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「仕事は強さがないと進まない、でもママはやわらかくなければ」のジレンマ【ワーキングマザー会議 前編】

子育てをしながら働けるという環境を与えられ、自分はどんな形で会社に貢献することができるか?+αで何ができるのか? 母であり一社会人でもある女性たちが、ワーキングマザーとしての心構えについて意見を交わしました。

「仕事は強さがないと進まない、でもママはやわらかくなければ」のジレンマ【ワーキングマザー会議 前編】

日本の共働き世帯は近年増加の一途を見せ、厚生労働省の調査によると、2014年時点でその数およそ1,077万世帯。職場にワーキングマザーがいることも珍しいことではなくなりました。「エクスボーテ」などのコスメを手がける化粧品メーカー「マードゥレクス」にも、多くの働くママが在籍しています。今回はママさん社員が集まって行われた同社のミーティングの様子を取材。働くママたちのリアルな声を聞きました。

■ママたちがプロ意識を持つために定めた5つの心得

今回のミーティングは、2013年2月に社内で決定した下記の「ワーキングマザー5か条」がベースになっています。

以下は、働くママたちはどのような意識を持って仕事をすべきか、その心構えを表すために、プロ意識をきちんと持って働くために、当時9名だったママさん社員たちが作ったワーキングマザー5か条。

(1)常に会社の人、周りの人に感謝する心を持つ
(2)会社では、ママ意識を捨て、プロ意識に徹する
(3)常に、新しいことへ挑戦する姿勢を出す
(4)時間の効率化を図る(資料化:フローの徹底、見える化:共有の徹底)
(5)常に必要とされる人材になる(存在意義のある業務を行う)

さて今回、ミーティングの進行役を務めるのは、自身も小学4年生と小学5年生のお子さんを育てている企画開発室の吉岡さん。プロ意識を持って働くために、皆さんと意識的に共有していきたいと思い、15名に増えたワーキングマザーに呼びかけ、参加可能な13名でミーティングはスタートしました。

■「会社から能力を発揮するチャンスを与えられている」

最初に吉岡さんが指名したのは、クリエイティブ職の國光さん。國光さんはまず①の感謝の気持ちを持つことをすごく大切に感じていると語り始めました。ママという役目以外にも自分の能力を発揮できるチャンスを会社から与えてもらっている、と感じているそうです。

「ただ、私は(2)みたいに会社と家庭でスイッチを切り替えるのが難しい。攻撃的にがんばっていかないと仕事は進まない。でも、攻撃的でいると、ママは成立しないんですよね」(國光さん)

ママとしては強さを捨ててやわらかくならなければ、と話す國光さんでしたが、同じ部署の先輩ママ・渡邉さんに「産休からの復帰後、以前よりまわりと協力しようとしている姿を見て、やわらかくなった、すごく変わったと思ったよ」と声をかけられると、恐縮するような表情を見せていました。

進行役の吉岡さんが続いて指名したのは、第一子が生まれ、今年職場復帰したという末廣さん。ワーキングマザーとしての大変さはまだあまり実感していないと言いつつも、今後保育園からの呼び出しなどで職場に迷惑をかけるかもしれない、と不安な思いを語ります。

「復帰後2日ほどでゴールデンウィークに入ったんですが、連休中に私が知恵熱を出してしまって。ママになったことや復帰前と業務内容が変わったことなど、新しいことばかりを経験していたら、知らないうちに疲れてたんだってそのとき気づきました。先輩ママさんたちはみんなその大変さを乗り越えてきたんですね」(末廣さん)

■時間がないときは、効率化できるチャンス

仕事はなるべく自分の力でやりたいけど、自宅に持ち帰って働くのは難しいと話す末廣さん。また國光さんも、会社で終わらせられなかった仕事を自宅に持ち帰り、子どもが寝た後に取りかかるという生活を一時期送っていたそうです。しかし納得のいく仕上がりにならず、きちんとやっているつもりだった仕事に焦りが出ていたことに気づいたのだとか。それを受けて、吉岡さんは(4)の効率化へと話をつなげます。

「今までは打ち合わせにも長い時間をかけることができたけど、時短勤務で早く帰るということになると、決められた時間内にポイントを絞って相手に伝えないといけない。そういうことの積み重ねで、効率的な働き方が身についてくるのかもしれませんね」(吉岡さん)

さらに、効率化について自身の経験を話したのは品質管理室の築井さん。1人目を出産して間もないころ、資料作成の多い部署に在籍していたため、休日に子どもをご主人に預けて大量の資料と格闘していた当時の様子を「公私混同していた。ダメだと思いつつ続けていました」と話します。意識が変わったのは、二人目の子どもを出産し、再び職場復帰を果たしてから。

「タイムマネージングを以前より意識するようになりました。そうすると、今まで大事だと思っていたことでも『ここは省けるんじゃないか』『この資料はもっと簡素にできるのでは』と考えるようになったんです。物事に優先順位をつけるというのは20代のころからしていたんですが、ママになってタスクが増えたぶん、優先順位の高いものは時間内に終わらせよう、低いものは長期的に取り組もう、という考えに変わりましたね。時間がないときほどちゃんと頭を使って考えられるんだと気づきました」(築井さん)

(後編につづく)

Text=芳賀直美

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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