不倫相手に本気になった既婚女性が、それでも離婚できなかった理由
不倫相手を本気で好きになってしまった既婚者の彼女ですが、夫に離婚を切り出すことはできませんでした。それは、自分が夫に与える痛みの大きさに気がついたから。「許されない恋」は確かに興奮するけど、それより夫を不幸にするダメージのほうが大きいと気がついたとき、彼女は現実に戻ります。
■「この人を不幸にしてまで離婚する意味がわからない」
「不倫相手は、通っていた料理教室の講師をしていた人でした。男性が料理教室の先生をしているなんて、と最初は興味がある程度だったのですが、ある日ショッピングセンターで買い物をしている彼とばったり出くわして、お茶をご一緒することに。
独身の彼は私よりふたつ年上で彼女はおらず、『仕事が忙しくて出会いがなく……』と笑う素朴な姿になぜかドキドキしてしまい、それから彼のことが気になり始めました。教室のある日が楽しみで、またおしゃべりしたいな、と思っていると彼のほうから声をかけてもらえるようになり、とても嬉しかったのを覚えています。
結婚して3年になる夫とは特に仲が良いわけでも悪いわけでもなく、子どもがいない気楽な暮らしでしたが、不満だったのはここ1年ほどセックスするのが月に2回程度になっていたこと。欲求不満は自覚していたけど、どこかで夫以外の男性との刺激を求めていたのかも、と今は思います。
結局、彼とは教室が終わったあとでほかの生徒さんに隠れて食事をするようになり、3カ月後にはホテルに行く関係になりました。それからは夫より彼のことばかり考えるようになり、昼でも夜でも、時間が許す限り会っていました。
普通の会社員である夫と違い、好きなことを仕事にしてアクティブに行動する彼は、私との関係にもエネルギーを向けてくれて、抱かれるたびに『帰したくない』と言ってくれる彼に、私もだんだん本気になっていくのを感じていました。夫と別れて、この人と一緒にいたい。心からそう思ったとき、初めて離婚という言葉が現実味を帯びました。
思い切って彼に話すと、『独身になってくれたらちゃんと付き合えるから嬉しい』と言ってもらえて、あとは夫に打ち明けるだけになりました。そのころは、『教室のお手伝いをしている』という理由で家を空けていましたが、夫は何も気づいていなかったように思います。
いつものように彼と別れ、今日こそ話そうと覚悟を決めて帰宅したとき。『おかえり、お疲れさま。今夜は君の好きなカレーにしたよ』とエプロン姿で出迎えてくれた夫を見て、固まってしまいました。そのとき初めて、『離婚するっていうことは、この人を不幸にするんだ』とはっきり自覚し、思わず涙が出てきました。
どうしたの? と夫は焦っていましたが、何も言えなくて。ほかの男性とセックスしてきた私のために、何も知らずカレーを作ってくれる夫もまた、私にとってかけがえのない時間を一緒に過ごしてくれた人。夫は何も悪くない。確かにセックスレスが不満だけど、そんなことまだどうにでもなるかもしれない。そんなことを考え、離婚を切り出す気持ちが失せてしまいました。
それから、彼と会うのも何だか楽しみを感じなくなってしまい、あれほど情熱的だったセックスを思い出しても一向にその気になれず。結局、そのまま料理教室も辞めてしまい、彼とは音信不通になりました。今でも夫と暮らしていますが、あのとき早まったことをしなくて本当に良かったと思います。
彼への気持ちは何だったのか、好きなことは決して嘘ではなかったけど、夫を不幸にしてまで離婚する意味がわからなくなったことが、答えだと思います」(33歳/専業主婦)
独身の彼は私よりふたつ年上で彼女はおらず、『仕事が忙しくて出会いがなく……』と笑う素朴な姿になぜかドキドキしてしまい、それから彼のことが気になり始めました。教室のある日が楽しみで、またおしゃべりしたいな、と思っていると彼のほうから声をかけてもらえるようになり、とても嬉しかったのを覚えています。
結婚して3年になる夫とは特に仲が良いわけでも悪いわけでもなく、子どもがいない気楽な暮らしでしたが、不満だったのはここ1年ほどセックスするのが月に2回程度になっていたこと。欲求不満は自覚していたけど、どこかで夫以外の男性との刺激を求めていたのかも、と今は思います。
結局、彼とは教室が終わったあとでほかの生徒さんに隠れて食事をするようになり、3カ月後にはホテルに行く関係になりました。それからは夫より彼のことばかり考えるようになり、昼でも夜でも、時間が許す限り会っていました。
普通の会社員である夫と違い、好きなことを仕事にしてアクティブに行動する彼は、私との関係にもエネルギーを向けてくれて、抱かれるたびに『帰したくない』と言ってくれる彼に、私もだんだん本気になっていくのを感じていました。夫と別れて、この人と一緒にいたい。心からそう思ったとき、初めて離婚という言葉が現実味を帯びました。
思い切って彼に話すと、『独身になってくれたらちゃんと付き合えるから嬉しい』と言ってもらえて、あとは夫に打ち明けるだけになりました。そのころは、『教室のお手伝いをしている』という理由で家を空けていましたが、夫は何も気づいていなかったように思います。
いつものように彼と別れ、今日こそ話そうと覚悟を決めて帰宅したとき。『おかえり、お疲れさま。今夜は君の好きなカレーにしたよ』とエプロン姿で出迎えてくれた夫を見て、固まってしまいました。そのとき初めて、『離婚するっていうことは、この人を不幸にするんだ』とはっきり自覚し、思わず涙が出てきました。
どうしたの? と夫は焦っていましたが、何も言えなくて。ほかの男性とセックスしてきた私のために、何も知らずカレーを作ってくれる夫もまた、私にとってかけがえのない時間を一緒に過ごしてくれた人。夫は何も悪くない。確かにセックスレスが不満だけど、そんなことまだどうにでもなるかもしれない。そんなことを考え、離婚を切り出す気持ちが失せてしまいました。
それから、彼と会うのも何だか楽しみを感じなくなってしまい、あれほど情熱的だったセックスを思い出しても一向にその気になれず。結局、そのまま料理教室も辞めてしまい、彼とは音信不通になりました。今でも夫と暮らしていますが、あのとき早まったことをしなくて本当に良かったと思います。
彼への気持ちは何だったのか、好きなことは決して嘘ではなかったけど、夫を不幸にしてまで離婚する意味がわからなくなったことが、答えだと思います」(33歳/専業主婦)
離婚を後悔する典型的なパターンの一つに、「バレてから配偶者の良さがわかる」というものがあります。不倫が知られていざ相手への情熱が冷めてみると、ほんのひとときの関係だった人より、何年も一緒に生活をともにしてきた配偶者のほうが本当はずっと大切な存在だった。
それに気がついたけど、バレてしまえば配偶者からの愛情も信頼も失い、離婚を切り出され、残されたのは孤独と慰謝料の支払いだけ。不倫相手との今後なんてもちろん考えられません。こうなってから不倫を悔やんでも、元に戻ることなんて不可能です。
そうなる前に自分の過ちに気がつくことができた彼女は、夫に救われました。あのまま自分から離婚をお願いし、晴れて独身になって彼と堂々と付き合えるようになっても、果たして彼女は幸せになれたでしょうか。きっと、何の落ち度もない夫を苦しめてまで離婚したことを、いつまでも引きずったのではないかと思います。