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離婚しない理由は子ども? 既婚男性との不倫を終わらせた独身女性が見た矛盾

「子どもがいるから離婚はでいない(離婚しない)」は、既婚男性が不倫相手の女性によく使う言い訳のひとつ。子どもを理由にされると、それ以上は何も言えなくなるという女性も多いでしょう。ですが、それならどうしてそもそも不倫などするのか。その矛盾に気づいたある女性は、行く先のない不倫を終わらせることを決意しました。

離婚しない理由は子ども? 既婚男性との不倫を終わらせた独身女性が見た矛盾

■離婚できないのは子どものせい?

「会社の上司と不倫関係にあります。私の片想いから始まったのですが、気持ちに気づかれてからは彼に誘われるがままランチや夜の居酒屋などで一緒に過ごし、あっという間に肉体関係を持っていました。

彼は奥さんとふたりの子どもがいて、会社でもよく話題にしています。私の前ではめったに話しませんが、一度『私のことが好きなら、奥さんと離婚してほしい』と言ったときに『子どもがいるから離婚は難しい。嫁より君のことを愛しているのは本当だから、どうか信じてほしい』と涙ながらに言われ、それからは離婚の話もできなくなりました。

彼の都合に合わせるしかない関係で、私のことを好きだと言うけどいつも優先するのは家庭。それを女友達に愚痴ったら、『そもそも、子どもがいて離婚できない人がどうして不倫なんかするんだろうね?』と言われ、ハッとしました。

彼にとって、私はただの都合のいい女。離婚はしないけど私とも関係を続けたいってことは、私だけが耐える関係なんですよね? そういうことを考えていたらだんだん彼が憎くなってきて、最近は奥さんに関係をばらしてやろうかとか浮かんできます。私はこれからどうすればいいですか?」(35歳/経理)

不倫している既婚男性が離婚できない理由として挙げるもののひとつに、「子どもがいるから」があります。

「子どもに対して責任があるから」
「自分だけで育ててはいけないから」
「子どもには産みの母親が必要だから」

などなど、いかにも「子どもがいるせいで離婚はできない」のでそれを受け入れるべき、を正当化しようとしますが、不倫相手の女性にとっては

「だからいつまでもこの関係でいてね」

と言われていることと同じです。

先のない関係を良しとして、相手にもそれに従うことを当然のように求めるのは、既婚男性のずるさでしかありません。

子どもを理由に離婚できないのなら、そもそも不倫をすること自体がおかしいのです。

■不倫相手に罪悪感を持たせるのが既婚男性の目的

女性の中には、既婚男性の言葉を真に受けて「子どもがいるなら仕方ないよね」と、不倫相手である自分を肯定する人がいますが、それは大きな間違いです。

たしかに子どもの存在は無視できないし、離婚するなら大きな問題となりますが、それがわかっているなら最初から不倫などしないのがまともな考え方。子持ちで不倫する既婚男性は、奥さんを悪者に仕立てても子どもを離婚のネックに利用することが多く、それを言われれば女性は黙るしかない、という流れを理解しています。

不倫相手の女性にとって、愛する男性の子どもが離婚によって傷つくのはつらいことです。「自分のせいで家族の仲を裂く」ように思わせて罪悪感を持たせるのが既婚男性の狙いであり、そうなれば女性は甘んじて不倫の関係を受け入れてくれるだろうと思っています。

■「子どもがいるから離婚できない」ことの矛盾

上記の女性は、友人に愚痴を吐く前に

「離婚したら、あなたの子どもを一緒に育てたい」

と既婚の彼に打ち明けたことがあります。

「私は彼のことを本当に愛しているし、彼の子どもなら一緒に愛していけると思ったの。もちろん結婚して親になる覚悟もあるし。でも、彼は

『子育ては大変だよ。子どもたちにとっては大きな環境の変化になるし、まだそこまでは考えられない』

ってバッサリ。

いま考えたら、私じゃ子どもたちの親としてふさわしくないって言っているのと同じよね」

最初から彼女のために離婚する気などない既婚男性にとって、彼女の言葉は重いうえに恐ろしい決意と感じられたことは想像できます。

本当に彼女を愛しているのなら、こんな気持ちを告げられたらうれしいはずだし、まずは「ありがとう」と答えるのではないでしょうか。

既婚男性に自分の気持ちを否定された彼女は、友人の「そもそも、子どもがいて離婚できない人がどうして不倫なんかするんだろうね?」という言葉で我に返ります。

そこまで子どもが大事なら、離婚する気がないのなら、どうして自分と関係を持つのか。

「最初から、私はただの不倫の相手でしかないってこと。

先のない関係だとわかっていて、それを私にも続けろってことなのよね」

この矛盾に気がついたとき、彼女はやっと自分の愚かさを知ったといいます。

■「子持ちで不倫」することの罪深さ

もちろん、不倫相手を本気で好きになって離婚することだって、ありえるかもしれません。夫婦関係の責任をまっとうし、離婚の原因を作った側として誠意ある対応をするのが誠実な大人の取る道だといえます。

ただ、「子どもがいる」という現実は、子どもの人生に対しての責任感と、それを各々が貫いていく努力を求められます。不倫は夫としての責任を放棄するだけでなく、子どもに対しても愛情を欠いた姿だと言わざるをえません。

もし子どもが親の不倫を知れば、どう思うでしょうか。自分は両親が愛し合った結果なのだと信じて疑わない子どもの気持ちは、どうなるのでしょうか。子持ちで不倫をすることは、我が子の愛情を裏切り、取り返しのつかない痛みを与える可能性があると筆者は思います。

そんな現実を考えずに不倫を持ちかける既婚男性に、わずかな誠意もあるとは思えません。上記の女性の場合、気がついた矛盾がすべての答えであり、家族の信頼を無にするような男性とたとえ公の場に出られるようになったとしても、ともに幸せな人生を築ける可能性は低いと考えるのがベターです。

■「子どもに対して恥ずかしくないの?」

彼女は、不倫相手として自分を利用した既婚男性を憎いと思うようになり、一時期は関係を奥さんにばらすことも考えていました。

ですが、そんなことをしたって既婚と知りながら肉体関係を持った彼女にも責任はあり、奥さんから慰謝料を請求されれば断ることはできません。社会的にまずい立場に追いやられるのは既婚男性も彼女も同じであり、復讐したところで現実が良くなることはまずないのです。

そこまで思い至って、彼女は既婚男性とすっぱり縁を切ることを受け入れました。男性に向けていた愛情は、

「結局、不倫相手がほしかったあの人にとって好都合だっただけで、まともな男なら断るよね、普通。好かれているなんて信じた私が馬鹿だった」

と、“男を見る目がなかった自分への反省”へと変換されたそうです。

彼女は、既婚男性に別れを切り出したとき、必死に引き止める男性に向かって

「あなたのしていること、お子さんが知ったらどう思うだろうね。

ねぇ、子どもに対して恥ずかしいとは思わないの?」

と言い捨てます。

それが既婚男性の知るべき現実であり、不倫は自分だけでなく家族まで巻き込む最悪の選択であることを、もう一度考える必要があります。

彼女は、不倫関係から抜け出して以来、「誠実な男性は自分の行動に責任を持つ」ことを忘れないといいます。そんな意識で好きになる男性こそ、一緒に幸せな関係を築いていけるパートナーとして相応しいのではないでしょうか。

※この記事は2019年11月14日に公開されたものです

ひろた かおり

37歳で出産、夫と子どもの三人暮らし。何歳になっても恋愛ネタ大好物。恋愛相談家としてこれまで多くの男女から話を聞いてきた経験を活かし、復縁についてのアドバイスや不倫などさまざまな「愛のカタチ」について書いていきます。 人生...

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