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ガリガリ体型になって愛されたかった。

今は153cm47kg、BMI20.08。40.4kg、BMI17.26だった私は、たったの半年でおよそ6.6kgも体重が増えた。でも、重くなった身体に反して心はなぜか軽い。温かくて栄養がある食事をとっているからだと思う。私たちの心と身体はいつだって食べ物でできているのだから。

ガリガリ体型になって愛されたかった。

153cm47kg、BMIは20.08。普通体重。

数値だけでいうと非常に健康的なこの値を見たのは、面白いことにちょうど一年ぶり。2019年6月に40.4kg、BMIは17.26だった私は、たったの半年ほどでおよそ6.6kgも体重が増えたことになる。

2017年11月から翌年2月まで行われた減量企画前の体重に近いぐらいの数値だが、重くなった身体に反して心はなぜか軽かった。


減量企画で体重を10kg以上落としてから、私の人生は一変した。それまでは友人内や男女の集まりでは、ジャンル分けすればお笑いキャラ。自分から男性へ積極的なアプローチをしていたものの、好きな人の隣を歩けるのは決まって別の女の子だった。

そういうことが度々あったり、男性から「なんだその腹!」とからかわれたりしても、「私はイジられ愛されキャラなんだ!」と謎のポジティブ解釈を発動させていた。恋愛が上手くいかないのは相手のタイプじゃなかっただけ。こればかりは仕方ない。そう思っていた私は、ダイエットにより痛いほど現実を突きつけられることになる。

それまではSサイズがパツパツで、アイテムによっては購入を断念していたことも多々あったが、痩せてからはXSサイズですら緩く生地が余る。Sサイズなんてブカブカで着れやしない。腕や脚を出す服を着ても、以前みたいにからかわれることなんてなければ、「ガリガリじゃん、大丈夫?」と誰かに会うたびにお世辞抜きの本気で心配された。実際に背骨と肋骨も、くっきりと浮き出るほどだった。人生でそんな経験と状態は一度もなかったし、何よりも私が望んでいたことでもあったのだ。

14歳当時。確か身長は150cmで体重は45kgや46kg。ガリガリに痩せてはいないが、特別太っているわけでもなく、至って健康そのもの。そんな状態なのにも関わらず、幼き私もまた体重計に乗るたびに大きな溜息をついた。当時の私は恋をしていて、その相手は痩せ型……いや、ガリガリ体型がタイプだと言う。そして、私にわざとらしくこうも言った。「もうちょっとくらい痩せなよ」。

頭が悪くはなく、BMIについても知っていた私は「この人は何を言っているのだろうか」という疑問を抱きつつも、好きな人に見合う人になりたいという思いも同時に抱き、14歳ながら軽度の食事制限を行うこともあった。カロリーだけに着目し、夕飯はキットカットを数個食べるだけで済ませていた記憶もある。

そのときからだ。健康のための体重管理と好きな男性が求める体重や体型の板挟みになったのは。

話を戻そう。減量企画開始当初から今も付き合っているパートナーがいるが、奇しくも彼もまた14歳の頃に好きだった人と同じく、ガリガリ体型がタイプときたものだ。減量企画の最中、「元カノは桐谷美玲と同じ身長体重だった」と悪気なしに言われたときは殺してやろうかと思ったくらい怒りに満ち溢れた。

「今のままでも可愛いと言ってくれて、愛してくれる人はいるのだろうけど、私が好きになる人は今のままじゃ愛してくれない、愛し続けてくれないかもしれない」

もう、これは呪いだ。

企画を終えた後も食事内容に気をつけてはいたが、季節が春から秋、秋から冬へと移り変わるにつれ、お腹を触ると皮から薄い脂肪が摘めるようになり、摘める程度だった脂肪が掴めるようになり、2018年12月時点で体重は47kg台まで戻ってしまった。体重が増えていくたびにセックスに誘われる頻度が減った感覚があった。行為に及んだとしても、身体に纏わりつく脂肪が気になる。そして、とうとう彼が言うのだ。「太ったよね」。言うなれば、死刑宣告。

そして、年が変わり、2019年。47kg台に乗ったと同時に死刑台にも乗った気分から逃れられず、一刻も早くその台から降りたかった。新年1日目から止めていた筋トレを再開。食事にも気を付けるようになって、その半年後40.4kgまで落とし、そしてそのまた半年後見事に体重は戻った。リバウンドと言われ、ざまあみろと嘲笑われるかもしれないが、前述したように今の私の心はとても身軽だ。たぶん……いや、人生で一番身軽と言っても嘘ではない。

一年前と同じ数値、自分のデッドラインを超えた体重であるのに、どうしてそういった心の状態なのか。自分なりに考えてみた結論は、それなりの量のちゃんとした食事を摂っているから、というもの。「そんなこと?」と思われるかもしれないが、心と身体は常に繋がっている。心の安定は身体の安定で逆もまた然り。

事実、一番体重が落ちた時期と一番精神が荒み、心が落ち着くことのなかった時期は見事なまでに合致しているのだ。しかも、その時期の食事はというと、トースト・ゆでたまご・茹で野菜・アイスクリーム・コンビニスイーツ・お肉のみ。一回の食事ではなく、一日でこれだけ。それはもう、心も身体もおかしくなる。健康とは言えない。

体型については、そりゃある程度の脂肪はつくけれど、太っているようなボディラインではない。今でも週6は自宅でスクワット、逆腕立て伏せ、背筋運動、ねじりプランクをそれぞれ20回4セット(全種類できない日でも、必ず2種類はする)を行っているおかげか、程よく引き締まったカーヴィなラインが良い感じなほどだ。私は本来、ハリウッド女優であるマーゴット・ロビーのようなヘルシーでゴージャスな体型が好きだから、今の体型は嫌いではない。少し重いけど、悪くもない。

今は毎日の食事量やカロリーは気にしないし、体重計に乗る頻度も毎朝から週1に減らした。それでも、バンっと増えることもないし、肉や魚でタンパク質、野菜や果物でビタミン、玄米に発酵食品といった食事を心がけているから便通もいいし、なぜか体重も少し減った。毎日体重と睨めっこして、キリキリイライラすることもなくなったから、パートナーとの些細な喧嘩さえも減った。

そう、私が愛したかったのはこういう自分自身だったのだ。自分を愛さなければ、他人の愛に気づくわけもない。

「健康なんて二の次でもいいからとにかく痩せたい」、その気持ちはよくわかる。個人の意思を尊重したいから、偉そうな説教はしないけれど……あなたは今、幸せ? 幸せならそれでいい。もしそうじゃないなら、温かくて栄養がある食事をする習慣を身につけてほしい。私たちの心と身体はいつだって食べ物でできている。

どうかそれを忘れないで。

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マドカ・ジャスミン

持ち前の行動力と経験を武器にしたエヴァンジェリストとして注目を浴びる。また性についてもオープンに語る姿が支持を集め、自身も性感染症防止の啓蒙活動を行う。 近年では2018年に著書「Who am I?」を刊行。テレビ番組や雑誌...

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