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いま“東側”で人形町がアツい理由――はあちゅうさん×速水健朗さん対談・後編

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かつて上京した人たちが住む場所といえば東京の西側が中心でした。しかし近年、以前は不人気だった東側、そして価格が高い中心部に人が流れつつあるよう。『東京どこに住む?住所格差と人生格差』を上梓した速水健朗さんと、現在東京都内で2拠点生活をする作家・ブロガーのはあちゅうさんに住む場所について語り合ってもらいました。後編です。

いま“東側”で人形町がアツい理由――はあちゅうさん×速水健朗さん対談・後編

■女性たちから注目を集める人形町

:僕は本の中では東京の東側を結構持ち上げて書いているんだけど、はあちゅうさんは逆に日本橋から東側って行かなそうですよね?

:全然行かないですね。日本橋もちょっとわからないです。行くなら銀座あたりまでですね。

:本の中で住む場所として持ち上げている場所に日本橋人形町があります。この辺りは、古くから住む人たちも多い下町とか商店街のイメージも残しながら、うまく新陳代謝も進んでいて、何よりも住空間と飲食店が接近していたりする。都心には、そういう場所がいくつも生まれています。麻布十番もそういう魅力があるよね。

:確かに。

:昔ながらの店もあるけど、全体からするとおしゃれなお店が多い。今は一人暮らしの女性たちの中でも、住みたい憧れの街になっている。10〜15年前、麻布十番で起きた変化が、ここ5年の人形町でも起きていて。街の名前と相当かけ離れてきている感じがして、おすすめなんだけどな。

:自分の人生に縁がないから、すごく遠く感じるんですかね。自分の住んでいるエリア以外に行くとなると、仕事の打ち合わせかロケ、それか飲食店が引きになります。今のところ、人形町、日本橋はノーマークでした。

:飲食店が街を作るというのが今の流れなんだよね。世界的にも都市って変化していて、東京でもこれまでチェーン店しかなかったところに、個人経営の店が出てきている。僕は文京区の谷根千と呼ばれる地域の側に住んでいるんだけど、その辺も個人店舗が増えてきて飲食が街を変えていく感じになっている。

裏渋谷と言われる神山町や富ヶ谷のあたりも、もともとは住宅街だけど飲食の街になって、ここ5〜10年で価値が上がったんだよね。以前は飲食街がある街は住むのにふさわしくなかったけど、今は変わったという。僕の本は、都市論というよりは、みんな飲みに行く場所変わったよね、という感じ。本の中で言うと、恵比寿に行かなくなった女性が増えていて、恵比寿に行くよりも、近所で遊ぶようになった。はあちゅうさんは、恵比寿に行かなくなったって話、聞かない?

:私の周りは恵比寿に住んでいる人たちが多いので。

:近所で飲むっていったら恵比寿、みたいな人たちか(笑)。

:すごく偏ってますよね、きっと。

■一軒家に価値を見出せない世代

:収入と住む場所って比例させてきている?

:自分のことで言えばしてるんですけど、これからは収入が上がってもこれ以上家賃の高いところに住むことはない気がしています。

:一軒家とかはどう?

:絶対イヤです。一生マンションに住みたいです。

:僕の世代は持ち家を持つこと、マイホーム願望が残っている。郊外に大きな家を建てて、そこで家族で静かに暮らすみたいな発想って、ある時代の日本が共有していたビジョンなんだけどで、その考えた方も、いまの30代以下になるともう共有されていない。広さや静閑といった価値観は、利便性やにぎやかな場所の魅力に置き換わりつつある。これは、海外の都市でも同じような価値転換が起きています。ちなみに、はあちゅうさんはクルマには乗るんですか?

:お付き合いしている人がクルマ好きで、あったらあったで便利なんだなと知りました。でも興味なさすぎて、車種名もわからりません。私自身は免許も持っていません。

:クルマ雑誌で連載を持っているというのもあるんだけど、最近は東京でクルマがあるとすごく選択肢が広がるよという話をよくします。

:でも、テレビ局でのお仕事とか、こっちにいなきゃいけない仕事が多いのに、千葉に行くと不便じゃないですか?

:1時間半だからギリギリ。移動と近接のメリハリ。

:やっぱり仕事ありきですね。暮らし方は。

:それはなんだろう。日本人も欧米並みにバカンスをとるべきとか言いますけど、僕は絶対無理。1ヶ月何も仕事しなくていいって堪えられないし。

:私も暇で死にます。

:とは言え、働き方、住み方に関して日本人もちょっとは自由になってきてるんじゃないかな。あらゆる固定してきたものを、少しだけ柔軟に考えれば、いろいろ選択肢はあるよねって。

:そのひとつが引っ越し、ということで。

(完)

前編https://p-dress.jp/articles/2006
中編https://p-dress.jp/articles/2007

構成=ミノシマタカコ

はあちゅうさん
ブロガー・作家。慶應義塾大学法学部政治学科卒。在学中にブログを使って、「クリスマスまでに彼氏をつくる」「世界一周をタダでする」などのプロジェクトを行い、女子大生カリスマブロガーと呼ばれる傍ら、レストラン、手帳、イベントをプロデュースするなど、幅広く活動。2009年電通入社後、中部支社勤務を経て、クリエーティブ局コピーライターに。2011年12月に転職し、トレンダーズで美容サービス、動画サービスに関わる。2014年9月からフリーで活動中。
月額課金制個人マガジン「月刊はあちゅう」、オンラインサロン「ちゅうもえサロン」「ちゅうつねサロン」などを運営。著者に『疲れた日は頑張って生きた日 うつ姫のつぶやき日記』(マガジンハウス)、『とにかくウツなOLの、人生を変える1か月』(KADOKAWA/角川書店)、『自分の強みをつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『恋愛炎上主義。』(ポプラ社)『半径5メートルの野望』(講談社)など。雑誌、オンラインメディアなどでの連載多数。催眠術師資格を保有する。

ブログ:http://lineblog.me/ha_chu/
Twitter:@ha_chu

速水健朗さん
1973年、石川県生まれ。ライター、編集者。コンピューター誌の編集を経て現在フリーランスとして活動中。専門分野は、メディア論、都市論、ショッピングモール研究、団地研究など。TOKYO FM『クロノス』にMCとして出演中。『東京どこに住む? 住所格差と人生格差』『東京β: 更新され続ける都市の物語』など著書多数。

Twitter:@gotanda6

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DRESS編集部

人生を自分らしく楽しむ大人の女性たちに、多様な生き方や選択肢を提案します。

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