そろそろやめにしよう「私が輝く女性」【塩村あやか】
近年よく耳にする「女性活躍」。でも、ときどき違和感をおぼえる女性もいるのでは。現代にマッチした真の女性活躍とは、後進が希望を持って働ける社会を目指すものだと塩村さんは語ります。
仕事もプライベートも充実している女性っていいですね。特に男女共に公平に闘える仕事や職域で活躍している女性を見ると嬉しくなります。どちらも手を抜いておらず、後進に希望を与える存在だから。
女性活躍ってこの1~2年、よく聞きますよね。私も女性議員という仕事柄コメントや助言を求められますが、「あらっ?」と思う瞬間があります。違和感があるのです。その理由は「女性活躍とは、自分が輝くこと」に最もフォーカスして活動している人たちに多々遭遇するからです。
そういう人たちは既に輝いているんです。ある程度の母数も既にいる。だから、素敵な自分たちをアピールすることがメインの活動よりも、後輩や社会の仕組みで輝くことができずにいる女性たちをサポートする活動ができたら、より素晴らしいって思う。
■本当に輝く女性って?
冒頭に書いたように、私は仕事もプライベートも輝いている女性を見るのは嬉しいし、応援もしたい。でも、「私、輝いてますよね? 年商◯億円の会社を立ち上げました。ネイルは週替わりです。女性誌で読者モデルをやっています。有名人と対談をしました。子どもは有名私学です」「仕事も人生も順調。そんな私を見て」というキラキラ情報を前面に打ち出したものを見て「すご~い」という時代は終わっています。もう、お腹いっぱいなんです。ゲフッ。
先日私も所属をするJC(青年会議所)の委員会でその話をしました。最初の数年は輝く女性にフォーカスした事業をしていましたが、今後は男女共に活躍して輝きながら働ける仕組みを考えていくようです。
輝く女性とは、「後進の育成や仕組み作りができる女性」が今の時代の考え方。私の仕事もまさにそう。そのためにはある程度、自分も表面上は輝いていないと説得力に欠けると思いますが、何より大事なのは「後の時代を生きる女性たちが希望を持って働ける社会作りができるかどうか」。
■女性活躍には男性の意識も絡んでいる
「女性活躍」と聞いてゲンナリしている人たちは、大きく分けて2種類だと私は分析しています。(1)「子育て・介護でヘトヘトなのに、日本経済のためにさらに働けってヒドイ!」、(2)「真似したくない人や真似できない人の自己アピールは見たくない」。
でも、「ウチの会社も男性の育休を応援します」「育ボス研修が充実しています」など、男性の意識改革を含む女性活躍であれば、(1)も(2)も解決できるはずです。
まだまだ多い時代遅れの女性活躍を脱却して、「自分が自分ではなく、後進が希望を持てる社会」を目指して活躍していきましょう!
(やっぱりDRESS世代は、連載初回の「過渡期の女」ですね)