『DRESS』2月特集は「生きてくための伝え方」。伝え方が心地よい人にはまた会いたくなるし、仲良くなりたくなるもの。学校では教わらなかった、表情や声のトーン、出し方などの話し方、人との接し方など、相手に対し効果的にものを伝えるヒントをご紹介します。伝え上手になって、人とのコミュニケーションをより良いものにしていこう!
聞き取りやすい声をつくる方法【素敵な人ねと思われる話し方#3】
「人は見た目が9割」なんてことが言われますが、「話し方」もそれに近いくらい、人の印象を決めるもののひとつ。話し方に自信がなくてもトレーニングすれば変えられます。ここでは話し方のなかでも「声」に焦点を当て、現役アナウンサーが講師を務める話し方教室「KEE’S」で教えていただきました。
なんだか素敵な人だな――初対面の相手にそう感じることがあったら、相手のどんなところを素敵だと感じたのか、じっくり考えてみると良いかもしれません。見た目の要素は大きいと思いますが、「声」も人の魅力に大きく関わる要素のひとつ。
とくに、ハキハキとしていて明瞭で、聞き取りやすい声で話す人には、こちらも「なんだか感じがいい人だな」という印象を抱くのではないでしょうか。でも、明瞭に話せている気がしない、滑舌に自信がない……なんて方でも大丈夫。気軽にできるトレーニングを短時間でもコツコツ続けることで、クリアな発音に近づいていきます。
今回、現役アナウンサーが講師を務める話し方教室「KEE’S」の「コミュニケーション美女講座」を取材。同社所属の岡添弘子さんが講師を務める回で、4人の受講生が参加していました。同講座のなかから、すぐにでも実践できることをいくつかご紹介します。
■聞き取りやすい声をつくる。1日3分の発声練習
「明るい声をつくる方法」でご紹介した「あ・い・う・え・お」の発声練習と併せて行いたいのが、以下のトレーニング。それぞれを5回ずつ、鏡を見ながら実践しましょう。発声後、最後に口の形が母音を発声したときの形になっているかどうかもチェックを。
「あ・い・う・え・お」と同じように、口周りの筋肉が軽く痛くなるくらいを目安に、口を目いっぱいあけて発声します。毎日2〜3分でできるトレーニングながら、口周りの筋力がアップし、若々しい口元をキープすることにもつながります。
らりるれろ=舌先を尖らせて、上下にバウンドさせるイメージで。上の歯の付け根より少し奥の凹んだ部分から下に向かってシャープに動かすことがポイントです。
さしすせそ=歯と歯の隙間から息を感じるように発声。歯と歯の間から空気の摩擦を感じると〇。「さっ、しっ……」と勢いよく。女性は「さしすせそ」が苦手な方が多めだとか。
かきくけこ=奥歯で強く噛むように。
はひふへほ=お腹から息を強く吐き出すイメージで。鍛えておくと、「おはようございます」の「は」がクリアに出せるようになり、印象美人に。
まみむめも=上唇と下唇とをすり合わせて発声。挨拶の言葉にま行は多いため、はっきり発声できるようにしておきたい。
ぱぴぷぺぽ=ま行と同じように唇同士をすり合わせて発声。「ぱっ、ぴっ……」というように、ま行よりも「弾く」ようなイメージで。
たちつてと=舌を使って上あごを強く弾く
■口周りの筋肉を鍛え、舌の動きや口のあけ方をスムーズに。舌トレーニング
舌がスムーズに動くことも、聞き取りやすい声に欠かせない要素です。講座では「舌のトレーニング」も実践しました。
1)本やノートなど平らなものをあごの舌に当てて、あごを固定する
2)あごを固定したまま、舌だけを動かしてラ行の発音をする。「ラララララララ」「リリリリリリリ」「ルルルルルルル」など。
筆者も試してみたところ、あごを動かさずに舌だけでラ行を発声するのは至難の業でした。舌がもつれたり、あごがどうしても動いてしまったり……。
そもそも「ラ」と言っているつもりが、「ラ」ではなく「ダ」に聞こえてしまったり……。いかに舌が衰えているか、舌を使わずに話しているかを痛感しました。
実際、舌のトレーニングを実践し、スムーズに舌が動いて、ラ行を速く正確に発声できたら、「舌年齢」が若い証拠だとか。
岡添さんが「体の中で一番強い筋肉は舌なんです」と講座内で解説されていたのが印象的でした。もともと強い筋肉であることから、きちんと鍛えるとより良く働いてくれるはず。
#1〜#3でご紹介した、自宅でもできるトレーニングを習慣化すれば、人前で自信を持って話せる人に! 同時に周りからも「素敵な人」だと思われるようになることでしょう。
※こちらの記事でご紹介した内容はKEE’Sの「コミュニケーション美女講座」で学ぶことができます
http://www.kees-net.com/
Text/池田園子
いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。