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離婚後の立ち直り方。“私を幸せにできるのは私だけ”と考えて 2/2


■結婚も離婚も経験してきたから今の私がいる

夫の戸籍から抜けたとき、旧姓に戻り、この結婚をなかったことのように人生を仕切り直すこともできたと思う。けれども私はそのままの名前を名乗り続けることにして、自分ひとりだけの新しい戸籍を作った。名前を変える手続きが面倒くさかったり、今の名前の響きを気に入っているというのも理由のひとつではある。でも、それよりも、この経験をただの失敗として忘れようとするのではなく、糧にして前に進みたいと思ったのだ。

この結婚は私にとって、上手くいかなかった思い出にしておくのはもったいないくらい、多くを与えてくれたものでもあったから。2年前のあのタイミングで夫と結婚していなければ、独立して自分の仕事を作ることの楽しさも面白さも知らなかった。娘を授からなければ、母としての幸せな時間を過ごすこともなかった。

出産を機に始めたブログを通して得た出会いがつながって、今こうやって文章を書かせてもらったりもしている。今の毎日を取り巻く環境や人間関係は、結婚する前に想像していたものとは全然違うものになった。それらは、最初からひとりで生きていたら絶対に出会わなかったものたちばかりだ。

結婚して新しい名字で暮らし、離婚するまでの2年という時間は確実に私を変えて、もはや昔の名前はしっくりこなくなってしまっていた。最初の理想とは全然違っているけれど、そうして生まれ変わった自分を、なかなか気に入っている。

それに、戸籍上は家族ではなくなった娘との唯一のつながりがこの名字だ。離れて暮らすことになっても、せめて名前くらいはお母さんのままでいさせてほしい。離婚届を出したあの日、私はこの名前と過去と共に、これからをひとりで生きていく覚悟を決めたのだ。

■手放すことは離婚から立ち直り、自分の人生を掴み直すチャンス

泣きながら家を出た、あの夜からおよそ1年。

端的に言うと、今の私は結構、いやかなり幸せだ。
もちろんしんどい時期はあったし、離婚の悲しみから立ち直りたい……でも、立ち直れるだろうかと思った日々もあったけれど、そんな記憶は幸せな時間を積み重ねることで確実に薄れていくものらしい。

離婚というのは、一般的には不幸な出来事だし、しないで済むならそれに越したことはない。けれども、どれだけ努力をしてもそれが避けられないとき、ぐちゃぐちゃにこんがらがってしまった関係を手放すことは、自分のための人生をもう一度掴み直すチャンスとなる。

だからもしも結婚で失敗しても、うまく誰かと一緒に生きられなかった自分を責めすぎないようにしてほしい。人生にはそういうこともあるのだと、ただ受け止めて、反省すべきところは反省し、一歩ずつでも前進できればそれでいい。

一時は立ち直れないくらい傷ついて人を信じられなくなるかもしれない。世間のネガティブな声に負けそうになるかもしれない。自分の中の罪悪感に耐えられず、苦しむこともあるかもしれない。だけど、そういったものを真正面から受け止めたところで、誰も自分を幸せにはしてくれない。

それならば、何よりも自分がやりたいことをして、全力で笑って、どうなるかわからない可能性に満ちたまだ見ぬ明日を、しっかりと楽しめる自分でいよう。離婚して、ひとりになった私を幸せにできるのは、私ひとりだけなのだから。

Text/杉山早
社交ダンスドレスデザイナー、ブロガー。学生時代に始めたドレス製作ブログがきっかけとなり、2013年に独立、自身のブランドSOL DECEM(ソルデケム)をスタート。ダンサーのためのオーダーメイドドレスのデザイン、製作に従事。自身も現役で競技会に出場する競技ダンサー。本業の傍ら、ニュースアプリを提供するIT企業のアシスタントや、個人のブログ・noteでの執筆活動など、幅広く活動中。

画像/Shutterstock

※この記事は2016年7月11日に公開されたものです。記事中の数字や情報は公開当時のものです。

DRESS編集部

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