「私のプラン」から「私たちのプラン」へ【成功する結婚#3】

「私のプラン」から「私たちのプラン」へ【成功する結婚#3】

結婚が決まると、カップルの働き方や人生プランに変化が起こることもあるでしょう。夫婦として、今後予想される変化に対応していくための準備とは何でしょうか。


結婚を決めたふたりが、パートナーシップについて話し合い、これからの結婚生活に備えるプレマリッジ・セミナー。私と夫も米軍基地で出席した経緯はこちらの記事でご紹介しました。

そんなプレマリッジ・セミナーでは、夫婦喧嘩の解決やお金のこと、セックスや子供、互いの宗教や政治への考え方などについても話し合います。今回紹介するプレマリッジ・セミナーのテーマは、前回に引き続き、夫婦のコミュニケーションについてです。

良好な夫婦関係は”小さな挨拶”から始まる

1万人にインタビューをして書かれたという『結婚を後悔しない50のリスト』(大塚寿 著・ダイヤモンド社刊)という本があります。

結婚経験者が「こうすればよかった」と思うことをまとめたこの本には、「夫婦のコミュニケーションが足りなかった」という項目があり、パートナーシップの問題の多くはここに起因していたと書いてあります。

著者はその中で、夫婦の間で交わす「おはよう」「おやすみ」「いただきます」「ありがとう」という挨拶や感謝の言葉を交わす習慣は、「コミュニケーションのライフラインだ」と指摘。

お互いへの不満や問題の火種があったときに、そのラインが常に確保されていればそこで話題に上げることが容易にできます。しかし、普段からのなんでもない会話ができていなければ、もっと大事なこと、もしくは、不都合なことを余計に言い出しにくくなってしまいます。

仕事をするときにホウレンソウ(報告・連絡・相談)が大事であるように、毎日コンスタントに会話をした上で、何かある度にじっくり話す機会を設けることが大切だ……と、この本の著者はまとめています。

結婚相手の仕事があなたの人生にどう関わってくるのか

日常の挨拶から、お互いの予定のすり合わせなどの「業務連絡」、その日に起こったことをシェアするという日々の会話でライフラインを保っていると、「大事なこと」についても話題にしやすくなります。

例えば、結婚した後の「ライフイベント」では、妊娠、出産、転勤、引っ越し、転職などが考えられます。

夫と私が受けたプレマリッジ・セミナーでは「あなたはパートナーと、軍の仕事をこのまま続けるかどうか話し合ったことがありますか?」という質問が挙げられました。

軍勤務の人は、配属先やポジションによっては数カ月から年単位で航海に出るなどして家族と離れて暮らすことがあり、数年おきに別の国に赴任になる人もたくさんいます。日本の会社にあてはめると、海外駐在を数年おきに繰り返したり、長い出張や単身赴任も予想されるといったお仕事でしょう。

結婚相手の仕事が、パートナーであるあなたの人生プランやキャリアどのように関わってくるのかはとても大事なことなので、この時点で想定される変化がある場合には必ず話し合うべき項目です。

人生のプランを話し合うときに心がけること

私たちの場合は、既に出会ったときに彼が「2年以内に軍を辞めてアメリカに帰る」と決めていたこともあり、結婚の話が出たときに、当面は私が仕事を辞めてアメリカに一緒に行くということはすんなりと決まりました。

でも、ここでふたりの意見が衝突したらどうなるでしょうか。

結婚する相手がすぐに転勤になることがわかっているけれど、あなた自身も「自分のキャリアが大事だから、絶対にやめたくない」と強く感じたとしたら? 結婚して家族になるということは「私の人生プラン」から「私たちの人生プラン」に移行するということです。

結婚しよう! と盛り上がったけれど、ふとキャリアのことを真剣に考えたときに、やはり辞めるべきではないと強く思うのであれば、それはきちんと伝えて、納得がいくまで話し合う必要があります。

話し合う時に気をつけたいのは「夫婦というチームがハッピーになるためにはどうするか」を考えること。「自分がこうしたいから……」という視点ではなく、ふたりにとってその選択が幸せとなるのかどうかという考え方が非常に大切となります。

また、考えるときには想像力を豊かにすることもポイント。例えば、結婚してからしばらくは”別居”してみるという方法も選択肢のひとつ。実際に私の友人夫婦はお互いが大学教授のため、別々の都市(新幹線で数時間離れた場所)で暮らしていました。

物事の決め方にふたりが納得しているかどうかが重要

コミュニケーションの項目でもうひとつあげられていた大事な質問は、「ふたりが物事を決めるやり方に満足していますか」というものです。

例えば前述のキャリアや人生プランについて、なかなか結論が出ずに行き詰ってしまったときに、自分はどんな反応をしているでしょうか。また、彼は結論が出ないことに対するフラストレーションをどのように表現するでしょうか。

交際中に、「何を決めるにしても、一方的な感じで自分が我慢することが多い」と感じていることがもしあったら、結婚する前にその点をクリアにしておくきっかけになるはず。

「これは結婚生活で必ず起こる、難易度の高い話題について、お互いがどういう態度をとるかのシミュレーションなんだ」と考えてください。

カップルの間に何も意見の相違がないときには、仲の良い状態を保つことができます。けれども、意見が違うときに、それでもお互いに尊敬の念を持ちつつ話し合えるのかどうか。結婚する前にその答えは明確にしておきたいものです。

変化に対応していける夫婦になるために

例えば、結婚した後にどちらかがキャリアチェンジをするなどして、お金の流れが変わってくることもあります。

共働きを続けるとしても、家事や育児の分担について、どちらか(あるいはふたりとも)が不満を持つということも起こり得ます。

そんなときに、収入の多少にかかわらずお互いが対等な立場で、冷静に話し合い、家族としての働き方やふたりの間のルールをいつでも改訂できるという基盤があることはとても大切。

「結婚前の約束だったでしょう」と主張したとしても、時とともに状況が変われば、それに合わせてプランを少し変更せざるを得ないときもありますよね。

その意味では、前述のシナリオで当初は、「私が仕事を辞めてついていきます」ということで納得していたとしても、途中で気が変わってまた仕事をしたくなったら、いつでも話題にして話し合うことができる、という関係がベストだと思います。

「一度決めたことは絶対に変わらない(変えられない)」と思うよりも、お互いに心理的な負担が軽減されるし、未来の可能性は常に開かれているという希望を持つことができるからです。

プレマリッジ・セミナーで話し合われることというのは、「私はこうしたい」という個人中心の思考から、「ふたりともがハッピーになるために、私たちはどうしようか」というチーム中心の思考に移行していくトレーニングのようなもの。

そして、生きている限り状況は変化し続けるということを肝に銘じて、結婚する相手に選んだパートナーと一緒に変化に対応していこうという気持ちを再確認する場でもあるのです。

この記事のライター

カップル&ファミリーコーチ。好きな人と結婚して、結婚した人を好きでいる方法を日夜研究中。著書「国際結婚一年生」(主婦の友社)、訳書「異性の心を上手に透視する方法」(プレジデント社)。東大卒、モントレー大学大学院卒、国連勤務を...

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