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無痛分娩という選択肢【アラフォーで産む#6】

アメリカやイギリスでは、出産翌日に退院するのが当たり前なことを知っていますか? そんなにすぐに退院できるのはナゼ? の理由のひとつに「無痛分娩」がありました。

無痛分娩という選択肢【アラフォーで産む#6】

■産後1日で退院が当たり前「欧米の出産事情」

出産に関してかつて疑問に思ったことのひとつに、イギリス王室皇太子妃、キャサリン王妃がジョージ王子を出産した時のことがある。テレビのニュースでみたキャサリン王妃は、出産翌日だというのに、報道陣に笑顔で手を振っていた。

私がそれまでに見聞きした「出産」というのは、長い人で三日三晩、激痛に耐えながら命からがら産む、というものだった。だからテレビでみた出産翌日のキャサリン王妃のそんな壮絶な体験を感じさせない笑顔に、とてつもない違和感を感じたのだ。

気になって調べてみたところ、アメリカやイギリスでは出産翌日の退院が当たり前ということだった。そして産後そんなにすぐに動けるようになる理由のひとつに、無痛分娩をはじめとした、出産時の痛みを取り除く処置が日本より普及しているということを知った。

■産後の回復が早いことを理由に「無痛分娩」を決めた

妊娠が発覚し、産む産院を確保しなくてはと思った時に、キャサリン王妃のことと、そして無痛分娩のことを思い出した。調べてみると、私が通えそうな範囲で無痛分娩を取り扱っている産院がいくつかあった。

40歳で初産というのはハイリスク出産の部類に入る。
自宅から通いやすい、無痛分娩がないNICU(新生児集中治療室)がある総合病院と、無痛分娩を取り扱っている産院と最後まで迷った。

ただいろいろ調べて考えた結果、「産後の回復が早い」を理由に、私は無痛分娩で産むことを決めた。

無痛分娩にする、と家族や友人に伝えた時の反応はくっきり分かれる。
「実は私も無痛分娩を選択した、考えている」という反応と、「そんな危険なことをなぜ」をはじめとするネガティブな反応だ。

無痛分娩時の麻酔というのは、通常背骨に管を通す大がかりなもの。そして年に何件か無痛分娩時のトラブルに起因する事故のニュースが報道されている。また「産みの苦しみを味わってこそ母になる」と痛みを敬遠することを暗にたしなめる人もいた。

■「痛み」を伴ってこそ母になるという説に対する疑問

「産みの苦しみを味わってこそ~」の意見がさほど気にならなかったのは、自分の母親が私を自然分娩、妹を帝王切開で産んでいるものの、特に扱いの差を感じていないのが大きい。また痛みを感じないと親になれないのだとしたら、男性は一生無理なわけで、私の場合、その点については罪悪感を一切感じなかった。

唯一気になったのが、無痛分娩にしたことによる母子の生死に関わるトラブルだ。
特にちょうど妊娠が発覚したあたりに、母子共に無痛分娩時に死亡したニュースが報道されていたため「本当に大丈夫?」という怖さはあった。

ただ、私が調べた限り、たしかに無痛分娩に起因している事故は年に何回か発生しているものの、自然分娩でも似たような事故が発生していた。”無痛分娩か自然分娩か”というより”産院の問題では”と考えることにした(※あくまでも個人の考察です)。

なにより多少のリスクがあったとしても、産後2カ月復帰を目論む私にとっては、無痛分娩のメリット「産後のダメージ回復が早い」というのが、とても魅力的に感じた。

■「産み方」は自分で決めていい

母親に「無痛分娩にする」と宣言したときは、かなり説得された。
「自然なお産が何より」が母の信条で、「不自然な産み方は止めて欲しい」というのが母の想いだった。


が、今回命がけで子を産むのは私。好きにさせて欲しい、と最終的に納得してもらった。

調べれば調べるほど、世の中にはさまざまな産み方がある。
水中出産や自宅出産、助産院という選択肢だってある。今回調べてみてつくづく思ったのは、どんな産み方であっても、産む母親が納得した上で選んだ方法はすべて正解。

周囲の雑音を気にせず、自分がいいと思った方法で「出産」という一大イベントを乗り越えればいい。そう思う。

makicoo

1977年生まれ、宮城県仙台市出身、早稲田大学卒。大学在学中から大手女性誌やムック本などで占い、美容、投資、セックスなど多岐にわたるジャンルの記事を執筆。結婚、離婚を経て、妊娠出産を契機に40歳で再婚。現在は外資系企業でカス...

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