「インスタ萎え」から予想。2018年は“脱力系ブサカワ”が来る
「インスタ映え」はもう飽きた、お腹いっぱい……と2017年後半頃から感じていた人は多いのでは。そんななか出てきた「インスタ萎え」という言葉。インスタ映えに疲れた人たちが、インスタ萎えに目を向けている印象。実際にインスタ萎えする投稿は2018年おおいに注目を集めそうです。
小耳沢はさ美(以下、耳)「バサバサバサッ!(大量のコピー用紙をフロアにまき散らす)」
バルサミコ瞬(以下、バ)「ちょっ、何やってんですか小耳沢さん! 新年早々パツンパツンのボディコン着て、めでたく餅まきのつもりですか?」
耳「どうも、キャリアウーマンです。早く拾いなさいよwith B!」
バ「まだブルゾンちえみの真似してんですか、貴女。時はもうすっかり2018年ですよ。白紙のコピー用紙より、次の流行をキャッチしてくださいよいい加減! まあ、言われてみれば僕もいちおう小耳沢さんっていうBとwithしてる身なんで拾いますけどね……(with BのB=Busuと解釈して素直に拾うバルサミコ)」
耳「あら、今年は素直でいい子じゃない(B=Bijinと解釈して素直に喜ぶ小耳沢)。見ての通り、昨今は言葉よりビジュアル優位の時代。去年の流行語大賞だった『インスタ映え』からもわかるとおり、若年層から火がついた熱いビジュアル信仰は、40代以上の大人世代のインスタグラムユーザーが増えるにつれ、いまや国民あげてという勢いなんですから」
■「インスタ映え」は見飽きた。これからは「インスタ萎え」が優勢!?
バ「そういえば今年は新年早々、『インスタ萎え』っていう新語も登場しましたよね。そっちを狙ってるんなら、その全然似合ってないキャリアウーマンのコスプレも大いに納得です」
耳「あら生意気言うじゃない、所詮わたしのおまけのクセに。『インスタ萎え』っていうのは、ママタレントとして人気の木下優樹菜が投稿したハッシュタグで話題になったやつね。プールサイドでスタイル抜群の水着姿を披露するユッキーナの隣で、濡れてヘアスタイルがくしゃくしゃになった夫のフジモンが情けない顔して笑ってる画像が、『インスタ映え』じゃなくて『インスタ萎え』だと」
バ「まあ、ユッキーナのファッションセンスもフジモンの顔面も、普通に映ってるだけでぼくなんか充分萎えますけどね」
耳「ちなみにあの投稿にインスパイアされて、フォロワー数日本一を誇る渡辺直美も、プールで水から顔を出したら髪がペトーッて顔に貼りついてたっていう『萎え』画像をアップしましたね。この『萎え』=脱力感が、2018年のカルチャーを読み解くキーワードになるかも」
■ファッション性の高い「ブサカワ」こそ最強
バ「実際、SNS上で見栄を張るマウンティング合戦に、みんなそろそろ疲れてきてる感はありますよね」
耳「そうそう。まさに去年ブレイクしたブルゾンちえみや、最も面白い女性芸人を選ぶお笑いコンテスト『THE W』で優勝したゆりやんレトリィバァあたりも、渡辺直美とも通じる共通項がありますよね。みんな『ブサカワ』。一般的に見ればブスって呼ばれちゃうルックスだけど、どうにも憎めないかわいさがある」
バ「『ブサカワ』の流れって、遡ると柳原可奈子にアジアンの馬場園とここ数年継続してはいるんですが、頭ひとつ抜け出るためには圧倒的なファッション性が武器になる。このあたり、インスタのビジュアルセンスで評価を集め、連ドラ主演まで果たした渡辺直美、キャリアウーマンのファッショナブルなイメージから一気に昨年のエンタメ業界を征したブルゾンあたりが証明している感じですね」
■CHAIのMVでミレニアムピンクに感染してみる?
耳「なるほど、たしかに。じゃ、ファッション性に優れた『ブサカワ』のニューカマーっています?」
バ「CHAIっていう脱力系女子バンドがじわっときてます。コンプレックスをはね返そうとか歌ってるんだけど。かなりファション性を意識したMVになってますね」
耳「あ、それ見ましたよ。全編ピンクでなかなかのおしゃれ仕上げなんですよね。ファーストアルバムのタイトルも『PINK』。ちなみに2018春夏のトレンドカラーはミレニアルピンク。昨年海外セレブに人気だったピンク人気がいよいよ日本にも上陸って感じです」
バ「ようやくですか。小耳沢さんなんて何十年も前から全身ピンクコーデでご活躍ですよね」
耳「あなたがおっしゃりたいのは林家ペー・パー子夫妻のパー子さんですよね。パー子さんて御歳69歳ですよ。アラサーのわたしとどーやって間違えるんですかっ」
バ「アラサー……。そんな嘘をよくも堂々と。その調子じゃ今年も嫁にはいけそうもありませんね。はは!」
耳「……探さない、待つの(はぁと)」
バ「ダメだこりゃ……」
小耳沢はさ美/よろず文案作成家。インスタでよく見かける、若くて美人でセンスもよくてお料理上手な満点女子。せめて夫はフットの岩尾さん似であれ。じゃないと世の中不平等がすぎますよね。
バルサミコ瞬/ライター兼放送作家。オーガニックなカフェの店員は、なぜあんなにも全員オーガニックな感じなのか。時にケミカルな人間としては、その徹底した統一感に謎の圧を感じてみたり。