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育休中にブログを始めてキャリアと人生が変わった話【小田桐あさぎ 連載 #6】

育休復帰後のキャリアプランが不安……。そんな人は育休期間を活かしてスキルアップにつながる行動を起こしてみてはどうだろうか。小田桐あさぎさんは育休中、ブログを起ち上げて発信したことで、キャリアだけではなく、人生そのものが大きく変わっていった。

育休中にブログを始めてキャリアと人生が変わった話【小田桐あさぎ 連載 #6】

2年前。妊娠8ヶ月目、あと2ヶ月で産休開始という立場にいた私は、猛烈に悩んでいた。育休期間中の過ごし方と、育休から復帰後のキャリアプランについてである。

昔からいろいろと忙しく動き回っているのが好きなタイプで、とにかくじっとしていられない。そんな私が1年間も赤ちゃんと2人っきりで家にいて、家事と育児に専念する生活を送るなんて、とても考えられなかった。

私は家事が嫌いで、家がどんなに散らかっていようがまったく気にならない。そして自分の子供も絶対に手がかからないタイプだと確信していたので、育休期間なんてやることなさすぎて暇だろうとしか思えなかった。

先輩ママに育休中に何をして過ごしていたのか聞いて回っても、赤ちゃんグッズを手編みするとか、子供を毎日児童館や公園に連れて行くとか……。素敵なママだとは思うのだけど、正直私のテンションはまったく上がらなかった(笑)。

数ヶ月ならがんばれるかもしれないが、娘はまさかの4月生まれ。0歳児枠で入園するまで、丸々1年間も一緒にいられてしまうのだ。スカートのほつれすらホッチキスで留めるだけのこの私が、1年間も編み物なんてしていられるわけがない。

■育休明けのキャリアプランに悩んだ日々

もう1つ切実に悩んでいたのは、復帰後のキャリアプランである。私は当時働いていた会社で出世したいと強く望んでおり、それも育休期間を手放しで喜べない理由の1つだった。

育休期間を、ブランクとしか思えなかったのだ。私が働いている建設業界では女性の総合職比率がとても低く(3%しかいない)、大半が結婚や出産を期に退職するか一般職へ転向してしまう。

子どもを育てながら総合職のままでバリバリ働いている女性なんて、数えたわけではないけれどおそらく0.1%もいなかったと思う。両立がとても難しいのだ。

私が勤めていた会社もご多分に漏れず、私が1人目の育休取得者だった。だから、復帰後の働き方なんてまったくの未知数。

時短勤務でも今までと同様の売上を出し続けるために、時間に追われ家庭と仕事の両立に必死になるのは嫌だった。かといって売上を落とし、少し申し訳ないような気持ちで働くのも嫌。

だから、なんとかこの1年間を利用して、通常勤務をしているとき以上のスキルアップができないか? と考えたのだ。たとえば留学するとか。育休がブランクにならず、復帰後はもっと楽に成果を上げられる自分になれるような、そんな方法を模索しようと思った。

理想は数人の子どもを育てながらも、重要なポストに就いていて、でも決して大変そうには見えない海外のワーキングマザーたち。彼女たちがどのようにそれを実現しているのか知りたかった。

きっと、仕事の仕方にも育児を含む家庭の運営法にも、日本の常識では考えられないヒントがたくさん詰まっているに違いない。そして、現在の自分の周りにはいないというだけで、きっとこの日本にもそういう女性は「いるところにはいる」はずだと思った。

そういう情報交換ができるママ友がほしい。そういう女性達は一体どこにいるのだろう?

■復帰後のキャリアが不安なら、育休期間をスキルアップに使うのも1つの手

そこで私が思い至ったのが、育休中にブログの運営を始めることだった。情報交換というからには、私も情報を提供しなければ成り立たない。

自分がいかに良質な情報をできるかどうかが、良質な情報を得られるかにかかっている。

私は当時、海外の育児本はもとより論文まで読んで海外の育児を研究し、日本の育児の常識と世界の育児の常識の違いに目からウロコを落としまくっていた。

海外では子供の夜泣きは滅多にない、ベビーシッター活用はあたりまえなど……これらの情報は日本の女性たちにとって、おおいに参考になるだろうと思った。

それをブログに書くことで、必ず誰かの役に立つし、何よりも「私がそういうことに興味がある」ということを、世の中に広く知ってもらえることになる。そうしたらきっと、新たな情報も入ってくる。

まずは、自分自身が海外のワーキングマザーたちのように、仕事と育児を楽しく両立できるようになろう。そうすれば、私の所属する建設業界の女性たちにも必ず役に立つはず。

これは育休復帰時の素晴らしい手土産になる!そう確信した私は「戦略的ワーキングマザーへの道」というタイトルのブログを開設した(※現在では名称を変更)。

かくして私の育児休暇期間中というのは、来る日も来る日もブログ執筆に明け暮れた、とても充実した1年間となった。ブログがきっかけで私の世界は大きく広がり、たくさんの出会いがあり、起業まですることになった。

育休期間は考えようによっては、普段会社に勤めていればなかなか取れない大型のスキルアップ休暇を取れる機会でもある。

子供といられる貴重な時間でもあるけれど、復帰後のキャリアプランに悩んでいる方は「育休期間を自分のスキルアップに使う」ことについても、考えてみて良いと思う。

小田桐 あさぎ

株式会社アドラブル代表。女性の魅力を覚醒させる講座や各種セミナーの主催、新時代のワーキングマザー像を提唱する執筆・講演活動などに幅広く取り組んでいる。一児の母。趣味は美味しいご飯とお酒と共に、夫や友人と人生について語り合うこ...

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