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女を磨く離婚道#9 結婚も離婚も人生の通過点

結婚生活に悩んでいる友人、また離婚を考えている友人に、何か伝えられることがあるとするならば、人が成長できる最高のチャンスが結婚生活であり、離婚は自分の膝をすりむいて、初めて自分の至らなさや未熟さを知ることのできる、ともに素晴らしいライフイベント――女を磨く離婚道、藤森もも子さんの例を見てみましょう。

女を磨く離婚道#9 結婚も離婚も人生の通過点

いま思えば、比較的簡単に離婚は成立したほうかもしれません。それでも当事者にとってみれば一大事。私は、秋・冬・春と3つの季節を費やしました。いえ、3つの季節が「過ぎ去っていった」というのが正しい表現かもしれません。

それだけに労力を割いた、時間を費やした、という感覚は一切なくて、日々のタスクのなかにそれに関連した業務があるだけのこと。もちろん早く離婚して楽になりたいという想いは強く抱いていたけれど、それはまるで複数抱えているプロジェクトのなかのひとつの案件のような感覚でした。

■自分らしい人生を楽しみたくて、離婚を決めた

なぜ離婚を決意したのか――。それは紛れもなく、「人生を自分らしく生きてみたかったから」でした。

生まれながらにして商売人の娘だった私は、働く両親が誇りでした。だから、とにかく仕事をすることが大好きだった。

幼いころから父親の会社の手伝いをしながら、細々とコラムを書いたり、イベントのプロデュースをしたり、飲食店のコンサルティングをしたり、とにかく楽しく仕事をしていました。

けれども結婚相手だった元夫も会社を経営していたこともあり、出産、子育てがある程度落ち着くと、彼の仕事の手伝いをするようになります。

妻としては、きっと当然なこと。昼間は、夫の仕事を手伝いながら、夜は子育てや家事に追われる日々。いまの私なら喜んで受け入れるでしょう(笑)。

けれど、まだまだ若かった私は「もっともっと外の世界を見てみたい」と、とにかくその一心で、次第にその生活を窮屈に感じるようになっていったのでした。

思い描いた未来を手に入れられていない理由を、人はほとんどの場合、環境のせいにしがちだが、大抵の場合は自分自身にある。

そんなことを以前ツイートしました。まさしく過去の自分へのメッセージ。

それでも「こんなはずじゃなかった」と、置かれた自分の環境を嘆くその労力を別のポジティブなエネルギーに変えられないか。

いつからか、そう前向きに思えるようになったころから、「理想の人生」をイメージするようになって、ついに人生の目標・テーマとなるものを設定することができたのです。これが、簡単に思えて私にはとても大きな一歩となりました。

わたしの人生の目標は、「私が私らしくいられる人生を送ること」。

それが決まれば、あとはシンプルで、どうすればその目標を達成できるかを考えるのですが、目標達成のためにはたくさんのクリアするべき課題があって、そのひとつに「離婚」というキーワードを設定。

私が私らしくあるためには、離婚も目標達成に一歩近づく大事なパフォーマンス。離婚を決意したのはただ、それだけの理由だったのかもしれません。

■すべては通過点。身構えず、大きな心で受け入れること

実際に結婚して、そして離婚してみて考えたことは、結婚はゴールでもなければ、スタートでもない。だから離婚だって終わりじゃなければ、スタートでもなく、長い人生の通過点のひとつに過ぎないということです。

大事なのは、自分の人生をどう生きるかで、どうすれば自分が、そして大事な人たちがハッピーでいられるか、そして今を、未来を、わたしがどう生きてどうなりたいか、だと思いました。

離婚協議中は、やはり精神的にもたくさんの感情がこみ上げてきました。一度は好きになって結婚した相手と、いまはこうなってしまった。

心の底ではどんなときもリスペクトしている相手と、弁護士を介してやりとりするぎこちなさ、そしてもの寂しさ。また、息子にとって、かけがえのないお父さんであることに変わりありません。

何が正しくて、何が間違っているのか。けれど協議中に答えが出せるはずもなく、時間だけが過ぎていく日々。

もちろん離婚は体力も消耗するし、子どもというかけがえのない存在があれば、さらに慎重な判断を下す必要があるけれど、日々の小さな出来事やライフステージの大きな変化も、離婚も、人生におけるひとつの通過点。

すべてはわたしというひとりの人間が輝くための材料のひとつとなりうる大事な要素。戸籍にバツがつくと(笑)、まだまだ子どもっぽかった私も、どんなことも大きな心で受け入れられるようになりました。

■離婚はおすすめしないけれど、否定もしない

結婚生活に悩んでいる友人、また離婚を考えている友人に、何かアドバイスできることがあるとするならば、人が成長できる最高のチャンスが結婚生活であり、離婚は自分の膝をすりむいて、初めて自分の至らなさや未熟さを知ることのできる、ともに素晴らしいライフイベント。きっと自分の経験談としてそう伝えます。

20歳で結婚して、21歳で出産。27歳で離婚し現在29歳。再婚はしないのかと、会う人会う人連日のように聞かれるこの言葉。

離婚はしたけど、結婚は悪いものじゃないと思っている。彼はいるけど、予定はなし。でも、今は、別にいい。たぶん、もう一生結婚しなくてもいいかもしれない(笑)。

仕事と息子と、自分。そんな生き方があってもいいじゃない。最近は、すべてを、人生の通過点として、こんな風に毎日を楽しんでいます。

Text/藤森もも子
PRコンサルタント、MC、フリー編集者/ライター、食のジャーナリズムなど。フランス系。パン屋の娘。都心に住むミレニアル世代シングルマサー。ワインと船とカメラが好き。

DRESS編集部

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