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何だかパワーがみなぎってくる、「責任」のポジティブな捉え方とは

「責任」って何でしょう。日々何気なく向かい合う、責任という言葉。時には重たくシビアにのしかかってくることもあるでしょうし、姿の見えない存在にやきもきさせられることもあるでしょう。だからこそ、今「責任」なるものをポジティブに捉え直してみませんか。

何だかパワーがみなぎってくる、「責任」のポジティブな捉え方とは

■「責任」とは何でしょう?

突き詰めてみるとよくわからない、「責任」の意味。襟を正す感じがしたり、どちらかというと避けたいものだったり……。

ただ、「責めを任せられる」という漢字のせいか、どうもよくない、重たい響きがしてしまうのは否めないところ。

だったら、ここでそのイメージを変えてみましょう。日本語ではなく、英語でとらえてみたら、どうなるか?

英語で責任は「Responsibility(リスポンシビリティ)」。つまり、その根底には、「レスポンス(Response)できる力(Ability)」という意味があるわけです。

「即レス」「遅レス」という言葉が日常的になってきたことからわかるように、Responseとは「お返事」のこと。ひいては応答や反応など、すべての「応じること」を指します。

だから、Responsibilityがあるということは、本来「対応できる力がある」ということなんですね。

■責任とは「対応できる力」のこと

責任とは何かと考えたとき、わたしには、「対応できる力」がある。そう思うと、ちょっぴり勇気がわいてきませんか?

少なくとも「責めを負う立場にある」と考えるより、ずっと気持ちが楽になる。

もしも何かの責任者という立場についたなら、それは「起こることに対して対応できるポジションにある」ということ。そう捉えてみて初めて、見えてくるものもある。

「厄介ごと」のイメージがついてまわると、せっかく責任ある立場についても、やれることも、やれることの意義も薄れてしまいます。それでは、あまりにもったいない。

何かが起きたとしても、わたしには、対応できる力がある。

たとえ今はそうと信じられなくても、「そうなのかも」と思ってみてほしい。生きるということは、日々の選択の積み重ね。どうせなら、自分に元気をくれる考え方を選ぶ方がいいじゃないですか。

日々の小さな積み重ねを、どうか自分を元気がでる方向に変えてください。そのために、ここでもうひと押し、いってみましょう。

■責任には不安がつきものだけど……

わたしには、起きることに対応できる力がある(はず)。ただ――起きることって、何だろう。起きたら、どうなるんだろう。

はい、そこなんです。「責任」の陰には、たいてい「不安」が潜んでいる。

その不安が余計な重さを加えるせいで、人は「責任」という言葉に過敏になりがちです。

責められるのでは? とがめられるのでは?――というループにはまってしまうと、もう大変。

戦うか逃げるか、あるいはすくみあがるか――という反応(Fight-or-Flight-or-Freeze Response)をしてしまいます(そんな経験、ありますよね)。

意外にも、不安によく効く対応は、ただ「向かい合う(Face)」こと。何に向き合うかといえば、まだ起こらぬ未来ではなく、今ある事実を、それ以下でもそれ以上でもなく、ありのままを見てみること。

そうすれば、怖れの雪だるまがふくらむことなく、感じていい範囲に収まります(そうです、不安は感じていいんですよ。いらない感情などありません)。

こうなれば、本来とるべき対応に向かいやすくなるというものです。

怖れの眼鏡を通して見る世界はしんどいけれど、ありがたいことに、気づくだけでこの眼鏡は外せます。自分であえて自分の不安を広げることはありません。

「起こることへの不安」「起きたことへの怖れ」に反応するくらいなら、ちょいと見る目を変えてみるほうがいい。過去と未来は変えられないけど、自分自身と未来は変えられるのだから。

■意識が変われば行動は変わる

もちろん、英語のResponsibilityに「責めを負う立場」という意味がないわけではありません。ひとつ、英英辞典を見ておきましょうか。

Responsibility――「a duty to deal with or take care of somebody/something, so that you may be blamed if something goes wrong(誰かや何かの対処にあたる・面倒を見る務め、よって何かが上手くいかない場合は責めを負うことがある)」。
(『オックスフォード現代英英辞典』(Oxford Advanced Learner's Dictionary)より)

非難の前には、果たすべき務めがある。これも力をくれそうな考え方ですね。

これからは、職場の上司や先輩として、家庭で保護者として、誰かに責任を委ねる立場につくこともあるでしょう。

逆に、責任を問う立場に立つことだってあるかもしれません。そんなときにも、相手の「対応する力」に目を向けると、あなた自身の対応が変わります。

自分を、または相手を責めることばかり、得意になってはいませんか?

小さなことは、意外と大きな変化につながっていくもの。自分にしろ誰かにしろ、問い詰めるのではなく、事態をよりよい方向に向けるために力を使うことができれば、お互いが楽になれます。

そして、もしも何かをやり遂げたなら、盛大に自分をほめて、いたわってあげてくださいね。何といっても、大人には、自分で自分を伸ばす「責任」があるのですから。

島本 薫

もの書き、翻訳家、ときどきカウンセラー、セラピスト。 大切にしている言葉は “I love you, because you are you.” 共感覚・直観像記憶と、立体視不全・一種の難読症を併せ持ち、自分に見えて...

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