独身女性が知っておきたい、老後資金の必要額は?
私が出会った高齢の独身女性は、老人ホームでゆったりと暮らしていたり、親から譲り受けた家をリフォームして自分の理想の“城”に整えたり、海外に長期滞在したりと、人生を楽しむのが上手な人たちでした。そんな素敵な老後を過ごせるように、独身として生きる場合の老後資金について確認していきましょう。
■独身女性の老後資金、必要額は?
「このまま年を重ねていくと、老後のお金はどうなるのかな」と、不安になることはありませんか。その不安の原因は「老後資金をどれくらい準備すればいいのか」が、わからないから。
とくに、独身女性は人生のライフプランが定まらず、老後資金の計画が立てづらいと感じて、それが不安の原因となってしまうことも……。
まずは、老後を想像する手段として、高齢単身世帯の収入と支出をもとに、一般的にどのくらい老後資金が必要かを見ていきましょう。
総務省の家計調査によると単身高齢者1ヶ月の支出金額の平均は約15万円です。一方、収入は約11万円。毎月4万円を貯金から切り崩していることになります。
たとえば、60歳から64歳までは年金収入はなく、65歳から87歳まで年金を受け取りながら生活するとします。このケースでは、準備しておきたい老後資金は約1956万円。
老後資金として準備しておきたい金額の目安は2000万円です。ゆとりある生活を目指すなら、そのぶんのお金も必要になります。“女性は長生きする可能性が高い”ことも視野に入れて、必要なお金を考えてくださいね。
■独身女性の年金受取金額はどれくらい?
まず、皆さんに知っていてもらいたいことは、働き方や収入によって受け取れる年金額が1人ひとり違う、ということです。
自営業の人は、国民年金が基本です。国民年金の満額は約78万円。何らかの理由で納付期間が短い人は、受け取る年金額も少なくなります。
年金ってイマイチよくわからない……と感じる人も多いとは思いますが、老後の収入の土台になる年金制度を理解することは老後資金の準備の第一歩です。
企業などに勤めている人は、給料や勤務年数に応じて、将来受け取れる年金額が異なります。退職金は受け取れるか、いくらくらいありそうかなど、自分の場合はいくら老後に準備が必要なのかをあらかじめ知っておくことが大切です。
パターン別年金受取金額の例
・自営業
国民年金に38年間加入
年金額:約74万円/年額
・会社員の場合
厚生年金に38年間
生涯年収平均約500万円 年金額:約184万円/年額
*厚生年金とは、会社員・公務員が入ることができる年金。
会社員・公務員は国民年金+厚生年金に加入しています。
厚生年金は、働いてきた期間の年収等と働いてきた期間の年数によって年金額が決定します。
(大学生時には年金納付を猶予していたと仮定。年金額は2017年3月の情報に基づき、簡略化して筆者計算。実際に将来に受け取る金額と異なる場合があります)
■独身女性の老後資金、特徴は?
シングルの老後資金を準備するポイントは、どこに住むかによって、準備する老後資金の金額が大きく変わることです。
「いつかは、老人ホームに……」とか、「自分で買ったマンション」「親から譲り受けた自宅」「賃貸」など、いろいろな過ごし方があります。
先ほど平均的な事例として紹介した人の82%は持家です。「老後は賃貸で!」と考えている人は、生活費の目安の金額とは別に、家賃分の貯金も準備しておく必要があります。
また、年齢を重ねたときに、自分の生活や生き方を優先して考えることができるのはシングルならではのメリットですね。
■必要以上に不安を感じないで
老後に向けて貯金の計画をしているなら、必要以上に不安になることはないと思います。私が出会ってきた高齢の独身女性は、若いときから堅実に備えていた人たち。自分の未来を真剣に考えて準備していた皆さんは、老後を謳歌されていました。
DRESS世代は、まだまだ人生が定まりにくい時期。老後の生活費に対して大きな不安を持っている人も少なくないはず。
今はまだ想像がつかない未来だからこそ、いろいろな未来を想像して、いくらくらい必要なのかを考えてみてくださいね。
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