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毒親と絶縁する方法はありますか?

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毒親とは、子供に「毒」のような悪影響を与える存在。毒親の存在に縛られて、つらい思いをする人も少なくありません。毒親と絶縁したい……。もし、そう思うことがあるなら、実際に毒親と絶縁できる方法や手続きはあるのか、アディーレ法律事務所の弁護士に聞いてみました。

毒親と絶縁する方法はありますか?

■お悩み「娘に金を要求し、脅す母親とどうすれば縁を切れますか?」

30歳独身女性、東京でのひとり暮らしです。収入の少ない実家に2年間、月8万円を送金してきました。しかし、このままだと死ぬまで金を要求され続ける、互いにとっていいことはない、と思い、今年6月から月1万円ずつ減らす形で送金しています。この10月は3万円送金しました。

以前も送金をやめたいと言うと、母親から「親を見捨てる気か?」「育ててやった恩を忘れているのか?」「許さない」「東京に押しかけてやる」「こちらには働き口がないから、あんたのお金がないと困る」「あんたには諸々1400万円くらいかかっている。内訳は〜で全額払え」など、メールや電話で泣き落としや脅しが立て続けにきたため、やむを得ず送金を続けてきた形です。

先日もそういったヒステリックな連絡が立て続けにきて、ストレスがたまり、気持ちが滅入っている状況です。私は自分の人生を生きるために、資産を守りたいですし、そうするのが当然だと思っています。

3人きょうだいのなかで長女の私だけが、母親から執拗に攻撃を受けていて、もうそろそろ訣別したいです。こういった毒親の典型例ともいえる母親との縁を切るための、法律的な手続きはどうすればよいのでしょうか? そもそも親と縁は切れるのでしょうか?

■親と絶縁する方法はある?

法律上、6歳に満たない年齢であれば、特別養子縁組をすることによって、養親との親子関係を作り上げるとともに、実親との親子関係を消滅させることができます。しかし、6歳以上となった場合は、分籍をしようが、配偶者の親等と養子縁組をしようが、法律上の親子関係を消滅させることはできません。

残念ながら、どんなにひどい親であっても、親と絶縁する法的な方法はないということになります。 日本でよく使われる「勘当だ!」とか「親子の縁を切る!」というのは、事実上の絶縁状態になることを指し、仮に事実上の絶縁状態になったとしても、法的な親子関係は残っていることになります。

したがって、相続権や扶養義務といった、法的な親子関係に基づく権利義務関係は、どんなに絶縁状態になっても存続していることになります。

■親を扶養しなければならない法律はある?

「親族には扶養義務がある」などとよく言われますが、この扶養義務というのは、民法877条に基づくものです。民法877条には、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある。家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる」と規定されています。

すなわち、親子関係や祖父母・孫といった直系血族の関係、兄弟姉妹の関係にある者同士は、お互いに法的に扶養義務が課せられていることになります。この間のどなたかが困窮している場合には、お金の援助などにより助けなさいとされているわけです。今回のご相談者さまは、子供という立場で、両親が困窮している場合には助ける義務があるということになってしまいます。

その他、3親等内の親族の補助的に義務を負うことがあるので、ご相談者さまの姑やいとこなども扶養義務を負う可能性もあります。相談者様やご兄弟が、両親にお金を援助するのがキツいといった場合には、これらの方々に助けを乞うことも視野に入るでしょう。

上記のように、確かに子は親を扶養する義務がありますが、義務に違反した場合の罰則はありません。仮に「家計のやりくりをしっかりすれば、十分に暮らしていける」ということであれば、「お金は支払いません」という態度に終始しても良いと思われます。

当然、言い値で渡す必要はなく、生活していけるだけのお金を渡せばいいので、状況に応じて減額していくことも可能でしょう。

何よりも上記のように、扶養義務は相当広い範囲の者が負っているので、扶養義務者が複数いるようであれば、「扶養請求調停」によって、扶養義務を負う者の順位などを裁判所で話し合うことが視野に入ります。

■場合によっては調停、内容証明の対応を

調停で話し合いが成立しない場合は、「審判」というかたちで裁判所に決定してもらうことも可能です。少なからず、扶養義務者のうちの一人だけが一方的に扶養義務を強いられているという状態からは脱却できる可能性があります。

今回は、3人兄弟ということなので、少なくとも扶養義務者は3人いらっしゃるようです。まずは3人で話し合いかと思いますが、場合によっては裁判所に調停を申し立てるのが良いでしょう。

脅しを交えてお金を請求してくるような場合は、たしかに「恐喝罪」に該当し得ます。しかし、親族相盗例といって、「直系血族間で起きた恐喝事件は、刑を免除する(刑法244条1項)」とされていますので、ご両親に刑事罰を与えることはできません。

場合によっては、弁護士からの書面により「必要な範囲で扶養義務を果たす意向はあるので、執拗な請求はやめるように」という内容証明を送ることも視野に入ります。

■親と絶縁したい……ひどい場合は弁護士にも相談を

親族間のトラブルといえば、「相続」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は、親族間における「借金」や「扶養」などに関するお金のトラブルも、結構多いものです。血がつながっているという意識から、なかなか断れず、ずるずるとお金を渡してしまうことも少なくありません。

しかし、親族だからこそ、お金のやりとりで揉めた場合、感情論での紛争になることも少なくなく、骨肉の争いに発展しやすいので注意が必要です。おひとりで悩み続けていることが一番精神的にお辛いでしょうから、あまりにひどい場合は一度弁護士に相談してみてくださいね。

協力:アディーレ法律事務所

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DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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