「自分だったら」は、自分のためになる魔法の言葉【藤原美智子 連載】
5月は爽やかな新緑の季節。普段、忙しくしているDRESS読者の皆さんも、「部屋に観葉植物でも置いてみようかしら」という気分になるのではないでしょうか。
でも次のような声もよく聞きます。「仕事で忙しくしていたら、いつのまにか枯れてしまった」とか「何故か、いつも枯らしてしまう」というものです。
また植物を上手に育てるコツとして、「植物をよく見ていると、何をしてあげたらいいかわかるようになりますよ」というプロのアドヴァイスもよく聞きます。つまり毎日見ていると前日との変化がわかり、「あっ、昨日よりも勢いがない。水が必要なんだわ」とか「こんなところに虫が。取ってあげなくちゃ」という具合に何をしてあげれば良いのか自然とわかるということです。
私も日頃からそれを心がけるようにしているのですが、最近、もう一つ素晴らしいコツを某女優さんに聞きました。それは「自分がして欲しいと思うことをしてあげる」というもの。彼女は職業柄、育て方が難しいと言われている胡蝶蘭を頂くことが多いとのこと。それである時、園芸のプロに育て方のコツを聞いたら、前述のように教えてもらったということです。
それ以来、彼女は葉にほこりがついていたら、葉の裏表を水で濡らした両手で優しくなでるようにして一枚一枚を綺麗にしてあげているそうです。そして水を上げたら、水が切れるのを待ってから皿に戻しているとのこと。感心して聞いていると「だって、自分だったら水浸しの中にいるのは気持ち悪くて嫌だなーと思って」と、さも普通のことのように答えたのです。それを聞いて「自分がして欲しいと思うことを」ということの意味を「あー、なるほど!」心から納得できました。
確かに「自分がして欲しいこと」は、人間はもちろんのこと植物だって同じこと。いや動物もそうだし、もしかしたら野菜も家具も食器も全て同じなのかもしれません。
人間関係も「自分だったら」と思ったら、どう言葉をかけたらいいのか、どう行動したらいいのかが自ずとわかってきます。掃除も料理も全てシンプルに「自分だったら」という気持ちで行えばいいだけのことなんだ……!
そのことに気がついた時には何故だか、目の前がパーッと明るく開けた気持ちにもなりました。もちろん、そうは思えない時もありますが、それでも気持ちの根っこにこの思いがあると、何よりも自分が楽になる。後で振り返ると自分のためにもなっている、ということにも気がつきました
ということで、今では生活のいろいろなシーンに「自分だったら」を利用しています。もちろん観葉植物のお世話も、この方式で。皆さんも是非、活用してみてください!