#1 質のいい涙は心のモヤモヤを洗い流す 【心と体がととのう、週末涙活デトックス】
最後に泣いたのはいつですか? 仕事に恋愛・結婚、子育て、介護……現代を生きる女性は忙しく、様々なストレスを抱えがち。不安定な時代だからこそ、「強く生きなければ」と前を向く女性たちの横顔は凛として美しい。でも、ときには涙を流したっていいんです。
みなさま、はじめまして。感涙療法士の吉田英史(よしだひでふみ)と申します。今月から、強く生きる大人の女性たちに、涙活(るいかつ)という簡単にできるデトックス方法と泣けるコンテンツをご紹介します。
■涙活=心のデトックス
初回なので、涙活について少し詳しくお話させてください。涙活という言葉をご存知でしょうか。最近はTwitterなどで、「映画を観て、涙活した~」などのコメントを目にするようになりました。一般用語としても定着してきた感がありますが、私たちは、涙活という言葉を「2~3分だけでも能動的に涙を流すことによって心のデトックスを図る活動」と定義しています。
泣くという行為が“笑い”や“睡眠”よりもストレス解消に効果的だということが医学的にわかってきたのです。涙を流すことによって、人間の自律神経は、緊張や興奮を促す交感神経が優位な状態から、リラックスや安静を促す副交感神経が優位な状態に切り替わります。
たくさん涙を流すほどストレスが解消し、心の混乱や怒り、敵意も改善することが研究でわかってきました。ただし、流せばどんな涙でもいいわけではなく、ドライアイを防ぐ基礎分泌の涙や、タマネギを切ったときに出る角膜保護の涙は、いくら流しても意味がありません。ストレス解消に効果があるのは、悲しいときや感動したときに流す“情動の涙”なのです。脳科学的にみても涙活は、大いにやるべきなんですね。
■泣きたくても泣けない人たち
さて、そんな涙活を活動として始めた経緯は、私が高校教師だった頃に遡ります。生徒からの相談にのっている最中、生徒が号泣してスッキリして前向きになっていく姿をたくさん見てきました。涙にはパワーがあるなと思うようになったのです。
そんな折、友人の寺井広樹氏(涙活プロデューサー)と話をする機会がありました。彼が手がける離婚するカップルのためのセレモニー「離婚式」で、男女が泣いてスッキリしている姿を見て、「現代社会では泣きたいのに泣けない人が増えている。だから、そういう人が気持ちよく泣けるようにしたい」と思い立ったのだそう。そうして涙活を提唱する彼の理念に共感し、一緒に活動を始めました。
現在、主に都内で月1~2回、社会人に向けて、涙活イベントを開催しています。動画(映画)、音楽、朗読、人情噺などを通じて泣ける空間を演出し、会場に来ているお客さまに泣いてスッキリしてもらうのが目的です。私は、ここで朗読したり、泣きの効用をお話したりします。「泣き言セラピー」というワークもやっています。涙の形をした用紙「なみだレター」に、泣き言を吐き出して(書き出して)もらい、涙千箱というお賽銭箱のようなものに、入れてもらうという活動です。時間が許す限り、その泣き言にアドバイスをしています。
会場では最後に「涙友タイム」という交流の時間を設けています。類は友を呼ぶという言葉をもじって、涙は友を呼ぶということで、お客さん同士で動画の感想を語り合ってもらったり、質疑応答をしたりしています。
■今週からできる! 週末涙活レッスン
お客さんからよく涙活の理想の頻度や涙活のやり方を尋ねられることがあります。頻度は週1回をオススメしています。実は涙は一粒流しただけで、ストレス解消効果が1週間に渡って持続することがわかっているのです。それぐらい涙は強烈なんです。
涙活のやり方は泣きやすくするための環境づくりが大事です。部屋を暗くしたり、スマホの電源を切って外からの音を遮断したり……。1日の終わりや週末にやるのがため込んできたストレス解消にはいいでしょう。
ちなみに、夜寝る前に泣くと翌朝目が腫れると言いますが、目をこするから腫れてしまうのです。流しっぱなしにすると、それほど腫れることはありません。泣いた後に、蒸しタオルや冷やしタオルを交互にあてると血行がよくなり、リラックス効果も増します。
泣くための題材探しには動画サイトがおすすめです。まずは自分の「泣きのツボ探し」から始めましょう。家族もの・動物もの・恋愛もの・友情もの・アスリートものなど、各種テーマにした動画があります。
自分がどれで泣けるのか試してみて、ツボがわかったら、そのテーマを軸にして、動画や映画をチョイスしてみてください。たまには自分の泣きのツボでないと思われるテーマに挑戦してみるのもいいかもしれません。そこで楽しみも見出せると思います。
さて、次回から毎月あるテーマを決めて、「泣ける」コンテンツを取り上げていきたいと思っています。今月で、涙活イベントを始めて満3年になります。私のこれまでの経験で得てきた鉄板の泣けるネタを中心にご紹介していくのでお楽しみに!
「親も子も元気にする涙の力」
~気持ちがスッキリ涙活体験~
涙活体験を通し、泣く事でストレス発散する「感涙療法」について学び「感涙療法」を今後の子育てに役立てる。又親同志の交流の場を提供する。
日時:3月3日 前半は午前10時~正午 後半は午後1時~午後3時まで全2回
内容:
涙活体験
・動画の上映
感涙療法について
・涙の効用とメカニズム
・感涙療法とは
・感涙療法の子育てへの活用法
涙活体験についてのディスカッション
・泣き言セラピー
・涙作文(ワークショップ)
場所:綾瀬市立中央公民館 講堂
対象:おおむね小学生以上のお子さんを持つ保護者 20名(保育なし、綾瀬市在住在勤の方が定員に達しない場合は、他県からの参加可)
問い合わせ先:綾瀬市中央公民館 0467-77-8181