「情報と知識を身につけたらお金につながる」石田純一さんがお金に愛される理由
生きていく上で欠かせないお金。もちろんあるに越したことはないですし、お金に余裕があると、精神的な安定にもつながりますよね。
DRESSでは、俳優の石田純一さんとフリーアナウンサーの魚住りえさんが2月13日、昭和女子大学で行ったお金をテーマにしたトークショーGirls Be Conscious 2016「石田純一と語る、お金に愛される法則」(主催:FPwoman)をレポート。
波乱万丈な人生を送ってきた石田純一さんの口から、一体どんな話が飛び出すのでしょうか。
■お金を稼ぐことは汚いことじゃない
大金持ちや成功した経営者などに嫉妬のような感情を抱いたり、お金を稼ぐこと=汚いことと思ったりする人もいるかもしれません。しかし、お金は決して汚いものではないと石田さんは語ります。
「学校ではお金に関することをあまり教えてくれませんよね。お金について教えるのははしたないとか、教養ではないとして捉えられがちですけど、将来稼ぐお金に関係しているのは人間力や人格。これは間違いありません」
知識や教養を身につけて裾野を広くしていけば、他の人よりも高い山に登ることができる。結果、得たものが仕事になり、お金を生み出し、人間力を上げるため、石田さんは週に3冊は本を読んでいるそう。
「ニーチェの言葉に『愛とは相手のことを理解してあげるだけでなく、相手の力を引き出してあげること』とあります。つまり開放してあげることが真の愛なんです。これは、ビジネスパートナーも同じことが言えます。一人でお金を稼ぐより、仲間やスタッフを集結して多くの人の力でサポートしてもらうと、大きくしていけますよね」
石田さんの大事なパートナーといえば、奥さまでプロゴルファーの東尾理子さん。魚住りえアナウンサーに奥さまから学ぶ考え方について聞かれると「いつもニコニコしているので本当に癒されます。ズバリ、生命力のある人なんです」と、幸せそうなのろけ顔。
しかし、笑顔が持つ力については奥さまから学んだだけではありません。石田さんは若い頃、仕事がうまくいかず、社会に不満を感じていた時期がありました。それでも、印象を良くし、一緒に仕事をしたいと思われる方が成功につながるのだと気づき、笑顔の量を2倍、3倍と意識的に増やしていったそうです。
■収入が月7000円の時期も……人気俳優の座を手に入れた発想の転換は?
今でこそ人気俳優の石田さんですが、舞台俳優として演技の勉強をしていた頃の月給はなんと7000円。それでも、石田さんは悲観的になりませんでした。
「本来ならお金を払ってでも勉強したい、橋爪功さんなどの先輩俳優の演技を間近で見られるし、しかも給料までいただけるわけです。ただ、『ジュース買ってこい』など、こきつかわれますけどね(笑)」
苦しい時代の環境ですら前向きに捉えていたことに脱帽です。
また、石田さんがブレイクしたきっかけのドラマが、1988年に放送された『抱きしめたい!』。実はこのドラマで売れなければ、芸能界を引退するよう事務所から言われていたそうです。そこで、石田さんはこのドラマに賭けます。
「格好良くテレビに映りたい、売れたい、お金が欲しいというスケベ根性を捨て、二つの目標を立てました。一つ目はありのままの自分でいくこと。ありのままの自分でやってダメだったら諦めがつくので。
二つ目は、視聴者の印象に残るよう、演技を工夫しました。ドラマでは浅野温子さん演じる麻子に振られ、僕は5話から登場しなくなるんです。そこで、どうせ振られるなら格好良く振られようと。
『麻子、あんな男じゃ嫌だよね。そりゃ、岩城滉一さん(早川圭介役)のところに行くよね』と視聴者に言われるのは悔しいので。台本には麻子に振られるシーンで『暗く見送る修治』とあったのですが、麻子より年上の男がメソメソしていたらいけないだろうと、僕はキザに明るく見送ったんです。
そのおかげで、視聴者から『修治役の俳優は誰だ?』とか『麻子と修治がこれからどうなるか楽しみです』などの感想が寄せられ、結果としては最終話まで出演することができました。
ただ、試写の後はプロデューサーから『あれだけ(キザに見送る演技)はやめてくれ』と注意されましたが(笑)」
石田さんの覚悟を決めて、思いきった行動が大ブレイクにつながったようです。
■知識と情報が詰まった「純一ノート」は20年の習慣に
石田さん流・お金に愛されるための自分磨きには、驚きの習慣がありました。なんと、20年近くも「純一ノート」なるものをつけているそうです。
「公演やセミナーに参加したり、本を読んだりして気づいたことや頭に浮かんだことをノートに書いています。もう5冊目くらいです。モノは有限ですが、知識や情報は無限ですし、情報はお金になります。情報は知れば知るほどおもしろい。
無限の楽しさを知ってしまうと、『たくさん勉強したからもうしなくていいや』とは思わないんですよね。そして、情報や知識を得られる一番簡単な方法が読書です。
理子がオーストラリアに連戦に行ったとき、彼女はあまり調子が良くなくて、予選落ちしてしまったんです。そんな彼女にゴルフの話をせず、おいしいものを食べて盛り上げて励ます方法もありましたが、そうはしなかった。
代わりに、彼女がオーストラリアに行っている2週間、ゴルフに関する本や心理学の本を読み漁って、大事な点をまとめたノートを1冊作り、プレゼントしました」
自分のためにノートをつけるだけでなく、理子さんのためにも作り上げてしまうとは、愛情の深さが伝わってきます。そして、人間は一生勉強し続けるべきなのだ、とも気づかされます。
しかし、この理子さんへの愛がこもったノートは現在、どこにいったかわからないそうで、「はっは〜、どこかいっちゃった!」と豪快に笑う理子さんの姿を魚住アナが真似、会場にはどっと笑いが起こりました。
■やりたいことと年齢は関係ない
さらに、石田さんがお金に愛されるためにやっていることの一つに、お金を払う際、「また会おうね。次は友達をいっぱい連れて帰ってきてね」と心の中で唱える、というものがあります。一種の願掛けのようなものですが、お金を大切に扱う気持ちがより強くなりそうです。
最後に、石田さんから力強いメッセージをいただきました。
「何かに挑戦するにあたり、お金がないとか、時間がないとか、もう年だからとか、昔だったら身分が低いからとか、そんなことは関係ありません。江戸時代にすばらしい日本地図を作った伊能忠敬は武士ではなく、酒屋の入り婿だったんですよ。
彼が日本地図を作り始めたのは57歳の頃。当時の平均寿命をとうに超えています。現代人の年齢に置き換えると約75歳です。57歳から自分のやりたいことに18年もの歳月を費やして亡くなりました。ぜひ、みなさんもやりたいことがあったら挑戦しましょう。僕もがんばります」
俳優として成功し、プライベートでも温かい家庭を築き充実している石田さんですが、このように地道な努力を続けてきたからこそ、幸せとお金を手にできたのでしょう。石田さんのように知識と教養を身につけ、お金に愛される体質を目指したいですね。
Text=姫野ケイ
いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。