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若い自分をコピーするのではなく、歳を重ねた自分を生きるのです

歳を重ね、メイクに対する向き合い方が変わったと話す小池一子さん。かつてデパートの化粧品売り場に憧れ、化粧箱をコスメでいっぱいにしていた小池さんが、“還暦”を過ぎてたどり着いた境地とは?

若い自分をコピーするのではなく、歳を重ねた自分を生きるのです

■還暦を過ぎて、メイクに対する情熱が……

私は今、還暦を越えています。メイクに対する姿勢は歳を重ねるにつれ、ミニマム化。自分に似合うメイクが固定化しているので、とてもシンプルです。

若いころ、デパートの化粧品売り場は、夢のような場所でした。いろいろな化粧品を試し、流行りのメイクを試し、化粧箱はたくさんのメイク用品で埋まっていました。

メイクに対する情熱がなくなったわけではありません。いろいろな経験を経て、自分にはこのメイクがベストだと自信をもって言えるようになったのです。要するに、自分に合うものが客観的にわかってきたということ。いろいろなメイクの冒険を経て、今があるということです。

年齢を重ねて一番気を付けたいことは、厚塗りでシミやしわを隠そうとしないことです。どんなに高価なファンデーションを使っても、シミやしわが魔法のように消えることはありません。たとえ、ある程度効果があったとしても、化粧を落とせばありのままの自分です。

メイクは楽しいものですが、外からいくら重ねても、元の肌の調子が良くなければファンデーションでカバーしても美しくなれないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。元の肌がきれいであれば、ファンデーションなしでも出かけられます。

若き日を生き終えた今、若い自分をコピーするのではなく、歳を重ねた自分を生きるのです。

■人生の先輩の知恵と経験に学ぶ

自分より先に経験した人の知恵を素直に借りてみることは大事なことだと思っています。

例えば私は母から、「お風呂上がりには顔だけではなく首にまでクリームを塗るのよ」と言われ続けて実践していたので、デコルテにしわがありません。

そして私は今、90歳を過ぎた叔母のお世話をしています。彼女は昔からきれいな女性でした。そして、驚くべきことに、「美しい女性(ひと)であった」ことが今の彼女の支えであり、年老いて生きていくうえで大切なアイデンティティなのです。

なので、ちょっとお出かけのときも、薄く口紅を塗り、眉を整えます。93歳の老人の顔など誰も気にしないでしょう。それでも、本人の生きがいは、“美しくありたい自分”なのです。

テレビに出ているような女優さんやモデルさんのようにはいかなくても、自分らしく「今日の私はきれい」と自信を持って生きることが大事。叔母を見ているとそんなふうに思えます。

■はじめは、一杯のお味噌汁から

そして、多くの先輩から言われて実践しているのが「水と良質のたんぱく質」を摂ることです。体が水とたんぱく質でできているなら、このふたつを積極的に摂取することは理にかなっています。なるべく水分を摂り、一日一回は肉か魚を必ず効果的に摂取できるように食事の献立を考えます。

急いでいるときは、卵かけご飯と糠漬けでも構いません。たんぱく質、炭水化物、野菜と、ちゃんとバランスの良い栄養素は摂れています。「食べたもので体はできている」ことを忘れてはいけません。

世界の国々には、その国の人の体にあった、国民食とも言える、健康食があります。日本で言えば、それは例えばお味噌汁です。

出汁を取って、具材はそのときに食べたいものを。なぜなら、食べたいものこそが体に足りていないものだと考えるからです。お味噌汁を食べ続けていると、肌の保湿力が上がっていることを実感します。

私の場合、お味噌汁を食べる習慣のおかげで、食生活に気を配り、ひいては生活や健康そのものを大事にできている気がします。

はじめは、一杯のお味噌汁から。「きれい」は特別なことではなく、生活とともにあるもの。丁寧に生きている人こそが、「きれい」。今はそう思います。

良質な水とタンパク質を摂る。丁寧な暮らしをする。だから私は「今日の私はきれい」と自信を持って生きることができるのです。

小池一子さんのイチ推しコスメ

Acseine(アクセーヌ)の「モイストバランスジェル(Moistbalance Gel)」

肌に触れるとジェルが水のように変化。肌にすっとなじんでベタつきません。伸びがよく、少量でもしっかり潤ってくれます。

Text/小池一子(@koikekazuko1112

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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