『DRESS』2月特集は「生きてくための伝え方」。伝え方が心地よい人にはまた会いたくなるし、仲良くなりたくなるもの。学校では教わらなかった、表情や声のトーン、出し方などの話し方、人との接し方など、相手に対し効果的にものを伝えるヒントをご紹介します。伝え上手になって、人とのコミュニケーションをより良いものにしていこう!
明るい声をつくる方法【素敵な人ねと思われる話し方#2】
「話し方」は「見た目」と同じくらい、その人の印象を決めてしまう重要な要素。話し方に自信がなくてもトレーニングすれば変えられます。ここでは話し方のなかでも「声」に焦点を当て、現役アナウンサーが講師を務める話し方教室「KEE’S」で教えていただきました。
話し方のなかでも「声」の印象は、見た目と同じかそれ以上に、第一印象を大きく左右するもの。声が持つパワーはとても大きいです。明るく元気な声で話しかけられると、「素敵な人だな」「また会いたいな」など、ポジティブな印象を受けますよね。
でも、自分の声は低めだし、明るく元気な声を出すのは難しい……と思っている方も、声の質はトレーニング次第で変えられます。「エネルギーを感じさせる発声とクリアな発音が、また会いたいと思ってもらえる人の共通点です」と話すのはKEE’S代表の野村絵理奈さん。
今回、KEE’Sが提供する「コミュニケーション美女講座」を取材。同社所属の岡添弘子さんが講師を務める回で、4人の受講生が参加していました。同講座のなかから、すぐにでも実践できることをいくつかご紹介します。
■「ソ」のトーンで声を出す
試しに、「ドレミファソ〜」と歌ってみてください。普段どの音で「おはようございます」「おつかれさまです」などの挨拶をしているか、考えてみると良いと思います。筆者は「ド」や「レ」などの低い音で挨拶をしていたなぁ、と気づきました。明るい声を出したいなら、「ソ」の音に合わせて言葉を発してみましょう、と野村さん。
「『ソ』の音は人が嬉しい、楽しいといったポジティブな感情になったときに発する音。そのトーンの声を自分で聞いていると、脳が自然と『何か嬉しいこと、楽しいことがあったんだな』と思い込み、気持ちまで引っ張られて明るい気分になれるんです」(野村さん)
自分の脳は案外簡単に騙せる、というわけです。小声で「ドレミファソ〜」と歌い、その流れで「ソ」の音で発声します。ただ、日頃「ソ」の音で話していないと、安定的に「ソ」の音を出し続けるのは大変。
そこで教えていただいたトレーニングが、毎朝自宅で「ドレミファソ〜」と歌った後、「ソ」の音で「おはようございます」など、挨拶の言葉を練習すること。最初は「いつもとトーンが違いすぎる……」と戸惑うかもしれませんが、「ソ」のトーンで話すだけで、びっくりするくらい明るくはつらつとした声になります。
■口のあけ方と腹式発声を意識。「あ・い・う・え・お」の発音
「ボリュームのある声をつくる方法」でご紹介したように、自分が普段どんなふうに話しているかを客観的に見てみると、口があまりあいていないと気づきます。想像以上に、口や口周りの筋肉をほとんど動かさずに話している、とわかります。
「口を大きく開けて、“笑顔の口”でハキハキと話すようにすると、声・見た目の印象共に明るくなります。音がこもっていない、クリアな声で母音を発声できていたら、口周りの筋肉を使えていて、口が大きくあいているといえます」(野村さん)
口が大きくあいていない、あきづらいと感じたら、口をあけるトレーニング(口の体操)を毎朝5セットほどやってみましょう。
1)首や肩、全身の力を抜く(立っていても座っていても◯)
2)口を目いっぱいあけて、「あ・い・う・え・お」と発音していく。一つひとつ丁寧に、口の形を意識しながら発音し、ひとつの音を完璧に出した後、次の音へと進む
「あ・い・う・え・お」それぞれで、口のあけ方がまったく違います。以下を参考に口をあけて、発音してみましょう。
あ:口の四隅いっぱいに広げる。上の前歯が見えていると、より人を惹きつけやすくなる(白く潤いのあるもの<ここでは前歯>を見せると好印象)
い:口を横いっぱいに引く
う:唇をすぼめて突き出す。口のひらきが小さいため、音量までも小さくなりがち。とくに意識して腹式発声を
え:横一文字に引いて口角を上げる。口の形が逆三角形になるようにする。実は一番難しい音
お:縦長の楕円形になるよう唇を広げる。「う」と同じような形になりやすいので、縦にしっかり開ける
どんな言葉も母音+子音でできています。「ソ」のトーンで「あ・い・う・え・お」をクリアに発音できたら、明るくハキハキとした話し方になり、印象が変わること間違いなしです。明日から朝家を出る前の習慣にしてみては。
(クリアな滑舌をつくる方法【素敵な人と思われる話し方#3】につづく)
※こちらの記事でご紹介した内容はKEE’Sの「コミュニケーション美女講座」で学ぶことができます
http://www.kees-net.com/
Text/池田園子
いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。