アラフォーへの「結婚しないの?」は攻撃でしかない。結婚タイミングに自由を
アラフォーともなると「結婚しないの?」と聞かれることも少なくない。でも、結婚するもしないも、本人たちの自由。タイミングだって人それぞれ。ドイツ人のアラフォー女性から勇気づけられたアラフォーの筆者が、結婚する・しない問題、結婚のタイミングを考えます。
「彼と結婚しないの?」
これは、恋人がいる30代以上の女は必ず聞かれる質問。とくに妙齢で愛し合う男女がいれば、必ず、すぐにでも結婚するべきだと、思われがちである。
それにプチ息苦しさを感じる私が、ドイツ人女性の生き方から学んだのは、結婚してもしなくても幸せな人は幸せだ、ということだった。
■結婚しないの?への答えは「私たちは結婚しなくても十分幸せ」
先日、留学時代のドイツ人の友達と久しぶりにチャットをした。彼女はミュンヘンに住む35歳。
恋人と同棲中で、交際期間は9年目。いい年だし交際期間も長いので、ついこの質問をしてしまう。「彼と結婚しないの?」
すると彼女は答えた。「今のとこ予定はないかな。ま、いつかするんでしょう。私たちは結婚していなくても、十分幸せよ」
この考えはとくに珍しいものではないという。ドイツ人の恋愛・結婚観はこうだ。
学生時代から、恋人とは同棲するのがスタンダード。そのまま10年以上籍を入れずに、誠実な交際を続けるカップルも多い。
相手の両親との家族付き合いもちゃんとあり、クリスマスやお正月も家族と過ごす。まるで夫婦同然だ。
結婚するタイミングは、子どもができるなど、よほどの必要に迫られたときしかしないらしい。結婚という社会制度よりも、2人でいることの本質にフォーカスしているのだ。
「日本では、そういう考え方は珍しいよ。私たちの国は、若いカップルは早く結婚するべし、という感じかな」と言う私に対し、「そうなんだ。ドイツは日本よりもゆるいのかもね」と彼女。
■結婚しないアラフォーはおかしい……な、ワケない
日本の女性は、若いうちに結婚するほうがいい、と刷り込まれてきた。言葉は悪いが「売れ残り」(これも長年使われれきた言葉で、よく考えるとひどすぎる)にならないように結婚を急ぐ女は多い。
いい年になっても独身の女は、何か性格に問題があるのではとお節介な詮索をされるし、結婚よりも仕事に勤しむ女は、どこか変わり者というレッテルを貼られる。
さらに、30を過ぎて、長いこと付き合っているカップルこそ、変わった目で見られる。「どうして結婚しないの?」「彼にその気がないんだろう、かわいそうに」「その男、甲斐性ないよね」とか。
挙句の果てには「彼、実は奥さんがいるんじゃないの?」である。失笑。
私の場合、恋人はいるが、何が何でも今すぐ結婚! とは思わない。正直なところ、してもしなくてもどっちでもいい、という感じだ。
これは強がりでも、格好つけでもなく、2人の時間が充実すればいいという考えにもとづいている。もちろん、一生結婚しないなんて片意地を張るつもりもない。なんなら今結婚してもいい。要するに、こだわりがないのである。
しかしながら、この考え方は特殊らしく、なかなか理解を得られない。母には悲しい顔をされるし、友人には意味がわからないと言われる。これはちょっと寂しくもある。
そんなとき、ドイツの友人の言葉には勇気づけられた。パートナーとは一緒に楽しい時間を共有できればいい。
それこそ子どもを授かったときが、私にとって心地良い結婚のタイミングなのかもしれない。人それぞれ、というかパートナーの数だけ、ベストな結婚タイミングは違うのだから。
■アラフォーの「結婚しなきゃ」からの解放
恋人のいるアラフォー女性で、私のような息苦しい思いをしている人は他にいないだろうか。人生に結婚がついて回り、周りの友人も母親のようにプレッシャーをかけてくる。
確かに、結婚は素晴らしいものだと思う。幸せそうな既婚の友人も多い。しかし、しばらく独身のままの恋人生活を楽しんでみるのも悪くない。
時間やお金の制約もなく、その余裕がパートナーシップに良い影響を与える。カップルには、カップルそれぞれの選択があっていい。
先輩から教えてもらった言葉に「結婚しても人生は変わらない。幸せになれるとも限らない」がある。普段から「不幸グセ」があり、愚痴の多い人は、結婚しても愚痴を言う。不幸グセは変わらない。
一方、独身のうちから「幸せグセ」がある人は、結婚しても幸せな生活を楽しめるようになる。そう考えると、人間の幸不幸を決めるのは、結婚ではない。自分自身にかかっているのだ。
幸せグセを手に入れるには、他人と比べずに、自分の選択に納得しながら生活すること。これに気がついたときから、私の結婚への執着はすっと消えていった。