ホテルで仕事をしてみよう
たまには、ホテルを仕事場に。缶詰状態になれば、集中力も高まる? 安藤 美冬(あんどう みふゆ)さんの連載第8弾は「ホテルで仕事をする」がテーマ。仕事をする際の、ホテルを選ぶポイントや条件を聞いてみました。たまっていた資料を読み込むのもよし、今後の計画をじっくりと練るのもよし。
最近、本の執筆のために”ホテルごもり”をしています。
出版社に勤務していた頃は、編集者から「山の上ホテル」に缶詰状態となって原稿を書く小説家の様子を聞いたりして、ちょっとカッコいいなあと憧れたものです(笑)。
実際にやってみると、原稿執筆のためのモチベーションや集中力を長時間保つには色々と苦労しているものの、”ホテルごもり”が仕事にもたらす効用については実感しています。
そういう訳で、今回は「ホテルで仕事をする」というテーマで書いてみようと思います。
■ホテルごもりが仕事にもたらす効果
会社のデスクで、自宅の書斎で、お気に入りのカフェで、移動中の電車の中で、メールチェックや企画書作成、資料の読み込み。あらゆるツールのおかげで、今や、”地球まるごと仕事場”と言っても過言ではないくらい、あちこちで様々な作業ができるようになりました。
私自身も、表参道にあるシェアオフィス、渋谷区にある自宅を筆頭に、あちこちを移動しながら仕事をしているのですが、時々それでも、どうしてもはかどらない仕事が生まれてしまいます。
コラムや本の執筆、長文の文章校正、大学のシラバスや講義資料作成などがそれ。エイやっ!と気合いを入れれば済む話なのでしょうが、日々の仕事に忙殺され、次第にやらねばならないタスクがたまっていくと、それに反比例するかのように気持ちは現実逃避に向かってしまう……。
みなさんはこんな経験、ありませんか?
そこで冒頭の、”ホテルごもり”の実践です。いつもと違う場所、いつもと違う環境の中に身を投じてみると、「お金を払った」というプレッシャーも相まって仕事がとにかくはかどるのです。
何かを飲みたくなったらルームサービスを頼めばいいし、オフィスやカフェで仕事をするのとは違って誰にも気兼ねなく(パジャマ姿でも!)パソコンに向かえますし、集中力やモチベーションが切れそうになったら、ホテル内や周囲を散歩するだけでリフレッシュできます。
ゆったりとお風呂に浸かりながら、読書をしてみたり、キャリアの今後をじっくりと練ってみるのもよし。一度体験してみるとその効果を実感して、最近ではちょっとした旅行気分を満たすのも兼ねて、ふた月に1回程度は実践するようになりました。
ここで、早速実行してみよう!という方のために、ホテルを選ぶ際のポイントについて書いてみます。
■”働くための”ホテルを選ぶ際の3つのポイント
①こだわりを満たしている
「夜景がキレイ」「朝食が美味しい」「バスルームが広い」「お気に入りのアメニティがある」など、”好き”ポイントの高いホテルを選びます。
ちょっと奮発して、一定の時間帯にはコーヒーや紅茶、軽食やおつまみなどが好きなだけいただける「クラブフロア」のあるホテルを選ぶのもおすすめです。
②価格は”やや高め”
宿泊費は、ホテル選びの際の大きなポイントです。
私は一泊2万円前後(シングル)の価格帯を利用していますが、ここの選び方は人それぞれ。みなさんにとって”やや高め”と感じるランクのホテルを選んでください。
例えば一泊1万円前後とリーズナブルな価格だと、気持ちがだらけてしまうかも。私の知人は、敢えて一泊5万円前後の高級ホテルを選ぶとか!
そうすると、支払ったお金がもったいなくて、否が応でも集中して仕事を片づけるからだそうです。
③仕事をする環境が整っている
Wi-Fiが完備されているか、部屋に広めのデスクがあるか、万が一に備えて備品(携帯の充電器など)が買えるコンビニが近いかどうかなど、仕事がはかどる環境かどうかも事前にチェックすべきポイントです。
また、仕事場の広さにこだわる人は、シングルルームだと若干窮屈かもしれません。その場合は、少し料金を払ってでも、ツインルームやデラックスルームなどを選択するのが無難です。
■ホテルで仕事をしてみよう
いかがでしょうか?
日々の仕事をこなすだけではなく、「積ん読本」を持ち込んで読書に励むのもよし、たまっていた資料を読み込むのもよし、今後の計画をじっくりと練るのもよし。
仕事帰りの平日夜に、あるいは予定のない休日に、ちょっと奮発してホテルで仕事をしてみませんか?