クラウド(群集)に負けない!
クラウドソーシングに負けない働き方とは?
最近、あるサイトの立ち上げのお手伝いをしていて、お金に関する大量の原稿を用意しなくてはならなくなりました。で、執筆者を探すにあたり、当初はファイナンシャル・プランナー(FP)やプロのライターさんにお願いする予定だったのが、クライアントの予算が厳しいと判明。そこで、比較的簡単な節約系の記事は「クラウドソーシング」を活用することになりました。
クラウドソーシングとは、インターネットを通じて不特定多数の人(クラウド)に業務の発注をしたり受注者の募集を行うこと(ソーシング)。企業などがクラウドソーシングサービスのサイトに業務の内容やスキルレベル、条件などを告知し、希望者が応募する方式が一般的です。
執筆の場合、文字数や分野などにもよりますが、プロに頼めば1本1万円~3万円くらいかかる原稿料が、クラウドソーシングなら3000円程度~で、短期間にたくさん集めることができるといいます。競争原理が働くため、安いからといって必ずしもクオリティが悪いわけではないそうです。今回の場合であれば、独自の工夫で節約を実践している主婦やOLさんのほうが、フレッシュな感覚の面白い記事を書いてくれるのかもしれませんね。
しかし、私たちFPや職業ライターにとっては死活問題。いえ、フリーや中小企業だけでなく、大企業の会社員であっても安穏としてはいられません。今や大企業のプロジェクトでもクラウドソーシングで参加メンバーを集める時代。外部の人との競争にさらされることになるわけです。
また、今は言葉の壁で国内に限られている募集も、将来翻訳技術が発達すれば、世界中から募ることにも。そうなれば、よほど高いスキルや専門性をもたない限り、安い賃金でも賢明に働く海外の人材との競争となり、報酬は下がっていくことになるでしょう。日本の働き手は、年収1500万円や2000万円といった一握りの人たち(外国人の場合も)と、200~300万円で働き続ける人たちに二極化すると予測するコンサルタントもいます。
一方で、スキルさえあれば、地方や在宅でも不利になることなく、やりがいあるプロジェクトに参画できる可能性も増えてきます。副業としてお小遣いを稼いだり、本業はそのままに自分の力を試したりもできるでしょう。
不安に感じているだけでは仕方ありません。社会が変化するのであれば、それを踏まえて上手に乗り越える力をつけるまでです。
こうした状況を反映してかどうかはわかりませんが、自己投資をした場合に国からお金がもらえる「教育訓練給付制度」が昨秋から拡充されています。
従来の「一般教育訓練給付」に加え、新たに中長期的なキャリア形成を支援するため、最大で受講費用の60%を給付する「専門実践教育訓練給付」がスタート。また、45歳未満の離職者には、受講中の生活を支援する「教育訓練支援給付金」も創設されています。
一定期間以上雇用保険に加入している(または、加入していた)人が対象ですが、調べてみてはいかがでしょう。