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彼のを舐めるのは私が気持ちよくなりたいから

まずは自分が快感の海に飛び込んでいこう。そうすればきっと相手も波に乗ってくれるし、もし私が溺れたら優しく救ってくれるだろう。最近はそんなふうに思っている。女もフェラで気持ちよくなっていいはずだ。雨あがりの少女さんのコラムです。

彼のを舐めるのは私が気持ちよくなりたいから

「このまま一生舐めててもいい?」と言ったのをプロポーズと勘違いされたことがあるほど、フェラチオが好きだ。

でも最近は、巷にあふれる「喜ばれるやり方」「上手なやり方」などの男性を気持ちよくさせるための情報にあまり関心がなくなってしまった。だって相手のためにするんじゃないもん。私が気持ちよくなるためにするんだもん。

主導権をゆだねられた状態は、相手をいかようにも気持ちよくさせられる可能性があると同時に、自分自身がいかようにも「気持ちよくなれる」可能性も秘めている。

だから、もしフェラチオで気持ちよくなれるのは男だけだという固定観念があるとしたら、もったいないなと思っている。女もフェラで気持ちよくなっていいし、もちろん、男もクンニで気持ちよくなっていい。今日はそんな話がしたい。

■自分が興奮するやり方を探る

アダルトビデオなどでよく見るのは、寝そべった男性の股のあいだにちょこんと座って舐める女性の姿。たしかに一番フェラチオのやりやすい体位だと思う。動きが自在だし、相手の反応も見やすい。普段仰向けで自慰をする男性の場合、慣れた体勢なので射精に至りやすいのではないかな。

でもそういうのをいったん無視して、自分が舐めながら一番気持ちよくなれるのは何かと考えてみると、私は男性上位のフェラチオが最高に好きだ。自分は仰向けになって、顔の上に男性に跨ってもらうのだが、何よりも視界で興奮する。

少し恥ずかしそうに揺らぐ彼の表情、自分の眼前で徐々に大きくなっていくもの。くらくらしちゃう。攻めているのか攻められているのかよくわからない感じなので、男性に攻められるのが好きな人にもオススメしたい。

寝そべった男性のそれを横から舐めるのも好きだ。少しやりづらいので、この体勢で射精してもらったことはないけれど、けっこう喜んでお尻をさわってくれる人が多い気がする。予定調和ではない感じがして、これからどうなるのだろうと、場のワクワク感が高まる。セックスは脚本なしの舞台だと思う。できるだけ即興の方がいいと思ってる。

気持ちよくてすべてがままならなくなっている男性を見るのは至福だけれど、彼に少しでも余裕がありそうなら、フェラチオ中に触ってほしいところをお願いするようにしている。

例えば髪を撫でていてもらえればニコニコしながら舐めちゃうし、乳首を触ってもらえればビクビクしながら咥えちゃう。頭をぐっと押してもらって苦しむプレイも興奮する。お互い舐め合うシックスナインもいい。

■自分が表現したいことは何か

手をどう使うか、舌をどう動かすか、唾液をどうするか、目線はどこをとらえるか。フェラチオについて考えるときに重要な問題はたくさんある。私も正解は知らないし、あるなら教えてほしいけれど、たぶん正解はないのが正解だろうなと思っている。人によって好みが違うのだから、それを尋ねたり、反応を見たりしながら進めようというのは、まあ当たり前のことだろう。

ただ、フェラチオを快感機能としてだけではなく、ひとつの表現方法として考えると、もう少し幅が広がるのではないだろうか。例えば、あえて手を使わないで口だけでとらえ、咥えこむことで、身も心も強く求めていることを伝えることができるかもしれない。実際、そうすると「本当にフェラが好きなんだね」「エッチだね」と言われることがある。

ちなみに私は奥まで深く咥えこんで、しばらく動かないのが好きだ。膣に挿入するときも「入れてすぐに動かない方が互いの性器がなじむ」と言われるが、口でも同じなのではないかと思って実践している。男性はじれったそうにするけれど、自分では口内の粘膜がゆっくりと密着していくのが感じられて、全身が膣になったように錯覚して興奮する。それもひとつの表現ではないかと思う。

唾液を彼に見せつけるように垂らすのもエッチだし、喉の奥まで深く咥えこんで粘度の高い唾液(私はこれを地獄の底の唾液と呼んでいる)を出すのもねちっこくていい。無理に咥えこまなくても、亀頭に何度もキスをすることで愛おしい気持ちを表現できるかもしれない。彼の目を見るだけのことでも、苦しそうに見上げるのと笑いながら見るのでは伝わるものが全然違うだろう。

■快感は相互作用するから

「私がどう気持ちよくなるか」「私が何を表現したいか」。いつも主語は「私」において、客体ではなくて主体でありたいと思う。もしかすると自分勝手だと思われるかもしれないけれど、ベッドの上では、快感も表現も相互に作用するものだ。

たまに恋人に「どうすると一番気持ちいい?」と尋ねてみると、彼は必ず「あなたが気持ちよさそうなのを見ること」と言う。そして同じことを尋ねられれば、私も同じように答えることになる。彼が気持ちよさそうなのを見ると、急に快感が尖る。

きっと結果的に相手も気持ちよくなるだろうし、嫌がることさえしなければ、もっと自由にやればいいんじゃないか。まずは自分が快感の海に飛び込んでいこう。そうすればきっと彼も波に乗ってくれるし、もし私が溺れたら優しく救ってくれるだろう。最近はそんなふうに思っている。せっかくの一夜なんだから。女もフェラで気持ちよくなっていいはずだ。

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※この記事は2019年12月1日に公開されたものです

雨あがりの少女

セックスは舞台。いつも世界の背景に溶けてる地味な私でも、ベッドの上では主役になれる。日々ツイッターでセックス&オナニーポエムを書いてます。

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