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おしゃれしちゃダメな女性なんていない──カーリング女子への非難を見て思うこと

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確かな実力と可愛さで大フィーバー中のカーリング女子。そんな彼女たちのおしゃれを非難する声が一部の女性たちからあがっているそう。理由は「アスリートだから」。大炎上した『あたしおかあさんだから』の歌詞とも共通する、息苦しい押しつけについて考える。

おしゃれしちゃダメな女性なんていない──カーリング女子への非難を見て思うこと

■一躍人気者になったカーリング女子

「そだねー」が流行っている。女子カーリング日本代表チームが、試合中に掛け合っていた言葉だ。

平昌オリンピックで見事に日本のカーリング史上、初のメダルを獲得した女子代表チーム。競技の実力はもちろんのこと、その華やかなビジュアルや、ハーフタイムに果物などを食べる「もぐもぐタイム」、冒頭の「そだねー」が話題になり、いまや日本のメディアで引っ張りだこに。

■アスリートなのにおしゃれしてるから、嫌い?

にわかに注目された彼女たちだが、ネット上で「カーリング女子嫌い」の声が上がっているというニュースを読んだ。

誰かがアイドル的に注目されると、やっかみの声があがる傾向がある。特に同性から「そんなに可愛くない」とか「むかつく」とか言われるシーンは、決して珍しくない。

しかし、読み進めてみると、そういった言葉ではなく、女性から「ネイルしてスポーツするな」「アスリートなのにメイクしてピアスして勘違い」という意見が出ているという。

「え、そこ?」と違和感を覚えた。

私はメダルをかけた最終戦だけテレビで観戦した。たしかに彼女たちは試合中もばっちりメイクだ。ネイルも綺麗に塗っている。

でもそれって、アスリートとしてがんばることと何か矛盾してるだろうか? メイクもネイルも競技の邪魔にならないなら何の問題もないだろうし、おしゃれがスポーツマンシップに反するとも思えない。

毎日おしゃれに時間をとられすぎてまったく練習できないとか、ストーンに引っかかりそうなネイルアートをしているとかでもない。事実、競技できちんと結果を出している。

■「アスリートだから、母親だから、他のことは我慢して髪を振り乱してがんばれ」は根性論

それなのにそこを「気に食わない」と感じる人がいる背景には、(坊主憎けりゃ袈裟まで憎い精神もあるだろうけれど)なんとなく根性論のようなものがあるように感じた。

アスリートなんだから、本分である競技以外のことにうつつを抜かすな。他のことは我慢して、脇目も振らず競技に邁進しろ――そんな根性論。

それで思い出したのが『あたしおかあさんだから』の炎上騒ぎだ。

自分を犠牲にして育児に奮闘する母親を描く歌詞が炎上した。あれだけ騒ぎになったのは、「母親であるからには、他のことは我慢して髪を振り乱して育児しろ」という世の中の空気に、女性たちがつねづね息苦しさを感じていた結果のような気がする。

■ストイックさを押しつけ合う世の中は息苦しい

たしかにスポーツでも勉強でも仕事でも、ストイックにがんばる姿は美しい。それはわかる。わかるのだけど、「そうあるべき」と他者に求め始めたら、みんなが息苦しい世の中になってしまう。

しかも「本業に必要でもないのにおしゃれするな」なんて言い出したら、本業におしゃれが必要な女性って、おそらくすごく限られる。私も絶対必要ではないし、この記事を読んでいるあなたもそうかもしれない。

だからといって、もし「本業に必要ないのにおしゃれなんかして、チャラチャラするな」と言われたら、「そのくらい勝手にさせてよ」と思わないだろうか?

ちょっとした心の潤いや楽しみをもネガティヴに受け取られるギチギチした世の中では、皆が息苦しくなるだけだ。

それぞれ自分がベストと信じるやり方で、自分の道でがんばれば良い。そしておおらかに認め合って、がんばりを称賛し合いたい。

カーリング女子チームの皆さん、改めて、おめでとうございます!

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吉原 由梨

ライター、コラムニスト。1984年生まれ。東大法学部卒。外資系IT企業勤務、教授秘書職を経て、現在は執筆活動をしながら夫と二人暮らし。 好きなものは週末のワイン、夢中になれる本とドラマ、ふなっしー。マッサージともふもふのガ...

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