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夫のことが好き? 当たり前である

結婚は恋のゴールではあるかもしれないけれど、新たなスタートでもある。しかし、ただ一緒に過ごしているだけでは、夫婦関係というのは続かない。苦なく関係を続けていくにはどうすればいいのか考えてみた。

夫のことが好き? 当たり前である

ときどき、「なんだかんだ言って旦那さんのこと好きだよねぇ」と言われる。

私はなんと答えていいかわからず、曖昧な笑みを浮かべる。

「旦那さんを好き、かあ」と自問自答し、違和感を噛みしめる。

たしかに、嫌いじゃないんだけど、そう言われて「うん、そうなんだよね」と頷くのも何か違うのだ。そもそも、夫を好きってなんだろう。

片想いをしているわけではもちろんないし、恋人を好きというのも違う。だからと言って、家族を好き、というのも違う(私自身、自分の育った家庭・家族のことを好きだと思ったことがないので想像しがたい、というのもあるが)。

じゃあ、配偶者に対する気持ちって一体なんなんだろう。

■配偶者のことが好き? 当たり前である

女性同士の会話の中で夫の話題が出るのは、ごく自然なことだと思っている。

一緒に暮らしているし、一番よく話をする相手だ。子どもがいればまた違うのだろうけれど、夫婦ふたりで過ごしていたら、生活の多くの部分を共有することになる。

しかし、夫婦と言えど他人。育ってきた環境も違うので、不満だってある。嫌だと思う部分もある。それ以上に一緒に過ごして満足できる部分、好ましいと思うところもあるのだ。だからこそ、一緒に暮らしている。

離婚は気力・体力共に使うけれど、無理してずっと過ごす必要はない。

だから、「旦那さんのこと好きなんだね」というセリフは陳腐で、非常に馬鹿馬鹿しいものだと私は思っている。その人を過ごすことを結婚するときにちゃんと選択しているのだから。

■それなりに自分の人生を預け合う覚悟はしている

人生はなにが起こるかわからない。

けれど、結婚した相手とは、とりあえず死ぬまで一緒にいる予定だ。そう考えると、先は長いのだから、がんばる必要も、無理をする必要もない。苦しくなったら、ひとりになって息抜きをすればいい。

ただ、がんばる必要はないけど最低限のルールとして、相手に心配をかけない、プレッシャーを与えすぎない、ということは大切にしたい。

新婚だというと、「いいわねぇ、今が一番幸せね」と言う人がいるが、本当にそうなんだろうか。昔のことは知らないが、最近はそんな話はあまり聞いたことがない(あくまで私の周りでは、という話だが)。

むしろ結婚したばかりのころなんて、「相手の知らない一面がこんなにもたくさんあったのか」とびっくりすることばかり。

だから、「今日はいい日だった、明日もきっといい日になるんだろうなあ」なんてしみじみと思うことはない。「今日はいい日だったけど、明日は最高に嫌な日になるかもしれない」と思う。

夫婦という関係は、一緒に過ごしている時間が長くなるにつれて、少しずつ改善されていくような気がする。

相手に慣れたというより、相手のことを知り、自分をアップデートしていくことができる。自分だけではなく、きっと配偶者もそう。

たとえば、「○○をして怒らせたんだから、次回は気をつけよう」という些細なものも、立派なアップデートだ。日々、その積み重ねで互いに過ごしやすい環境を作るようになっていっている。

たしかに、結婚してしばらくすると、強烈な「好き」という感情は薄れていく。

パートナーに対して「無関心」になるのか、それとも、自分にとって「好ましい」存在になるのか。

誰かにとって「好ましい」存在としてあり続けることはなかなか難しいものだ。媚びることもそう長くは続けられない。自然な形で好ましく思い思われる関係を続けるには、相手のことを知り、互いに納得できる解決方法を無言のままに見つけていく。一度、人生を預けることになってしまった相手なのだ。

相手のために自分を変えるなんて、と抵抗感を持つ人もいるかもしれないが、柔軟な心を持つことで、ぐっと過ごしやすいものになっていくのではないだろうか。

ふくだ りょうこ

シナリオライター。1982生まれ、大阪府出身。大学卒業後、2006年よりライターとして活動を始める。現在は胃が虚弱な痩せ型男性と暮らしながらラブストーリーについて考える日々。焼き鳥とハイボールと小説、好きなアイドルのライブに...

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