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「お金がなくてもいいから、結婚しよう」早婚化する若者たち

時代は急速に変わっているものの、結婚に関しては旧来の価値観に縛られ、選択肢を狭めてしまう大人は少なくありません。一方で、若者たちにとって「一家の大黒柱」なんて言葉は死語と化したかのよう。「夫婦二人で稼げばいい」があたりまえの感覚となっています。思い込みを捨てれば結婚はもっと自由なものになるはずです。

「お金がなくてもいいから、結婚しよう」早婚化する若者たち

少子化大国ニッポン、と言われて久しいですが、5月、厚労省から発表された2015年人口動態統計によれば、出生率は1.46に上昇し、21年前の水準にまで回復したそうです。政府が掲げる「希望出生率1.8%」にはまだまだ遠いですが、「兆し」が感じられるニュースでしたね。

一方、少子化のもう一つの原因である「晩婚化・未婚化」の流れは止まりません。とりわけ深刻なのが未婚化です。国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚したことがない人の比率)は2010年に男性が20.1%、女性が10.6%でした。

これが2035年には、男性の29%、女性の19.2%に上昇する見通しなのだそうです。つまり、今から20年後には男性の約3人に1人、女性の5人に1人が生涯未婚者となると言われているのです。

■「大黒柱」バイアスで男性の稼ぎを求めてしまう女性たち

「まだ家族を養える自信がないから、結婚はできない」
「自由に使える時間やお金がなくなってしまいそうだから、結婚はしたくない」
「そもそも異性との出会いがない」
などなど、結婚しない理由、結婚したくない理由は人それぞれです。

もちろん、結婚しなければいけない理由なんて一つもありませんし、結婚せずにインディーに生きてゆくのもライフスタイルの一つです。

ただ、本当は結婚したいと考えているにも関わらず、親世代の「固定観念」に引っ張られてしまい、自分自身で「結婚できない」というバイアスをかけてしまっているならば、非常にもったいないと思います。

たとえば「まだ家族を養える自信がないから、結婚はできない」というバイアス。

「ある程度稼げるようになってからじゃないと結婚しちゃいけない」かのような固定観念が、未だに根強く残っていることを感じます。

「男たるもの、一家の大黒柱として妻や子どもを養うべし」

という「大黒柱」バイアスによって苦しんでいる既婚男性を数多く見てきましたが、そうした人生の先輩たちの姿を見て、「まだまだ大黒柱になんてなれない」と一歩を踏み出せない独身男性が非常に多いのです。

そして、そうした「大黒柱」バイアスに苦しめられているのは男性だけではありません。女性もまた、無意識に男性に「稼ぎ」を求めてしまい、本来いちばん大切な「価値観」の相性を見過ごしてしまい、選択肢を狭めてしまっているケースも少なくありません。

■「二人で稼いで、二人で生きて豊かになる」気づいている若者たち

ところが最近、10代後半から20代前半の若者の間で急速に「早婚志向」が高まりつつあることを、肌で感じます。

僕自身、19歳の頃に学生結婚をしてファザーリングジャパンという父親の育児支援を行うNPOで活動をする中、学生や若手社会人から結婚や子育ての相談を受けることも多いのですが、入社1年目など「社会人になりたて」の段階で結婚を決めるカップルが急速に増えていると感じています。

ここ1〜2年、ごく最近のトレンドです。

彼らは「オトナ」たちから決まって「まだ若いのに、よく結婚を決められたね」と言われるのですが、彼らにとっては結婚はごくごく自然なもの。恋愛の延長線上に同棲があって、同棲の延長線上に結婚がある。

「一人で稼いで、一人で生きる」より「二人で稼いで二人で生きる」方が、心身ともにずっと豊かな生活を送れるはず、ということを彼らは感覚的に理解しているのです。

そこには「俺が養ってやる。俺が養わねば。」というような大黒柱バイアスは全くなく、
「二人一緒の方が毎日幸せに生きられるよね」とごく自然に、結婚生活を楽しんでいるのです。

もはや「男は仕事、女は家庭」という時代は過去のものとなりつつあり、男性が一家の大黒柱である必要性はまったくないのです。

それぞれがそれぞれの仕事をして、家事もごく普通に分担。

旅行に行ったり、ライブや映画に行ったり、共通の趣味を楽しむこともあれば、それぞれ一人で別の週末を過ごすこともある。

2〜3年ほど、一通り「二人きりの生活」を楽しんだ後は、子どもを産んで子育てを楽しむ。

人は一人では生きられないからこそ、人生のパートナーとしてお互いの人生をハッピーにしてくれる人と人生を共にすること。

男性も女性も、「養う/養われる」という関係性で結婚を捉えるのではなく、「大黒柱」バイアスから自分を解放し、人生のパートナーとしてお互いの人生を豊かにしてゆく。

「結婚生活」の本来あるべき姿を、早婚化する若者たちから教えてもらったような気がします。

"Fast alone, Far together"

早く行くなら一人で行け。遠くに行くなら一緒に行こう。

僕が大好きなアフリカの諺です。

僕も、妻と3人の子どもたちと一緒なら、どこまででも遠くに行ける気がしています。

西村 創一朗

1988年、神奈川県生まれ。首都大学東京法学系を卒業後、2011年に新卒で大手人材総合会社に入社し、現在は採用担当・新規事業企画を兼務する。本業の傍ら「二兎を追って二兎を得れるよのなかをつくる」をビジョンに掲げ、2015年に...

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