など、さまざまな分野のプロフェッショナルが、育児に関する金言を示してくれます。

どの言葉も、待機児童問題、ワンオペ育児、シングルマザーの貧困など、子育てに関する問題が山積みの日本でも、参考になることばかり。各国共通の悩みに、思わず深く頷いてしまいます。

本作『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』は、優しさに溢れたドキュメンタリー。未来を担っていく子供たちを、社会全体で育てていくことの大切さを教えてくれる、そんな作品になっています。

現在、子育て中の人はもちろん、そうでない方も。この作品をきっかけに、良い社会とはどんな世界なのか考えてみませんか?

『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』は、6月24日(土)よりアップリンク渋谷、ユジク阿佐ヶ谷、7月1日(土)よりCINEMA Chupki TABATAほか全国順次公開です。

◼︎『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』公開情報

『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』
6月24日(土)よりアップリンク渋谷、ユジク阿佐ヶ谷、7月1日(土)よりCINEMA Chupki TABATAほか全国順次公開
監督:エステラ・ヘネル
配給:アップリンク
上映時間:96分
公式サイト: http://www.uplink.co.jp/hajimari/

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古川 ケイ

映画ライター。新作映画情報サイト「木曜日のシネマ」運営。 大学卒業後、インディペンデント系映画配給会社に入社し、映画業界誌の編集・ライター業務に従事したのち、宣伝部にて洋・邦映画作品の宣伝を手がける。その後テーマパーク運営...

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