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「3年計画」を立てて生きると、人生の悩みは少なくなる

3年計画(3カ年計画)を立てると、自分の現在の立ち位置が明確になります。安藤 美冬(あんどう みふゆ)さんの連載第7弾は「人生計画」の作り方。今自分がどの位置にいて、どこの目標に向かってすすんでいるのか? 今回は、3年サイクルで人生設計を考えるコツと、その方法についてお話しいただきました。

「3年計画」を立てて生きると、人生の悩みは少なくなる

先日、何かの雑誌だったか、ふと目についた言葉がありました。

「悩む人とは、計画性に欠けている人だ」

計画を立てていないから、目の前のことに悩んでしまう。とてもシンプルな言葉ながら、強く印象に残ったことなので、今日は自分自身が実践している「人生計画」についてシェアしてみようと思います。

■3年計画で人生を考える

かくいう私も、本来は計画性に乏しく、色々なことにくよくよと悩みがちな性格です。今、自分が何のために努力をして、何に向かっているのかが見えないために、不安がいっぱいだった20代を過ごしてきました。だからこそ、意識的に「人生計画」を立てて、その計画に沿って行動することによって、元々の弱点をカバーするようにしています。

9月から、多摩大学で非常勤講師の仕事が始まるのですが、この仕事は私の「人生計画」において最もウェイトの高い目標のひとつでした。

父親も妹も教師であることもあって、かねてから未来ある若い人たちに学びの場を提供することに強い関心があったからです。

大学から非常勤講師としてのオファーを正式にいただいたのは、今年の春のことです。既に2011年には、両親や親しい友達に対して「2013年内には大学で講義を持ちたい」と話していましたので、実現するまでに足掛け3年かかった計算になります。

2013年、と実現させる期日を設定したのには理由があります。

1年毎に「種まき期」「水やり期」「収穫期」と区分けして、3年間をひとつのサイクルとして設定し、行動計画を立てて実行する。これが私が実践している、3年計画で人生を考えるスタイルであり、名付けて「3年サイクル」です。

この「3年サイクル」を意識して実行するようになってから、あまりブレることなく仕事に向かえるようになったと思います。

3年間かけて実現したいことをまず決めます。そして1年目には、人に会ったり、情報を集めたり、勉強したりしながら、「種」を撒いていきます。

2年目になると、これらの「種」に変化が出てきます。発芽するものもあれば、種のまま土の中で死んでしまうものもある。そうした「個々の種の様子」を見極めながら、発芽したものに対してはひたすら水をやっていく——つまり、時間やお金を投下したり、小さな挑戦を仕掛けてみたり——これが、「水やり期」です。

そして「3年サイクル」の仕上げとなる3年目の「収穫期」では、継続して水をやったことで実らせた果実を、いよいよ収穫する時期。

実った果実を存分に味わう時期でもありますが、同時に計画に対する結果を精査し、次の新しい3年サイクルに向けて再始動するための準備期間でもあります。

3ヵ年計画

■3年計画を立てると、現在の立ち位置が明確になる

繰り返しになりますが、この「種まき期→水やり期→収穫期」という流れが、「3年サイクル」という3年計画で人生を考えるスタイルなのです。

これを、「大学で講義をする」という目標で当てはめてみますと、以下のような感じです。

・「3年サイクル」の目標:非常勤講師として、大学生に講義をする

・2011年「種まき期」:非常勤講師を勤める知人に話を聞く、非常勤講師になるためのルートを調べる、専門領域を決める(その後分野を「ソーシャルメディア発信」に決める)など

・2012年「水やり期」:『自分をつくる学校』を設立し社会人向けのソーシャルメディア発信講義を始める、各地の大学にて単発の講義をしながらコネクションをつくる(立教大学、神奈川大学、慶應義塾大学など)、(論文代わりとしても有効な)著書を出版する、大学生と交流を深める など

・2013年「収穫期」:『自分をつくる学校』で得た経験をブログなどで発信する、「大学の非常勤講師をやりたい」と大学関係者に伝える など
 

冒頭に紹介した言葉の通り、人やその場の状況に流されてばかりいると、自分が果たしてどこに向かっているのかを見失い、悩みは深くなる一方です。

でも「計画性」があれば、自分が何のために、どこに向かうために現在の一歩を踏み出しているのかが明確であるため、足下がおぼつくことはありません。

1年毎に「種をまく1年」「収穫する1年」などと区分をすれば、1年毎にステージが変わっていきます。けれども、こうした計画を持たなければ、どうしても日々の些事に忙殺され、毎年同じ1年の繰り返しになりがちではないでしょうか。

■3年計画で、3年ごとに新しい人生を

2011年1月からフリーランスとして活動をはじめ、年内でまる3年になります。

「収穫期」の今年には、以前から暖めていたアイデアが商品として世にでる機会にも恵まれました。例えば、DRESS CLOSETより販売した「Project BAG for DRESS スクエアトート」。これは、編集長、副編集長、そして読者代表の皆さんと一緒に、創刊号から5カ月間に渡って意見を出し合いながら完成した理想のお仕事カバンです。また「脱・クリアファイル」がコンセプトの「ワークフォリオ」は、初回分・追加分が完売して、大きな反響をいただきました。

独立してからというもの、多種多様な仕事にチャレンジしてきました。そして「3年サイクル」の終わりが近づいてきた今、次の新しいサイクルを前に、今後の人生計画を考えているところです。思いきって現状あるものを壊し、新しいワーク&ライフスタイルに挑戦したいものです。

このように、「3年毎」に新しい人生を生きられるようになるのも、「3年サイクル」という人生計画がもたらしてくれる果実なのかもしれません。

ホテルで仕事をしてみよう

https://p-dress.jp/articles/321

たまには、ホテルを仕事場に。缶詰状態になれば、集中力も高まる? 安藤 美冬(あんどう みふゆ)さんの連載第8弾は「ホテルで仕事をする」がテーマ。ホテルで仕事をする際に、チェックするポイントを聞いてみました。たまっていた資料を読み込むのもよし、今後の計画をじっくりと練るのもよし。

※この記事は2013年8月に公開されたものです。
※記事中の数字や情報は公開当時のものです。

安藤 美冬

フリーランサー、コラムニスト。1980年生まれ、東京育ち。(株)集英社で広告と書籍の宣伝業務を経て独立。組織に属さないフリーランスとして、ソーシャルメディアでの発信を駆使した肩書や専門領域にとらわ れない独自のワーク&ライフ...

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