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フリーランスになる前に知っておきたいお金のお話<育児との両立編>

フリーランスという自由な働き方が気になる方もいるのでは? そんな方に知ってほしい「お金の話」シリーズ。フリーランス歴13年目で、ファイナンシャルプランナーである筆者が、今回は「フリーランスが育児と両立させるためのお金まわり」についてお伝えします。

フリーランスになる前に知っておきたいお金のお話<育児との両立編>

「育児にはお金がかかる」というイメージがあると思います。さらに、会社員ではなく「フリーランス」なら、費用についてなおさら不安になるかもしれません。

筆者は会社員として働いた後にフリーランスになり、フリー歴13年目。フリーランスになって出産した子どもふたりは、現在小学生です。実体験を含め、押さえておきたいポイントについてお伝えします。

フリーランスは、お金の準備と復帰後の計画が重要

前回の記事「フリーランスになる前に知っておきたいお金のお話<出産編>」で、フリーランスには産休・育休時の手当てがない点と、出産後に戻れる場所が確約されていない点をお伝えしました。

それをクリアするには、できれば出産前に収入半年分以上の貯蓄をしておくことと、復帰後の見通しを立てておくことが重要。特に後者は、今後フリーランスとして収入を得られるかどうかの分かれ道になります。

実際に子どもが生まれてみないとわからないこともありますが、出産後、仕事と育児のバランスをどのようにとりたいかを考えた上で、復帰時期や出産後の仕事量の希望について取引先に伝えておくといいと思います。

筆者の場合「出産後、自宅だけでできる仕事なら、様子を見ながら少しずつ受けられると思う。春に保育園に入る予定で復帰を希望している」と伝えました。

仕事と育児のバランスをどのようにしたいかは、本当に人それぞれ。「可能ならできるだけ早く復帰したい。延長保育とベビーシッターを活用して、以前と変わりなくバリバリ働きたい」という人もいます。

「出産後、しばらくは仕事をセーブして育児に比重を置き、徐々に復帰したい」という人や「出産後、しばらく仕事を一切せずに育児に専念したい」という人も。働き方を自由に決められるのも、フリーランスのメリットです。

ただ、取引先は、今後もあなたに仕事を継続してお願いできるかどうかを気にしているはずです。休む期間が数カ月間くらいなら、「その数カ月間だけは他の人にピンチヒッターを頼もう」と考えるでしょう。

一方、1年~数年単位で仕事を休みそうだと思ったら、「依頼先を別の人に完全に変えてしまおう」と考えるかもしれません。

継続的に続けていきたい仕事があればその旨を取引先に伝え、復帰時期も柔軟に考えることが大切です。

フリーランスは会社員よりも保育園に入りにくい?

“待機児童”という言葉を耳にする機会は多いと思いますが、ニーズに対して保育園の空きが足りていない地域があります。筆者の住んでいる地域もまさにそうだと妊娠中に知り、さらに「フリーランスは、会社員に比べて保育園に入りにくい」という話を聞いて、慌てて保育園について調べ始めました。

保育園は、認可保育園と認可外保育園があります。認可保育園とは、国が定めた認可基準(施設の広さや職員数等)を満たし、都道府県知事に認可された保育園のこと。国や自治体から運営費の補助があるため、保育料が比較的安めです(保育料は保護者が納めている税金によっても異なります)。

申し込み先は自治体で、保護者の勤務状況や家庭状況などにより入園者が決まります。一般的に兄弟姉妹が通っている人が優先されるため、第一子は厳しいことも。

また、会社員とフリーランス(自営業)を比べると、一般的に会社員の方が優先されます(基準は自治体により異なるので、住んでいる自治体のサイト等でぜひ調べてみてください)。

一方、認可外保育園は認可保育園以外の保育園のことで、基本的に園が保育料を決めるので保育料が高くなることも(自治体などから補助がある場合もあります)。申し込みは保育園に直接行い、先着順(予約順)というケースが多いです。

筆者が見学に行った認可外保育園では、(そのときは妊娠中で、子どもはまだ産まれていないのですが)「来春の入園は、すでに〇人待ちですよ」と聞いて、真っ青になりました(ただ、全員が入園希望というわけではなく、認可保育園と併願の方も多いと思います)。

筆者は、結果としてはありがたいことに、希望した時期に第一子が保育園(認可保育園)に入ることができました。同じ時期にその園に入りたい人が何人いるかによって倍率が変わるので、倍率が比較的低い0歳児クラスで入園したのも功を奏したと思います。

できれば出産前に、近隣の保育園事情をしっかり調べておくことをおすすめします。

フリーランスはゆっくり復帰も可能! ただし、注意点も

会社員と違って、育児で休む期間に制限があるわけではないので、しばらくは育児に専念したり、育児の時間をたくさん取ったりと、いくつか選択肢があるのもフリーランスならでは。

子どもを0歳や1歳から保育園に通わせるのではなく、子どもが3歳くらいになってから幼稚園+延長保育にするという人もいます。

ただし職種にもよりますが、仕事のブランクが空きすぎると取引先とのつながりが切れてしまい、新しい取引先を探さなければならないケースも。焦るあまり、「とにかく収入につなげよう」と手当たり次第に仕事を受け、得意分野のスキルが積み上がらず、キャリアアップに悩んでしまう可能性もあります。

会社員なら上司に今後のキャリアについて相談できますが、フリーランスは独り身なので、自分次第。長期的な視点でキャリアを考え、どのように動くかを決めていきたいですね。

妊娠中からお金のこと、出産後のことを計画的に考えておく

フリーランスは基本的に自由に仕事を組み立てられるので、子どもの体調不良時には、夜中や早朝に仕事をしてカバーすることもできます(もちろん外出の仕事があれば、病児保育サービスや祖父母のヘルプ等、準備が必要になります)。

また、子どもの用事や、保育園や小学校の保育参加・授業参観など、平日日中に行われるイベントに参加しやすいのもメリット。筆者はママ友達のお子さんをまとめて習い事に連れていったり、残業で帰宅が遅れると連絡をもらい、保育園にお迎えに行ってお子さんを預かったりということも。

逆に、夕方に取材などが入った場合に、ママ友達に子どもを預かっていただくこともあります。フリーランスには同僚がいませんし、近所に助け合えるママ友達がいると本当に心強いです。

フリーランスが育児と仕事を両立するには、育児と仕事のバランスを考えることと、今後のキャリアを考えること、そして近隣の保育園事情をリサーチすることがカギになると思います。

いずれも、出産後ではなく、妊娠中に進めておくことが重要。フリーランスで出産経験のある方(できれば同じ職種)がいたら、体験談を聞いてみるのもおすすめです。

次回は、今から始める「フリーランスの老後費用の準備」についてお伝えします!

西山 美紀

ライター・コラムニスト・ファイナンシャルプランナー。出版社勤務後、2005年にライターとして独立。ファイナンシャルプランナーの資格を取得。女性誌やビジネス誌で女性の生き方などをテーマに取材執筆を行うほか、貯まる人・貯まらない...

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