管理栄養士のレシピつき。栄養満点のダイエットスープで効果的に痩せる方法
無理に断食をしたり食べる量を極端に減らしたりするダイエットは、無理をしている分リバウンドのリスクも高くなってしまいがちに……。今回は、体に必要な栄養をしっかりと摂りつつ、無理なく効果的に痩せることが期待できる「スープをダイエットに取り入れるコツ」について解説します!
■スープダイエットのメリットとデメリットは?
スープダイエットは、通常の食事の一食分を野菜たっぷりのスープに置き換えすることで、短期間で無理なく痩せることを目的にしたダイエットとのこと。
海外で、野菜をたっぷり使ったスープを活用した、肥満対策プログラムから発祥したダイエット方法とのことですが、その真相は不明のようです。
情報が少ないので、科学的な根拠を判断するのは難しいですが、野菜たっぷりのスープを食べると、ダイエットの味方になってくれる効果もあるので、スープを毎日の食事に上手に取り入れることはダイエットにとても良いと思います。
基本のスープのレシピは、トマトやキャベツ、玉ねぎなどを使った栄養価の高い1種類のスープ。材料を煮込むだけなので、自炊が苦手な方でも無理なく続けやすいのが嬉しいですね。
スープにすると野菜のかさがグンと減るので、より簡単にたくさんの野菜を摂取することが出来て、普段の食事で不足しがちな食物繊維を補えるのが魅力的です。
効果が出る理由
スープにはさまざまな野菜がたくさん入っているので、低カロリーでダイエットに効果的! 野菜に多く含まれる「食物繊維」を効果的に摂れる点がポイントです。野菜やきのこなどに多く含まれる「不溶性食物繊維」は、保水性が高く便を増やして腸を刺激し、お通じ改善に役立ち、デトックス効果や美肌効果も期待されます。
わかめや里芋、大麦などに多く含まれる「水溶性食物繊維」は、胃腸内をゆっくり進むので食べすぎを防ぐ効果も! 食後の血糖値の上昇を抑える効果も期待でき、太りにくい体を作るのにも役立ちます。
また、あたたかいスープを飲むことによって体温が上昇します。体温が高くなると、「基礎代謝」も上がり、「痩せやすい体」に近づいていきます。朝しっかりと体温を上げると、消費エネルギーの多い状態が1日中続くため、朝食にあたたかいスープを飲むこともおすすめです!
スープ中心のダイエットをする際のコツと注意点
スープは具沢山で満足感も得られやすいのが特徴ですが、急にスープだけの食事にすると、空腹感が強くなり、次の食事で食べすぎてしまう事も。
物足りないと感じる時は、無理に食事量を減らさず、鶏肉や豆腐などのたんぱく質を加えたり、ごはんや玄米などの炭水化物を入れてスープごはんのように食べることがおすすめです。
また、1種類のスープだけでなく、いろいろなスープでさまざまな食材を摂取することも、ダイエットや代謝を上げる食事のポイント。
無理にたんぱく質や炭水化物は減らさずに、普段の食事にスープを加えるだけでも体があたたまり基礎代謝もアップするので、まずは具沢山スープを食事に取り入れてみるというのも良いですね。
■基本のレシピとアレンジ方法(ダイエットスープの基本レシピ)
トマトの具沢山スープ
トマト缶を使った、野菜がたくさん摂れる具沢山の基本のスープです。トマトに含まれるリコピンは強い抗酸化作用があり、細胞の酸化を防ぎ美容効果も期待できます。生のトマトよりも加熱したトマトの方がリコピンの吸収が良くなるので、スープとの相性も抜群!
材料(2人分)
キャベツ
にんじん 1/3本
たまねぎ 1/4個
セロリ 1/2本
トマト缶 1/2缶 (200ml)
水 1カップ (180ml)
A 顆粒コンソメ 小さじ2
A 味噌 小さじ1
A 塩、こしょう 少々
油 適量
作り方
1.野菜を食べやすい大きさ(1cm角くらい)にカットして、油をひいた鍋に加え、しんなりするまで炒める。
2.1にトマト缶と水を加え、中火で5~10分程煮込み、Aを加えて味を整える。
「トマトの具沢山スープ」アレンジ方法4つ
1.にんにくやしょうがなどの薬味を加えて代謝アップ!
にんにくに含まれるアリシンには、血行促進を促し冷え性改善も期待されます。ショウガに含まれるショウガオールも体を温めてくれます。生で食べるより温めると効果が出るのであたたかいスープに入れると効果倍増!
2.鶏肉や豆腐などのたんぱく質を加えて食べ応えも栄養もプラス!
ダイエット中に不足しがちなたんぱく質もスープに入れると、コクも食べ応えも加わっておいしいです。鶏肉の脂が気になる時は、皮を除くと脂が抑えられます。
3.玄米、大麦などの炭水化物を加えてスープごはんにも!
食物繊維が豊富な玄米と大麦。他にもビタミンB群、ミネラルなどもたっぷり。プチプチとした食感も楽しく、よく噛むことで満腹感も得られます。
4.タバスコなどの辛味を入れる!
辛味が加わり味も変わるので、飽きずに食べやすくなります。
■その他のスープレシピ
トマトのスープに飽きてきたら、いろいろなスープで体をあたためましょう!
その他のダイエットスープ1:サバ缶のお手軽みそスープ
サバに含まれるDHAは脳の活性化に役立ち、頭の回転が速くなる効果も期待されるので、勉強や仕事の前の朝ごはんにピッタリ! さらに、発酵食品の味噌と、不溶性食物繊維を含むわかめで腸内環境を整えてくれます。お湯を注ぐだけで鍋や火も使わずにできる、忙しい朝でもすぐに作れるお手軽みそ汁です。
材料(2人分)
サバ缶(水煮) 1缶
味噌 大さじ2
湯 400ml
カットわかめ 2つまみ
かつお節 2つまみ
作り方
1.お椀か大きめのカップを2つ用意し、それぞれにサバ缶以外の材料(1/2ずつ)を入れよく混ぜて味噌を溶かす。
2.サバ缶の身と汁(大さじ1くらいずつ)を2に入れてできあがり。
その他のダイエットスープ2:鶏肉とかぼちゃの豆乳スープ
豆乳と鶏肉でダイエット中に不足しがちなたんぱく質を補いましょう! かぼちゃには美肌効果が期待できる、ビタミンCやβカロテンが含まれているので、とくに女性には嬉しい食材です。
材料(2人分)
鶏もも肉(皮なし) 1/2枚
かぼちゃ
玉ねぎ 1/4個
豆乳 300ml
A コンソメ顆粒だし 小さじ2
A 味噌 小さじ1
A 塩、こしょう 少々
油 適量
作り方
1.鶏肉は2cm角に切り、玉ねぎは薄切り、かぼちゃは2cm角位に切る。
2.小鍋に油を熱し鶏肉を炒め、色が変わったら玉ねぎとかぼちゃを加え、玉ねぎがしんなりしたら豆乳を加えて弱火で煮て、かぼちゃがやわらかくなったらでき上がり。
■野菜盛りだくさんのダイエットスープでリバウンドなし!
野菜たっぷりのスープを食べることは、ダイエットの強い味方になってくれると言えるでしょう。リバウンドを防ぐには、無理に食事量を減らさないことがポイントです。まずは普段の食事にスープを取り入れてみて、野菜を意識的に摂ることをおすすめします。
参考文献
・『「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書』(厚生労働省)
・厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット 食物繊維」
・厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット 野菜、食べていますか?」
監修者プロフィール
常木 綾子
管理栄養士。株式会社Sunny andで料理家アシスタントを務めつつ、コラム執筆やからだ想いのおやつ製作販売など活動中。
管理栄養士。株式会社Sunny andで料理家アシスタントを務めつつ、コラム執筆やからだ想いのおやつ製作販売など活動中。