自分に自信のない男性ほど女性を「キープ」したがる 2/3
しばらく恋愛から遠ざかっていた彼ですが、ある女性を好きになります。彼より年上のその女性は、優しいだけでなく芯の強さもあって誰からも好かれる存在。男女問わず人気があって、彼だけでなく多くの男性がその女性を狙っていました。
自分なんて絶対無理だろうなぁ。そう思うけど、惹かれる気持ちは止められない。彼は、何とかしてかっこいい自分を見てもらいたいと女性の前で振る舞いますが、やはり一方通行のアプローチは届かず、進展しない関係が続きます。
そんなとき、彼のことを好きだという女性が現れます。これまでの女性たちと明らかに違うのは、その女性は自分にだけわかりやすい関心を向けていた点。女性から関心を持たれることに慣れていなかった彼ですが、積極的に自分に関わろうとする彼女の姿はとても心地よく、今までの女性たちからは受け取ることのなかった愛情を感じ、すぐに自分も好きになりました。
ですが、彼の心にはそれ以前に好きになった年上の女性がいます。それは、後から現れた女性のように「先に好かれたから自分も好きになった」人ではなく、彼が自ら恋心を覚えた女性。どうしても、その年上の女性を忘れることが彼にはできませんでした。
彼が年上の女性に向けていたのは、一種の強い憧れのような気持ちでした。手に入れたい、セックスしたい、という生々しい恋心より、「ただ好きでいられればいい」と自分の気持ちだけで満足できてしまう感覚を、当時の彼は憧れだとわからずにいたのですね。
告白したいけど、振られることはわかっているし関係が壊れるのは嫌だ。そして、自分に好意を向けてくれる女性のことも捨て去ることができない。愛される心地よさを知ってしまった彼は、先の見えない片想いに身を浸しながらも自分に捧げられる愛情も手放すことができませんでした。
どちらの女性に対しても、はっきり「好きだ」と言えないジレンマが、彼を苦しめていました。