「幸せになりたい」って言いながら、他人に自分を預けてない?
「幸せになりたい」――誰もが一度は声に出したり、胸の中で思ったりしたことがあるかもしれない。でもこの”幸せ”、どうすれば手に入るのでしょう。美味しいものを食べたとき? 好きな人と一緒にいるとき? そのときあなたは「幸せです!」と胸を張って言い切れますか? 今回のコラムでは、そんな幸せの見つけ方をお届けします。
「幸せになりたいなぁ」
仕事はそこそこ上手くいってる。金曜の夜はパーッと飲みに行って楽しいし、休みの日には友達とランチがてら近況報告。そうだよねぇ、なんて言いながら思いっきり笑う。
わたしの毎日、まあ、そんなに悪くないなって思う。自分のことめちゃくちゃ好きじゃないけど、嫌いでもないし。まあまあ、こんなもんだろうって。
ただ、今あなたは幸せですか? って聞かれたら、ちょっと迷ってしまう。
”イエス”とは言い切れないし、“ノー”っていうわけじゃない。それなりの毎日の中で、「ああ、幸せになりたいなぁ」っていう気持ちが心の奥底にずっとある。
で、ふとした瞬間に大爆発。
「ああ、もうっ! 幸せになりたい!」
幸せって、いったいどこにあるんでしょう。
超不幸っていうわけじゃないのに、ずっと何か足りていない気がして仕方がなくて。
どういう状態であれば、「わたし、今すっごく幸せ!」って言い切れるんだろう。
ぐるぐると考えて、幸せの在りかを見つけようとして、でも見つからなくて。
結局、たどり着くのはそう、やっぱり。
「幸せになりたいなぁ」
言い切っちゃいますね。
この世界には「幸せ」なんてない。
そんな気がするんです。
「幸せになりたいなぁ」ってつぶやきながら、どこかに「幸せ」を探して生きてる。
どんな場所であれば、何をすれば、どういう状態になったら、幸せを全身で感じることができるんだろうって。
「今、幸せですか?」って聞かれたときに、大きな声でイエスって言えたらいいのに。
でも、気づきませんか?
りんごを食べたくなれば、りんごを買えばいい。スカートがほしい気分なら、スカートを手に取ればいい。
ただ、幸せになりたいって思ったとき、「幸せ」っていうタグが付いたものはどこにもないんです。コンビニにも、カフェにも、どこにも。幸せという名前のついたものは、ない。
そりゃ、探しても見つからないわけです。
じゃあ、どうしたら幸せになれるんだろうって思います。
いろいろ考えてひとつたどり着きました。
幸せっていうのは「事実」じゃなくて、自分の「心持ち」じゃないかって。
今回は、この心の持ち方について、もう少し分かりやすく伝えてみます。どんな風に心を持てば、幸せを見つけられるのか。
■「直感」を大切にすること
晴れたり曇ったり、雨が降ったり、天気だってころころ変わります。
それだったら、人の気持ちだって変わったっていいんじゃないかって思うんです。
今日の自分が、この瞬間の自分が、「幸せ」だって思えることをやってみる。
健康に気を使って毎朝“必ず”スムージーしか飲まない。ダイエットのために“絶対に”週2回はジムに行って走る。
そういう自分との約束って素晴らしいこと。でも、ルールに縛られてストレスを感じていたらもったいない。
「やらなきゃ」「こうしなきゃ」が積み重なったところには、たぶん、幸せって存在しにくいような気がします。
決めたルールに従うんじゃなくて、たまには思いっきり直感に従ってみる。
今日の自分が、今この瞬間の自分が、「幸せ」だって思えることをやってみる。
■自分を「他人」に預けないで
人に合わせることが日常となっていたら、それは要注意かもしれません。
人とそんなに差がない、人と同じって安心はできるけれど、自分が満足できていなかったらその「安心」には意味がなくなってしまう。
1日の行動を一つひとつ見つめたら、もっと自由に動いてもいいことがあるはず。
みんなが行くからという理由で飲み会に行く(けれど、本当はひとりでゆっくりしたい)とか、みんなが「良い」って言っているから、会議で何も発言しない(けれど、本当は言いたいことがある)とか、そういうの。
私たちは、同じ「人間」だけど、容姿も、性格も、感情も、全部違う。
好きも嫌いも、得意も苦手も。これまで見てきた景色だってまったく違うから。
違うものを選ぶことはおかしくない。
自分と他人は違うんだから、自分が「幸せ」だと思えることをやってみる。
■「楽しい」「嬉しい」を味わう
楽しいな、嬉しいなっていう気持ち、大切にしていますか?
「幸せ」のタグが付いているものはこの世界にはないけれど、自分が楽しめること、嬉しいって感じることは、ちゃんと知っているはず。
でも、忙しくて、恥ずかしくて、周りの目が気になって……。楽しいことをする機会、逃していませんか? 嬉しいっていう感情にふたをしていませんか?
料理が一番のリフレッシュなのに、最近はずっと仕事のことを考えながらで楽しめていない。クライアントにお褒めの言葉をもらったけれど、自慢だって思われたくなくてうまく喜べない。
そんなことばかりしていたら、幸せはどんどん遠ざかっていきます。
だって、幸せって「楽しい」「嬉しい」の先にあるものだから。
思いっきり味わっていい。味わうべき。
自分の幸せは、自分でつかみたい。
世界のどこにも「幸せ」はないから、
スコップで掘っても出てこないし、上を見上げても空から降ってこない。
もっと簡単に幸せになれたらいいのに(笑)。
けれど、簡単じゃないから、人はみんな幸せになりたがる。
見つからない幸せを探し続けて疲れるより、
少しずつ、ゆっくりと、つくっていけたらいいよねって、そんな風に思います。
ライター/物書き