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デキる女の決断クローゼット #1 私、プチプラで幸せになれますか?

近年、プチプラアイテムのコーデがブーム。誰もがあたりまえのように着こなすようになりました。でも、なんとなく買ったプチプラアイテム、着こなせずに、クローゼットの肥やしになっていませんか? 本連載ではハイ&ローの組み合わせで、個性を活かした賢いファッションを提案します。

デキる女の決断クローゼット #1 私、プチプラで幸せになれますか?

■プチプラコーデが微妙に見えてくる理由

「いつか着る、は一生着ない」

私たちは何度となく、そういう心境になることがあります。
近頃は、ブログやInstagram、書籍まで、プチプラコーディネートが大流行中です。モデルさんのようにすらりとした美女が、GUやH&Mを素敵に着こなしているのを見ると、うっかり「私も」なんて思ってしまいます。けれども、ぜい肉のつき方や肌のハリがまるで違う、私のようなアラフィフが真似しても、悲しいことに仕上がりはまるで別モノ。「プチプラなんとなく買い」をしても、いい買い物ができた試しがありません。

毎日違う服を着て、ブログで自撮りを見せてくれる美女たち。少なくともトップスとボトムス各1枚、毎日違う服を着るとしたら、月60枚もの服の組み合わせを、毎日考えていることになります。それにアクセサリーと靴を組み合わせたら、よっぽど豪邸に住んでいない限り、きっとすごい勢いで服を捨てているのかも。プチプラコーデ本と断捨離本を買う人は、ひょっとするとかぶっているのかもしれません。でも私たちのようにふつうの女性が、プチプラ服を大量に買い、様々な服のコーディネートを考える必要があるのでしょうか。

先日、外資系企業に勤めるイケメン男性(40代)とご一緒した際、彼はこんなことを言っていました。

「SNSに子どものことしかのせない女性と、仕事のことしかのせない男性は、どちらもカッコ悪い」

ごもっともです。育児も仕事も「そればっかり」の人には、なんだか視野が狭くて退屈な人、という印象を持ってしまいます。

たとえば、1日3時間メイクに時間をかける人がいたとしたら、「すごいね」より「ヒマそう」が、受け取る側の本音。そして365日プチプラコーデを考えている人からも、なんとなくそれに似た匂いを感じてしまうのは私だけでしょうか。

1日中服の心配をする人より、仕事もおしゃれも美容も恋愛もバランス良く軽々とこなし、スマートに時間を使う人はやっぱりカッコいい。大人の女性になればなるほど「頭使ってるけど、時間使ってない感」がほしいなあと思うわけです。

貴重な時間と労力を使い、結局ゴミ袋の山を作るだけの「プチプラなんとなく買い」はもうおしまい。プチプラにも流行にも振り回されず、「さくっと決断できる女」を目指したいものです。


■危ないプチプラ、賢いプチプラ

ここで暴露話を1つ。私が16年身を置いていたファッション業界で、以前こんな経験をしました。ブランドAは、20代半ば対象のOL服。ブランドBは、20代後半から30代対象のキャリア服です。あるとき、両方のブランドがまったく同じ黒い生地を使い、似たような形のパンツを販売しました。ところがそのパンツ、ブランドAは9,800円、ブランドBは12,800円の値段がつけられたのです。むむむ。詐欺か!? このからくりはいったい何なのでしょう。

形や素材はほぼ一緒。違ったのは縫製工場です。ブランドBのほうがワンランク上の工場で製品を作っていました。

服にはブランドごとに、基準となるサイズが想定されています。ブランドBはブランドAより全体的にゆったりサイズ。また、服を裁断するときに使う型紙の形やサイズも微妙に違っています。女性は年齢が上がるほど体のラインが丸くなるため、そうした体型を美しく見せるために、微調整が必要になってくるのです。当然、そのほうが作るのに手間ひまもかかるわけで、いわゆる「縫製がいい」というのは、こうしたことを含めてのことを指すのです。

ですから、アラサーを越えたら避けたい「危ないプチプラ」は、ラインの良し悪しがはっきりと出てしまう服。少しでも細く長く見せたい下半身を包むパンツ類や、肩パット・襟芯など、いろんなパーツが複雑に組み合わさってできているジャケット、1枚の布で勝負しなければいけない、よそいきワンピースなどです。

逆に、ゆるっと着るジャージーワンピや、脇がざーっと直線で縫ってあるだけの単純なブラウス、いつも黄ばみのないものを着たい白Tシャツ、素材の良さより洗濯のしやすさを優先したい服などが「買っていいプチプラ」。いずれも試着して体のラインが美しく見えるものであれば、利用する価値アリです。

■決断と選択の積み重ねがカッコいい女をつくる

もしもあなたが夕飯の買い物に行くとして、ただ漠然と特売の肉や野菜を買い集めても、何かの料理になることはありません。今日はカレーをつくると「決断」して、肉や人参やじゃがいもを「選択する」から、目的のメニューを作り美味しくいただくことができます。

そういう意味で、ファッションと生き方は似ている気がします。
「目指すものを決めること、そして自信を持って選ぶこと」
それがなければ、自分にとって必要なものや、なりたい自分は手に入りません。そして他人がどうであれ、自分らしい決断と選択ができる人は、文句なくカッコいい!

そんなデキる女のクローゼット作りのために、役立つエッセンスをお伝えしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

●まとめ
ファッションと生き方は似ている。
なりたい自分を決め、自信を持って選択しよう。


輪湖 もなみ

ワードローブコンサルタント/リメイクデザイナー 大手アパレルで16年間ブランド管理や店頭指導などに携わる。長年培ったノウハウを個人のクローゼットに応用し、毎日着る服がないと悩み断捨離を繰り返す人を救うため、クローゼットコン...

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