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起業や独立をしなくても、自由な働き方を選ぶ方法がある 2/2


日本では、複数の仕事を持つことに、あまりいいイメージがないようで、「企業が副業解禁に踏み切った」というニュースが飛び交っても、「お金がない人が仕事を掛け持ちするんでしょ」と、思われてしまいがち。今の生活に困っていない人は、「貧乏な人は大変だな」と他人事で済ませているのかもしれません。しかし、これは他人事でもなんでもなくて、誰もが考えておかなければならないこと。

ひとつの仕事に依存することがどれだけ恐ろしいことか、私の仕事でたとえてみましょう。

私のサロンは六本木にあります。もし今東京で震災が起きたら、サロンは確実に被災して、私が生きていたとしても、建物そのものが倒壊するなど、到底営業ができる状態ではないでしょう。たとえ、サロンが営業できる状態に復旧できたとしても、サロンにいらっしゃるお客様も東京近郊の方。同じく被災しているので、美容鍼を受けにくるわけがありません。

普段の日常が戻ったとしても、すぐに美容にお金をかけるようになるかというと、そんなことはないはず。事業が再開できたとしても、売上が立つ見込みがなく、収入はゼロになります。いつになったら収入が得られるのか。私が美容鍼しかできない人間だった場合、この時点で私の人生は詰みます。

もっともそうなった場合は、別の土地の美容鍼のサロンで働くなど、何らかの方法をとることになります。それでも、どこに行けばいいのか、働き口はすぐに見つかるのかなど、問題は山積みです。

■リスクに備える必要性は、法人も個人も同じはずなのに

ここでもし、美容鍼以外のなんらかの「ナリワイ」、たとえば場所を問わずできる仕事を持っていたとしたら――。それが少額の仕事であったとしても、収入はゼロにはならないため、気持ちに余裕が生まれます。収入が0と1とでは大違いです。

しかも、
・メインの仕事に復帰できるまでのつなぎにする
・いっそこちらの仕事をメインにする
・「ナリワイ」を作った経験を生かして、新しい収入源を模索する
など、考えられる可能性もかなり増えます。

緊急事態の際に、
・どの事業を優先するか考えておく
・代替案を確保する
・資源を分散させる
など、企業のBCP(事業継続計画)で考えることと同じですね。

企業だと、「万が一に備えていないなんて、何を考えているんだ!」と叱責されるのに、これが個人になると、「ひとつのことを続けること・集中することが良し」とされてしまうことに、むしろ疑問を感じるのは私だけでしょうか?

■起業や独立をせずとも「複数の仕事」で自由な働き方は叶う

個人的には、複数の仕事に優劣をつけておらず、セカンドビジネス・サードビジネスと考えていて、その都度収入の割合を変えたっていい、と思っています。

「私はこれしかできないので、こういうときこそ国が私たちを守ってよ」と、困ったときだけ都合よく、自分の人生を他人任せにするのは、怖いことだし、美しくない。

ひとつのジャンルにこだわらず、いろいろなスキルや経験値を少しでも増やしておけば、

・その時々で力を入れる仕事を変えてみる
・趣味の延長線上でお小遣いを稼ぐ
・思いのほかナリワイがうまくいったから、そっちをメインにしてしまう

そう考えると、起業や独立をしなくったって、自由な働き方ってできそうですね。そういう生き方も楽しそうじゃないですか?

2017年11月14日 公開
2020年5月12日 更新

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木村 瞳

美容鍼灸師 自身のニキビ肌や毛穴の開きに劇的な美容効果をもたらした美容鍼灸に心酔し、鍼灸師の国家資格を取得。 美容鍼灸施術やワークショップ、美容コラム発信などを行う。

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