「ポジションを取れ。批評家になるな。フェアに向き合え。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら、あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ。明日と明後日で考える基準を変え続けろ」
(253~254ページより引用)
常識にとらわれない。これからの働き方を考えるのにおすすめな本
新年度が近づくこの時期。異動や転職、新入社員を迎え入れる準備など、「働く」ということを考えさせられる機会も少なからずあると思います。今回は、今までの常識をガラリと変え、自分自身の生き方・働き方にも、後進を育てるためにも、参考になる書籍をご紹介します。
最近、未来の生き方・働き方に関する本に興味があり、いろいろと読んでいます。
アラフォーにもなると、仕事やプライベートが多忙なこともあり、目の前の生活のことに必死で先のことを考える余裕なんてない、という人も多いのでは?
仮に考えたとしても、年金はもらえるのか、老後のお金は、健康は、安泰に暮らせる世の中になっているんだろうか……といった、今の常識の延長線上で、漠然とした不安を感じるくらいではないでしょうか。
■私たちの常識を書き換えてくれる本
そんな、私たちの頭の中の今までの常識をガラリと変えてくれる、もとい、ガラリと変えなくてはいけないと思わされたのが、落合陽一さんの著書『日本再興戦略』。
人口減少、少子高齢化、生産性の低さ、AIに仕事を取られるなど、ネガティブな話題ばかりの日本を再興するためにはどんな戦略が必要なのかが書かれた本です。
テクノロジー、政治、教育、仕事など、多岐に渡る内容のため、ここですべては書き尽くせませんが、
・日本にはカーストが向いている
・大企業にいるホワイトカラーおじさんの生かし方
・ひとつの会社で働き続けるのではなく、複数の仕事を行いつつ、さまざまな会社やさまざまな人たちと働くことが普通になる
など、一見、「どういうこと?」ということが、納得のいく理由とともに書かれているので、かなり興味深く読めると思います。
なによりも、「おわりに」に書かれている、
これは、歳を重ねて経験を積めば積むほど、忘れがちなことではないでしょうか。私たちの世代こそ、率先して、意識してやっていかなければ、と思います。
■後進を育てるアラフォー世代に読んでほしい本
さて、もう1冊ご紹介したいのは『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』。こちらも、これからの生き方・働き方について書かれている本です。
全編に渡り、これからどういった心構えで働いていくか、について考えさせられる本です。特に第4章以降は、経営者や管理職、企業の人事担当、また、後進を育てる立場にあるアラフォー世代にこそ読んでほしい内容でした。
・価値観の違いによる衝突が起きないように、心理的安全性を確保する
・チームメンバーに自己効力感を持たせる
・優れたリーダーは質問しかしない
・チームメンバーは固定させない
・チームメンバーの価値観を聞き出す
など、自分の会社・部署・チームに取り入れたら、チームの生産性やモチべーションが上がりそうなことがいろいろと書かれていて、どんな組織でも参考にできて、取り入れられる部分があると思います。
■あのときの自分がしてほしかったことをする
新年度を迎える前の今の時期、4月に入社する新入社員との接し方や育て方で、また苦労させられることになるのか……と、頭を抱える立場の方へ。
でも、私たちが若手のときだって、「あの上司、なんであんなに口うるさいの?」「仕事はちゃんとやってるんだから、それ以外のことでいちいち文句言わないでよ」なんて、思っていませんでしたか?
これらの本には、あのときの自分が「上司にこうしてほしかった・こういう考え方を持っていてほしかった」と思っていたことが書かれています。
あのときの上司の立場になったからといって、「私たちも通って来た道なんだから、あなたたちも従いなさい」というのはお門違い。
むしろ、こういった新しい考え方を参考にして、あのときの自分がしてほしかったことを、後輩・部下にしてあげるのはどうでしょうか。
おそらく自分にも、一緒に働く人たちにとっても、快適な職場になっていくのではないかと思います。