「観葉植物を枯らす女」から卒業する、たったひとつの方法

「観葉植物を枯らす女」から卒業する、たったひとつの方法

ペットにはもれなく名前をつけるのに、植物につけないのはどうしてだろう。植物にも好きな名前をつけると、毎日近寄って様子を見るから愛着がわく。結果、すこしの変化に気づきやすくもなる。だから自宅にある植物の名前をまず考えてみませんか?


「私って観葉植物も枯らす女なのよ」

自慢じゃないが、私は今まで何度も観葉植物をかっぴかぴに枯らしてきた。だから自分用に大きな観葉植物を買おうなんて、大それたことを思ったことは一度もない。

そんな私が先週、贈答用のグリーンを探していて、「エバーフレッシュ」という名前の観葉植物に一目惚れしてしまったのだ。

<綾野剛さん的「長身塩系グリーン」で旬なお部屋に』>

ダンナがいると我が家の気温は確実に1〜2度上昇する。私が寒がってもお構いなしで冷房をガンガンかけるし、中年男ってどうして存在自体が暑いのだろう。そこへいくと、この「エバーフレッシュ」の立ち姿は、なんとも涼しげで爽やかだ。すっとした塩系男子のようなグリーンを連れて帰ったら、暑苦しい我が家に涼しい風が吹く気がして、つい自宅用にも購入してしまったというわけだ。店を出るとき、“グリーン王子”こと観葉植物専門店のイケメンお兄さんは、まぶしそうに目を細め、笑顔で私に言った。


「由樹子さん、この木にぜひ名前をつけてあげてくださいね」


「名前かあ」


グリーン王子が、なぜそんなことを言ったのかはわからない。
涼しげな塩系男子といえば綾野剛。そうだ名前は“剛ちゃん”にしよう。
というわけで、先週から我が家のリビングの中心に、“剛ちゃん“のいる暮らしが始まった。

植物に名前をつけると、思ってもみなかったことが起きた。帰宅後の私の行動にある小さな変化が起きたのだ。

今までは、帰宅し鍵とバッグを玄関においたら
「ソファにどさっと座り込み、テレビのリモコンをつける」だったのが
「剛ちゃんただいまー!と、植物に歩み寄る」
が、いつのまにか毎日の習慣になっていた。

今まで、私にとって観葉植物は、ランプや花瓶と同じ「モノ」だった。でも“剛ちゃん”と名前をつけたことで、私はそこに「生き物」がいることを初めて意識するようになったのだ。

毎日剛ちゃんに歩み寄ると、いやでも様子が目に入る。そうすると「新芽が出てる」とか「土が乾いてるぞ」などと気づきやすくなる。だから、植物を何日も放っておいて、気づいたらからっからに干からびていたということが起きにくくなった。

剛ちゃんは夜になると葉を閉じて眠り、朝になると葉を広げる。その姿を見るのが楽しくて、先週は本屋でお手入れ方法を立ち読みまでした。植物にこんなに興味が持てたのは生まれて初めてだった。

考えてみれば、「観葉植物の育て方」なんて学校も親も教えてはくれなかった。ガーデニングやフラワーアレンジメント好きの一部の人はどんどん経験を積み詳しくなる。知らない人間との知識量の差は大きくなる一方だ。

私は高校の数学で「log」というものが出てきたときから、数学というものがさっぱりわからなくなった。「どこがわからないの?」と、先生や友達が聞いてくれたが、どこがわからないのかがわからない。そして人は、わからないことにはまるで興味が持てないものだ。

もしも私がペットを飼ったら、「おい! 犬!」とは呼ばない。名前をつけて可愛がるだろう。
植物だっておんなじだ。名前をつけると、親しみと愛着が増してくる。


「植物に名前をつければ、植物ともっと仲良くなれる」


グリーン王子はそう私に言いたかったのだろう。今度こそ「観葉植物を枯らす女」から抜け出せそうな気がする。

+++ もなみのちょい足しポイント +++

以前、東京品川にある某企業のオフィス内で、ある実験が行われました。仕事デスクの上、キャビネットの上、オフィスの窓際にできるだけたくさんの観葉植物を9週間配置し、そこで働く人がどんな心理状態になるかを調査したのです。

また、各社員が仕事デスクの上の観葉植物を決めるときには、
A区=自分で植物を選択せず、世話する
B区=自分で植物を選択し、世話する
C区=自分で植物を選択し、世話しない
D区=自分で植物を選択せず、世話しない
の4グループに分けて行いました。

この実験の結果、ほぼすべての社員が、自席から遠い場所にある観葉植物より、自分の仕事デスク上にある観葉植物に、より「満足だ」「愛着を感じる」と答えました。
また、A〜Dの4グループのうち、自分で植物を選択し世話したB区の社員は、その他のグループの社員より、「職場のストレスが減った」「自分の職場に満足している」「今後植物を個人的に育ててみたい」という感想が非常に多かったそうです。

観葉植物は人間のストレスを減らすと言いますが、ただ置くだけではなく「自分のものと思って世話する」ことで、人は植物からさらにいい影響を受けることができます。マイナスイオンをたっぷり出す植物は、緊張状態やストレスを緩めたり、空気をきれいにし免疫力を高めるなど、人の心と体にいい影響をたくさんもたらしてくれます。夏の蒸し暑い時期、観葉植物に名前をつけて、仲良くなってみてはいかがでしょうか。

この記事のライター

ファッションライター。 大手アパレルで16年間、ブランド管理や店頭指導などに携わる。 現在はフラワー装飾とファッション関連の仕事を兼務。 ブログ「ミランダかあちゃんのスタイルレシピ」は、 40代ファッション人気ランキ...

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