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フリーランスになる前に知っておきたいお金のお話<出産編>

フリーランスという自由な働き方が気になる方もいるのでは? そんな方に知ってほしい「お金の話」シリーズ。フリーランス歴13年目で、ファイナンシャルプランナーである筆者が、フリーランスの収入に続き、「フリーランスの出産まわりの費用」について解説します。

フリーランスになる前に知っておきたいお金のお話<出産編>

フリーランスになる前に知っておきたいお金のお話<収入編>

筆者は会社員として働いた後にフリーランスになり、フリー歴は13年目。小学生の子どもが2人います。

子ども2人とも、フリーランスになってから出産しました。出産や育児まわりのお金は、会社員とフリーランスとでは、だいぶ違うと感じます。実体験を交え、押さえておきたいポイントについてお伝えします。

フリーランスには、産休・育休時の手当てがない

会社員の場合、産休中や育休中に手当があります。フルで働いていたときと同じ金額ではありませんが、ざっくり言うと

・産休中は給料の約67%の出産手当金(健康保険から)
・育休中は最初の半年が給料の約67%、以降最長1年間が給料の約50%の育児休業給付金(雇用保険から)

をもらえます。会社によっては、数万円ほどの出産お祝い金が出るケースもあります。

ところがフリーランスには、これらの手当がありません。仕事をしないと(フリーランスなので当たり前ではありますが)一気に無収入になるのです。無収入の状態であっても、基本的には国民年金保険料や健康保険料などの支払いがあります。

それらを踏まえて、フリーランスになるなら、出産・育児前にある程度の貯蓄をしておくことをおすすめします。仕事をしない期間にもよりますが、目安として収入の半年分以上を貯めておきたいところです。

出産育児一時金(42万円)は、誰でももらえる

ただし、フリーランスや会社員など雇用形態に関係なく、もらえるお金もあります。それが「出産育児一時金」です。

健康保険に入っている人なら、子ども1人の出産につき42万円がもらえます。出産の際の支払い費用は平均約48万6000円(厚生労働省平成24年度データより)。

出産費用に関しては、フリーランスだからといって特別に準備する必要はないでしょう(ただし、病院によって出産費用が大きく異なることに注意。同時期に出産した筆者のマタニティ友達で100万円をゆうに超える方もいました)。

また、一般的に十数回ある妊婦健診。自治体によって異なるものの補助が出て、1回あたりの支払いは数千円程度(ただし、精密検査などをした場合は、大きなお金がかかる場合もあります)。これも会社員とフリーランスとで差はありません。

つまり、フリーランスは“妊娠・出産関係のお金”は大丈夫。ですが、“産前産後と育休中の生活費”は準備が必要だと覚えておきましょう。

なるべく早く仕事復帰をするのも1つの手

フリーランスは産休・育休もありませんし、出産後なるべく早めに仕事復帰をするのも、1つの選択肢だと思います。

フリーランスは、“キャリアを長期に渡って途切れさせないこと”も、意識する必要があります。会社員には戻る場所がありますが、フリーランスは戻る場所が確約されていないからです。

私自身は、生後3カ月目頃から子どもを保育園に預け、仕事に復帰しました。周りに私と似たようなケースのママがいなかったこともあり、「こんなに子どもが小さいのに、離れていいのだろうか」「もっと子どもと触れ合う時間を持った方がよいのではないか」「母親としてこの選択肢はアリなのだろうか」などの葛藤があり、心が痛んだことも。

ただ、保育園に比較的入りやすいのが0歳児クラス(生まれてから、最初に迎える4月で入るタイミング)で、仕事のブランクが1年以上などと長期間空くのは怖かったこと、取引先から「そろそろ仕事を依頼しても大丈夫ですか?」とありがたいことにオファーをいただくことが増えたことなどから、早めの復帰を決めました。

仕事も子どもとの時間も、保育園に入れることも……などと何もかも得ることはできませんから、どこに均衡点を持ってくるかを出産前に夫婦で話し合っておくことをおすすめします(さまざまな葛藤はありましたが、子どもが2人とも元気な小学生になり、「あの時期に復帰してよかった」と今は感じています)。

フリーランス=子どもを預けなくても家で仕事ができる、とは限らない

よく、「フリーランスなら、子どもを保育園に預けなくても、3歳くらいまでは家で仕事ができていいね」と思われるのですが……大きな誤解だと感じています。というのも、それは子どものタイプに大きく左右されるから。

あるフリーランスの方は、子どもが昼も夜もぐっすり寝るタイプで、「保育園に預けなくても、昼寝中や夜に仕事がじっくりできた」と言っていましたが、かなりレアケースかもしれません。

誰かが添い寝や抱っこか、トントンと叩いてあげないと泣き出してしまう子も多く(我が家もそうでした)、子どもを自分1人で見ながら家で仕事をすることは難しいと感じました。

子どもがどんなタイプかは生まれてみないとわからないので、「預ける必要性があるかも」と意識しておくといいでしょう。

次回は、フリーランスの保育園事情、子育て事情についてお伝えします!

西山 美紀

ライター・コラムニスト・ファイナンシャルプランナー。出版社勤務後、2005年にライターとして独立。ファイナンシャルプランナーの資格を取得。女性誌やビジネス誌で女性の生き方などをテーマに取材執筆を行うほか、貯まる人・貯まらない...

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